原著のすすめ
はじめに
Voicyでバックエンドエンジニアをしているmasaです。
GWに何か記事を1つでも書けたらな〜と思っていたので、Voicyに入社して以降取り組み始めた「原著を読む」ということについて記事にしてみることにしました。
ぜひ読んでいただけますと幸いです。
なぜ原著を読み始めたのか?
私が原著を読み始めたきっかけは、主に以下のようなものです。
- (エンジニアなのに)英語に対する苦手意識があって、克服したいと思っていた
- Voicyに入社していろんなことにチャレンジしてみたいと思っていた(2024/1にVoicyにジョインしました)
- 社内でタイミングよく輪読会が始まった
まず、私はエンジニアという職業にも関わらず、英語に対して苦手意識がありました。
大学に入学以降ぐらいから、授業などの必要最小限の機会以外で英語に触れることがほとんどなくなってしまい、そこからどんどん英語が読めなくなってしまっていました。
私は社会人のキャリアの途中からエンジニアに転職したのですが、そこから英語が必要になるということは理解しつつも、いつもGoogle翻訳やDeepLなどの翻訳機能に頼って「英語を自分で読む」ということから避けてしまっていました。
「そろそろちゃんと英語勉強し直さないといけないな〜」と思って学び直していたところに、ちょうどタイミングよくCockburn氏によって書かれた、「Writing Effective Use Casesの輪読会をしよう!」という機会が社内でできました。
「原著を読む」という、今まで自分がしたことがない新しいチャレンジということと、「英語への苦手意識をなくしたい!」という自分の考えが合わさって、「これは自分も参加するしかない!!」という思いで輪読会に参加しました。
(こうでもしないと英語からまた逃げてしまうのでは?という思いもありました。)
原著を読み始めてよかったこと
原著を読み始めて良かったこととしては、
- 英語への抵抗感がかなり下がった
- より筆者の伝えたいことを理解できるようになった
- 翻訳されていない本でも読んでみようと思えるようになった
などが挙げられます。
英語への抵抗感がかなり下がった
当然と言えば当然ですが、英語を無理矢理にでも読まないといけない機会を作ったことで、英語に対して触れる機会が多くなり、英語に対して少しづつですが慣れることができました。
慣れが出てくることで、「あ、意外と英語読めるじゃん」というマインドになることができ、英語への抵抗感が確実に下がりました。
英語への抵抗感が下がることで、今までは何か調べる際に基本的に日本語の記事で書かれているものに目を通すことが多くなってしまっていたのを、英語での情報にも苦なくアクセスできるようになりました。(今更感もありますが...w)
より筆者の伝えたいことを理解できるようになった
これは正直なところ「完璧にこうなれている」というわけではないのですが、「筆者の方が伝えたいことはつまりこういうことかな?」というのを、より直接的に理解できるようになりました。
原著の翻訳本だと、 「原著の筆者の伝えたいこと→翻訳者の方の理解、伝え方→自分の理解」 という流れになってしまい、どうしても翻訳者の方を介する分、原著をそのまま読むよりも筆者の方が伝えたいことから少し違った理解をしてしまう可能性が高くなってしまうということに気づきました。
(念のための補足ですが、「翻訳本は悪!」といった極端な話をしているわけではなく、あくまで「原著を直接読むよりも自分が誤訳してしまう可能性が高くなってしまうよね」、といった話です。日本語で分かりやすく翻訳してくださっている翻訳者の方には感謝しかありません。)
原著をそのまま読み、「原著の筆者の伝えたいこと→自分の理解」とできることで、より直感的に伝えたいことのイメージができるなという感覚を得ました。
翻訳されていない本でも読んでみようと思えるようになった
今までは、「この本いいよ!」という情報が転がっていても、それが英語で書かれているものだと、「日本語じゃないならいいや」といった感じでスルーしてしまっていましたが、原著を一度読んだ後では、「英語の本でもとりあえず欲しいものリストに追加するか」という思考になることができました。
(金銭的なところもあるのですべて即買いというレベルにまでは流石になれていないですが...w)
