HarmonyOSモジュール開発実践:独立したルーティングと結合の解消戦略
まえがき
現代のソフトウェア開発において、モジュール化設計はプロジェクトの保守性と拡張性を高める鍵です。HarmonyOSは、その先進的なアーキテクチャ設計によって、開発者に強力なモジュール化開発ツールを提供しています。本稿では、HarmonyOSでモジュールの独立ルーティング設定を実現し、モジュール間の結合度を低下させ、単一モジュールの独立した実行と開発を可能にする方法を深く探ります。
一、アーキテクチャ設計の概要
モジュール化開発の基盤となるのは、明確なアーキテクチャ設計です。以下は、私が推奨するアーキテクチャ設計パターンです。
- baselibrary (基本共通フレームワークライブラリ)
- プロジェクト内で共通して使用されるすべての基本機能とユーティリティクラスを含みます。
- commons (ビジネス共通フレームワークライブラリ)
- uicomponents (共通ページ、コンポーネントライブラリ)
- 再利用可能なすべてのUIコンポーネントとページテンプレートを格納します。
- features
- collection (コレクションページコンポーネント)
- message (メッセージページコンポーネント)
- 各機能モジュールは、独自のビジネスロジックとUI実装を含みます。
- products
- default (製品モジュール)
- アプリケーションの主要な機能とエントリーポイントを含むデフォルトの製品モジュール。
二、ルーティング設定の詳細
1. 基本ルーティング設定
製品モジュールでは、まず基本ルーティングを定義する必要があります。これらのルーティングは、通常、アプリケーションの起動ページ、ホームページ、ログインページなどです。
基本ルーティング設定のコード例:
// ルーティング名の定数を定義する
export enum RouteName {
SplashPage = 'SplashPage',
MainPage = 'MainPage',
OtherLogin = 'OtherLogin',
OtherTest = 'OtherTest'
}
// ルーティング設定関数
@Builder
export function routeConfig(name: string, param?: object) {
switch (name) {
case RouteName.SplashPage:
return SplashPage();
case RouteName.MainPage:
return MainPage();
case RouteName.OtherTest:
return TestPage();
case RouteName.OtherLogin:
return OtherLogin();
default:
return NullPage();
}
}
2. アプリケーションエントリ設定
アプリケーションのエントリーファイルでは、ルーティングを設定し、ナビゲーションを初期化します。
アプリケーションエントリ設定のコード例:
@Entry
@Component
struct Index {
// ルーティングスタック
@Provide('NavPathStack') pageInfos = new NavPathStack();
aboutToAppear() {
// ルーティングを初期化する
LibNavigator.init(this.pageInfos, routeConfig);
}
build() {
Navigation(this.pageInfos) {
MainPage();
}
.navDestination(routeConfig);
}
}
三、モジュール化システムルーティング設定
1. モジュールルーティングページの作成
各モジュールごとに、モジュール内のページナビゲーションを実現するルーティングページコードを作成する必要があります。
モジュールルーティングページのコード例:
import { CommentComp } from '../pages/comment/CommentComp';
export enum MessageRouteName {
Comment = "Comment"
}
@Builder
export function messageRouter(name: string, param?: object) {
if (name === MessageRouteName.Comment) {
return CommentComp();
}
}
2. システムルーティングテーブル設定
システムの設定ファイルでは、モジュールのルーティングテーブルを設定し、モジュールの独立したルーティング実行を実現します。
システムルーティングテーブル設定のコード例:
{
"routerMap": [
{
"name": "Comment",
"pageSourceFile": "src/main/ets/router/MessageRouter.ets",
"buildFunction": "messageRouter",
"data": {
"description": "Comment ページ"
}
}
]
}
module.json5設定の例:
{
"module": {
"name": "message",
"type": "har",
"deviceTypes": [
"default",
"tablet",
"2in1"
],
"routerMap": "$profile:route_map"
}
}
四、おわりに
本稿の詳細な分析を通じて、HarmonyOSでモジュール化開発を実現し、独立したルーティング設定によってモジュール間の結合を低下させ、開発効率とアプリケーションの保守性を高める方法を学びました。本稿がHarmonyOSの開発者に実用的なガイダンスとインスピレーションを提供し、Harmonyエコシステムの繁栄発展に寄与することを願っています。
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