【AWS SAA】元不合格者が語るSAA合格体験記
はじめに
本記事は、AWS SAA-C02(AWSソリューションアーキテクトアソシエイト)を取得したい人に向けに、1回落ちた僕が反省と改善を踏まえた勉強方法や合格のポイントなどを共有します。
結論、SAAはAWSの実務経験がほとんどなくても合格できる試験だと思います。
僕自身も一部のサービスのみを数ヶ月経験、教材を使用したAWSの自己学習で合格しています。
AWS SAAとは
AWSのサービスを使った可用性が高く、高パフォーマンスで、コスト効率が高いアーキテクチャの設計が主な内容となります。ユースケースに応じて、どのAWSサービスを使用すればいいか最適な設計方法が問われます。また、セキュリティが高いアプリケーションの設計方法も出題されます。
多くのAWSのサービスがあるので、出題範囲は広いです。
AWS Certified Solutions Architect - Associate 試験は、AWS における分散システムの可用性、コスト効率、高耐障害性およびスケーラビリティの設計に関する 1 年以上の実務経験を持つソリューションアーキテクト担当者を対象としています。
引用:AWS Certified Solutions Architect – Associate
試験概要
・問題数:65問 (選択問題または複数選択)
・実施形式:テストセンターまたは自宅オンライン受験
・時間:130分
・受験料金:16,500円(税込)
・合格ライン:720点以上(1000点中)
試験結果
以下、試験結果です。
(SAAは720点以上で合格です)
1回目 699点 不合格(2021年7月末)
2回目 795点 合格(2021年8月)
合格時(2回目)
各スコア
不合格時(1回目)
各スコア
学習期間
2回目も含めた学習期間は、約1ヶ月半です。
平日:1時間〜2時間
土日:5時間以上
インプット:約3週間
問題解く:約2.5週間
AWS自体は、EC2,S3,CloudFront,Route53などの一部のサービスをいじったことあるぐらいで、業務で使用した期間も数ヶ月程度です。
1回目が落ちてから、最低2週間あけないと再試験ができないので、落ちた瞬間2週間後に申し込みしました。
使用教材
以下、学習した際に活用した教材です。
- Udemy
- 書籍
- CloudTech
- WEB問題集
他の方の記事でも紹介されていますが、それぞれの内容と個人的所感を書きます。
Udemy
これだけでOK! AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験突破講座(SAA-C02試験対応版)
この講座を受ければ、SAAの全体感が学べます。
ハンズオンや模試(65問×3回分)もあり、コスパもいいので、SAAを受けるのならばこれはおすすめです。
僕の場合は、ハンズオンは飛ばしてインプットと模試を2周しました。
ハンズオンも一緒に行ったほうが設計や構築方法もイメージが湧きやすいので、やったほうがいいですが、時間もかかるので飛ばしました。
【SAA-C02版】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集(6回分390問)
390問あるので、対策用に問題を解くのであればこの講座がいいと思います。
解説も丁寧についているので、間違った問題でもしっかり復習できるようになっています。
僕は、間違った問題で解説も読むのですが、それでもわからない場合は、上記のUdemyの講座を活用しました。
最低、2周はやりましょう(正答率70%のになるまでやるのが理想です)
また、「難易度は高め」と書いてありますが、実際の試験のレベルとほぼ同じぐらいの難易度かと思います。
書籍
AWS認定資格試験テキスト AWS認定ソリューションアーキテクト - アソシエイト 改訂第2版
試験範囲の各AWSサービスを広く浅く説明しています。
比較的初心者向けで、図もあり説明もわかりやすいです。
Udemyの説明ではわかりにくかった箇所があったので、こちらの本を読み理解できたところもあります。
さくっと読めるので、後半は辞書かわりに使用していました。
45問の模試付きですが、本番の試験とは若干異なる形式です。あくまで、この参考書を読んだ上での問題形式でした。
CloudTech
くろかわこうへいさんが運営しているCloudTechでは、無料で200問の問題を利用できます。(会員になれば400問受けれます)
CloudTechはやらない理由がないくらい、問題と解説のクオリティが高いです。
10問単位ででき、1問ごとに解説も出るので、移動時間や空き時間にやっていました。
WEB問題集
色々使用した模試の中で一番本番に近い問題形式と難易度となっています。
(実際に、本番で何問か似たような問題が出ました。)
4000円の投資が必要ですが、個人的には、模試を解くならこのWEB問題集が一番おすすめです。2回目を受ける上でこれを使用しました。
1問1答で解説もわかりやすく、公式のリンクもはっているので復習もしやすいです。
具体的には、#80~#148
を2周しました。苦手分野は3周しました。模試はこれをやり込むのがおすすめです。
合格を目指す上でのポイント
1回目落ちてからの反省点ふまえて、大事だと思ったポイントを3つあげました。
① ユースケースに応じて、各AWSサービスの特徴・違いを理解する
② Well-Architected
を理解する
③ 模試は「正答率75%以上」を目指す
1個ずつ、反省と改善アクション含め書いていきます。
① ユースケースに応じて、各AWSサービスの特徴・違いを理解する
SAAは試験範囲が広いので、様々なAWSサービスが登場してきます。例えば、EC2、S3、EFS、EBS、IAM、VPC、RDS、DynamoDB、Kinesisなど多くのサービスが出題されます。
すべて覚えるのは不可能ですが、僕はここを根本的に理解しておらず、特徴だけをベースで覚えてしまったのが1回落ちた原因の1つです。
