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Miroを活用したスクラム開発リファインメントプロセスの改善

2024/10/22に公開

バニッシュ・スタンダード深田です。

バニッシュ・スタンダードには2023年10月に入社して1年が経ちました。業務ではGoやReactを触っています。
今回は、私たちのチームがスクラム開発のリファインメントプロセスをどのように改善したか、その経験を共有したいと思います。

背景:従来のアプローチと問題点

以前、我々のチームではリファインメントをJiraの課題上で受入条件などの詳細情報を議論しながら記載していく方法を取っていました。しかし、このアプローチには多くの問題点がありました:

  1. 同時編集の制限
    • Jiraの課題は同時編集ができず、チーム全体での協力的な作業が困難でした。
  2. 議論とコンテキストの記録不足
    • 同時編集ができないため、活発な質問や議論が行われても、それらの内容が適切に記録されないことが多々ありました。
    • また、課題には最終的な結論のみが記録され、そこに至るまでの過程や「行間」の情報が失われていました。
    • 結果として、後から課題を振り返った際に、議論の詳細や決定に至った背景、理由を理解することが困難でした。
  3. 視覚的情報共有の欠如
    • 設計イメージや全体像を視覚的に共有することが難しく、理解の齟齬が生じやすい環境でした。
  4. 非効率なコミュニケーション
    • 上記の問題により、リファインメントで議論した内容を、後でSlackで再確認する必要が頻繁に生じていました。
  5. 作業着手時の手戻り
    • 実際に課題の作業に着手した際に手戻りが発生することがありました。

私自身、前職でのMiroを使用したリファインメントに慣れていたため、Jiraのみを使用する方法には馴染めず、不明点が多いまま作業を進めることもありました。

改善策:Miroの導入

当初、私個人の慣れの問題かと考えていましたが、チーム全体でも以下のような問題が顕在化していましたように思います。

  • Slack上での頻繁な再確認
  • 作業の手戻りの発生
  • スプリントゴールの未達成

そこで、チームのふりかえりの機会を利用し、前職で行なっていたMiroを使用した新しいリファインメントプロセスを提案しました。

Miroの良い点

下記のスクリーンショットは、実際に私たちが使用しているMiroボードのテンプレートです。

このテンプレートを基に、私たちは各課題に対してリファインメントを行っています。Miroのボード上で、課題の受入条件、対応内容などの情報を順次追記していきます。必要に応じて実装イメージも視覚化し、テンプレートを埋めていく過程で課題の詳細が明確になっていきます。
下記のスクリーンショットは実際のMiroのボードの様子です。社外秘情報保護の観点から詳細な内容は判読できない形で掲載しています。

チーム全員が同じ画面を見ながら情報を追加し、意見を出し合うことで、課題に対する理解が深まり、実装段階でのミスコミュニケーションを大幅に減らすことができました。また、視覚的な情報共有により、これまで見落とされていた潜在的な問題点も早期に発見できるようになりました。
Miro導入による具体的な改善点は以下の通りです。

  1. 視覚的な情報共有の促進:
    • フロントエンド開発:修正対象の画面やUIコンポーネントのスクリーンショットを直接Miroのボード上に貼り付け、具体的な修正箇所や画面遷移をチーム全員で確認できるようになりました。
    • バックエンド開発:データベースのモデル図や、重要なコードスニペットを共有し、チーム全員で設計の詳細を議論できるようになりました。
  2. リアルタイムでの協力作業:
    • 同時編集機能により、議論しながらその場で図や文書を更新できるようになりました。
  3. 設計イメージやフローチャートの容易な作成:
    • システムのアーキテクチャ図やユーザーフロー図を、議論しながらリアルタイムで作成・編集できるようになりました。

この新しいプロセスにより、チーム全体の理解度が向上し、後からの確認も容易になりました。また、視覚的な情報共有により、これまで見落とされていた潜在的な問題点も早期に発見できるようになりました。

改善の効果

Miroを導入したリファインメントプロセスへの移行により、チームに顕著な改善が見られました。これらの効果は主に定性的なものですが、チーム全体のパフォーマンスと満足度の向上につながっています。具体的には以下のような効果がありました。

  1. 視覚的な情報共有により、チーム全員の理解が深まった
  2. チケット着手時の手戻りが減少した
  3. Slack上での質問が減り、非同期での作業がスムーズになった
  4. スプリントゴールを達成することが多くなった
  5. チームメンバーの満足度が向上した(「作業がスムーズになった」など肯定的な意見が増加)

まとめ

Miroを活用したリファインメントプロセスの導入により、我々のチームはより効率的かつ効果的に作業を進められるようになりました。視覚的な情報共有と協力作業の促進が、この改善の鍵となりました。
現在もチームではMiroを使用してリファインメントを行っており、視覚的で協調的なアプローチを採用することで、チームの生産性を高めています。
皆さんのチームでも、現在のプロセスに課題を感じているならば、新しいツールや方法を試してみることをお勧めします。小さな変更から始めて、チームに最適なプロセスを見つけていくことが重要です。私たちの経験が、皆さんのチーム改善の一助となれば幸いです。

最後に

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