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MinIO の AGPLv3 視点でのメモ

voluntasvoluntas

私は法律の専門家ではないため、ここに書かれていることについては保証ができません。MinIO を商用環境で利用する場合は、必ず弁護士に相談するようにしてください

前提

  • MinIO は AGPLv3 のため、実際に商用環境に利用する際何が起きるのかわからないという人が多そうなのでまとめておきたい
  • 自分も理解が曖昧だったのではっきりさせておきたい
  • MinIO を商用環境で使おうと考えており、かつライセンスの購入も検討している

間違いの指摘

こちらにコメントをお願いします。

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自分の理解

サービスのソースコードをユーザに公開する必要がないパターン

ユーザーに MinIO をネットワーク経由で利用させている

  • 改修していない MinIO を利用した S3 互換サービスをユーザーに提供した場合、サービス自体のソースコードを公開する必要があるのか?
    • 公開する必要はない
    • AGPLv3 の "ネットワーク越しに利用することも配布とみなし、AGPLで書かれたアプリケーションを改修したソースにアクセスする権利が与えられる" は GPLv3 で言うリンクではないため、サービスのソースコードを公開する必要はない
  • 改修した MinIO を利用した S3 互換サービスをユーザーに提供した場合、サービスのソースコードを公開する必要があるのか?
    • 公開する必要はない
    • AGPLv3 の "ネットワーク越しに利用することも配布とみなし、AGPLで書かれたアプリケーションを改修したソースにアクセスする権利が与えられる" は改修した MinIO 自体のソースコードへのアクセスする権利をユーザーに提供する必要はあるが、GPLv3 で言うリンクではないため、サービスのソースコードを公開する必要はない

ユーザーに MinIO をネットワーク経由で利用させていない

  • 改修していない MinIO を MinIO Go SDK 経由でサービスの内部システムのバックアップ用途にのみ使う場合、サービス自体のソースコードを公開する必要はあるのか?
    • 公開する必要はない
    • AGPLv3 の "ネットワーク越しに利用することも配布とみなし、AGPLで書かれたアプリケーションを改修したソースにアクセスする権利が与えられる" にそもそも当たらないため、ユーザーがネットワーク越しに利用しないのであれば何も気にすることはない
  • 改修した MinIO を MinIO Go SDK 経由でサービスの内部システムのバックアップ用途にのみ使う場合、サービス自体のソースコードを公開する必要はあるのか?
    • 公開する必要はない
    • AGPLv3 の "ネットワーク越しに利用することも配布とみなし、AGPLで書かれたアプリケーションを改修したソースにアクセスする権利が与えられる" にそもそも当たらないため、ユーザーがネットワーク越しに利用しないのであれば何も気にすることはない
    • 改修した MinIO のソースコードを公開する必要もない

サービスを公開する必要があるパターン

  • 改修していない MinIO に リンク したアプリを利用したサービスのソースコードを公開する必要があるのか?
    • 公開する必要がある
    • リンクしているのであれば MinIO のライセンスである AGPLv3 がそのサービスにも伝搬するため、サービスのソースコードを公開する必要がある
    • AGPLv3 でのリンクは GPLv3 と同様
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https://gpl.mhatta.org/agpl.ja.html から引用

「『プログラム』」(The Program)とは、本許諾書の下でライセンスされた、『コピーライト』が主張可能な作品すべてを意味する。個々のライセンシーは「あなた」として表現される。ライセンシーは個人でも組織でも構わない。

  1. リモートネットワークインタラクション、および GNU 一般公衆利用許諾書との利用
    本許諾書に含まれる他の条件に関わらず、あなたが『プログラム』を改変した場合、改変したバージョンは、そのバージョンとリモートでコンピュータネットワークを介し対話的にやりとりする(あなたのソフトウェアがそのようなインタラクションをサポートしている場合)すべてのユーザに対して、ネットワークサーバから、あなたのバージョンに『対応するソース』にアクセスする手段を、無償、かつソフトウェアのコピーを円滑に行う上で標準的、慣習的に用いられる方法で提供することにより、ユーザが『対応するソース』を受け取る機会を明示的に与えなければなければならない。ここでいう『対応するソース』には、次の段落に従って取り込まれた、GNU 一般公衆利用許諾書のバージョン3で保護されるすべての作品も含まれる。

AGPLv3 で書かれたプログラムに改変した場合は、ネットワーク経由のアクセスするユーザーに改変したソースコードを取得することができるようにする必要があるという話。

リンクと配布がごっちゃになって広まっているのだと思う。

このスクラップは2023/03/03にクローズされました