しかし、大事なのはユースケースに応じて最適なAWSサービスを選ぶことです。
例えば、S3のストレージクラスは、S3 標準、S3 Intelligent-Tiering、S3 標準 – IA、S3 Glacierなど同じS3でもストレージクラスの種類は多くあり、それぞれ特徴があります。
各ストレージクラスは、どんなユースケースのときに、最適なストレージクラスを使えばいいのかを問題で多く問われます。
よって、各サービスの特徴・違いを把握し、どのようなユースケースの場合に最適なサービスを選択すればいいか理解しておきましょう!方法としては、ハンズオンを行い頭と体で覚える、模試を何回も解き、苦手分野を復習するのがいいと思います。
Well-Architected
を理解する
② AWSのアーキテクチャ設計はWell-Architected
という考え方でできています。
SAA試験はこの考え方を踏まえた上で配点の多い分野を学んでいくのが大事です。
Well-Architectedとは、クラウドアーキテクトがアプリケーションやワークロード向けに高い安全性、性能、障害耐性、効率性を備えたインフラストラクチャを構築する際に役立ちます。AWS Well-Architected では、5 つの柱(優れた運用効率、セキュリティ、信頼性、パフォーマンス効率、コストの最適化)に基づいて、お客様とパートナーがアーキテクチャを評価し、時間と共に拡大できる設計を実装するための一貫したアプローチを提供しています。
引用:AWS Well-Architected
SAA-C02の分野と割合
分野 | 割合 |
---|---|
レジリエントアーキテクチャの設計 | 30% |
高パフォーマンスアーキテクチャの設計 | 28% |
セキュアなアプリケーションおよびアーキテクチャの設計 | 24% |
コスト最適化アーキテクチャの設計 | 18% |
もちろん他の分野も大事ですが、試験合格をゴールに置く上で1番割合が高いのが、レジリエントアーキテクチャの設計です。
いわゆる「回復性の高いアーキテクチャ」です。サービスの障害復旧、可用性が高い設計、負荷に対応したリソース、障害の軽減を考慮したアーキテクチャを設計することなどを指します。
上記の試験結果で公開した僕の1回目のスコアをみると、レジリエントアーキテクチャの設計で「改善が必要」と判断されました。(具体的に何%だったかはわかりません)
なので、2回目は「レジリエントアーキテクチャの設計」を中心に学習を進めました。
具体的なサービスでいうと、主にVPC,EC2,S3,RDS,Aurora,NoSQL,Lambdaあたりをまとめて回復性が高い設計をユースケースに合わせてどのように構築していくのかを再度Udemyや書籍を読んで復習→模試を解く→苦手な箇所を復習するという流れで学習しました。
よって、Well-Architectedの考え方を学んだ上で、試験範囲が大きい割合を優先的に学習していくのが合格の近道になります。
③ 模試は「正答率75%以上」を目指す
SAA合格の一番のポイントは、模試を解きまくることだと思います。
僕はインプットの期間が長かったので、もっと短くして模試を解く→間違った問題と苦手分野を復習するというサイクルを回す時間を多めにとる方がいいと思いました。
個人的所感でいうと、
これだけでOK! AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験突破講座(SAA-C02試験対応版)
→この模試は本番より少し易しめです。正答率80%以上を目指しましょう!
【SAA-C02版】AWS 認定ソリューションアーキテクト アソシエイト模擬試験問題集(6回分390問)
→この模試は概要に「本番より難易度高めなので70%以下でも問題ない」と書いていますが、実際は「本番と同等レベルぐもしくは本番の方がやや難しい」印象でした。なので、正答率75%以上を目指しましょう!
WEB問題集
→Udemyの模試よりWEB問題集のほうが、問題内容も難易度も本番の試験にとても近いです。
こちらの問題集を中心に行うほうがおすすめです。
1回落ちてから、こちらの問題を中心に解きました。1セクション7問あるのですが、7問中5問以上を目指しましょう!
1回目は、上記で紹介した2つのUdemy内の模試を1周または正答率65%で本番で挑みました。
なぜなら、自分の「まぁいけるだろう」という軽い思い込みとUdemyの模試は本番より難しいから正答率70%いかなくてもいい。という情報が多かったためです。しかし、本番の試験を受けるとUdemyの模試より難しいもしくは同等レベルの問題が多かったです。
よって、模試は正答率75%以上をとれるまでやりましょう!
ちょうどよく忘れているように、4〜5日明けてから2周目以降を取り組むのがいいと思います。(個人差はあります。)
そして、必ず間違えた問題や苦手分野はしっかりと復習してください。
さいごに
はじめに伝えたように、SAAは実務未経験者でも試験のため自己学習をすれば合格できる資格です。(1回落ちましたが、、笑)
AWSを使用する上で、SAAの取得は、ただの通過点でしかないということです。これは目的にもよると思いますが、僕の中ではAWSの自己研鑽、社内での資格支援、自分の武器を増やすために受けました。
もちろん、SAAを取得したほうが実際の設計と運用の知識もつくのでメリットはありますが、市場価値として考えた時に、「実務でWell-Architectedなアーキテクチャを設計して運用している」人のほうが価値が高いと思います。
資格はあくまで+αのものだと感じました。
僕自身も今回の資格取得だけで終わりにせず、SAAで学んだ知識を実務に活かしていきたいと思います。
これから試験を受ける人にとって少しでもお役に立てたのであれば幸いです。
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