今は、社内のテックリードが「この本いいよ(よさそう)」というものがあれば大体ほしい物リストに入れています。
(余談ですが、弊社のテックリードが原著好きというものあり、おすすめいただける本はほぼすべて原著になっていますw)
私はオライリーのサブスクに登録しているのですが、そこにある読んでみたいものも原著をリストに入れるようになったことで、この2ヶ月くらいでかなり増えました。
読める本が増えることは、自分の知識の幅を今まで以上に増やせるようになることに繋がると思うので、このことは自分にとってかなり大きなものになりました。
良かったこと番外編
ここからは、「知識につながる」のような直接的な良かったことではないのですが、原著を読んでみてよかったことを番外編としてあげさせていただきます。
(番外編1)日本語の本を読むのが早く感じる
1つ目は、タイトルの通り、日本語の本を読むのが早くなったように感じますw
当然、まだまだ英語で読むより日本語で読む方が読書スピードは格段に速いので、原著を読んでいる合間などでも日本語の書籍を読むととてもスピーディーに読める感じがして気持ちいいですw
(番外編2)原著の筆者に詳しくなれる
2つ目は、原著の筆者情報に詳しくなれます。
例えば、有名な書籍であるテスト駆動開発は、原著ではKent Beckさんが書かれていますが、翻訳本ではt_wadaさんが書かれています。
t_wadaさんはかなり有名な方で、私も知っていたのですが、原著を書かれているKent Beckさんについては原著を読むようになってまでは知りませんでした。
(自分が知らなかっただけで、アジャイル周りではかなり有名な方なので知っている方も多いかと思います。)
原著を書かれている筆者の方も気になるようになり、最近は「Martin Fowlerさんすごすぎないか?」という気持ちで溢れています。
どんな人に原著がおすすめ?
原著を最近読み始めた私が、どんな方に原著をおすすめするか?といったことを述べられればと思います。
より直感的に意味を理解したい人
これは「原著を読んで良かったこと」に記載していることと繋がるのですが、翻訳本を読んでいて、「日本語の意味はわかるけど理解しきれない...」といった経験がある方には原著はおすすめです。
基本的には翻訳者の方が翻訳してくださっている文章で伝わることがほとんどですが、まれに上記のようなことが起こることがあるかと思います。
(もしかしたら読解力のない自分だけかもしれませんが...)
原著では、「英語を読んでそのままそれを自分の言葉にする」ということができるので、日本語では少し理解しづらかったところをより直感的に理解することができます。
翻訳が待ちきれない人
「原著では良書とされているが、日本語訳がまだなくて読めない」といった本はいくつもあるかと思います。
アメリカなどで本が新たに出版されても、「翻訳されて日本に入ってくるまでは数年単位などで時間がかかる。けど、技術はどんどん進化していっている。」といった中で、翻訳を待たず、原著を読むというのは日本で働くエンジニアとしてアドバンテージになると思うので、「思い切って原著を読んでみる」というのはすごくいい経験になると思います。
英語への苦手意識を下げたい人
自分もそうだったように、英語に対して苦手意識がある方は、最初は英語に慣れておらず英語を見ると「うっ...」っとなることもあるかと思いますが、原著を読むといった経験をした今では、そういった方にこそ原著を読むということをおすすめしたいなと考えています。
英語への苦手意識がある方は、「英語の勉強をするぞ!」と意気込んだものの、つまらなくなって途中で辞めてしまったといった経験をしたことがあるのではないでしょうか?
少なくとも自分はしたことがあります...
原著を読むということは、英語の勉強だけでなく、エンジニアとして興味のある技術の勉強もすることができ、英語と技術のどちらともの学習を並行して行うことができるので、効率よくかつ楽しく学習を進めることができます。(私はこの感覚がすごく楽しかったです。)
関心の薄いことについて書かれた英語の文章を読むよりも、自身が関心のある技術に関する本を英語で読む方が「理解したい!」という思いも強くなるし、「興味があることが書かれているから英語でも読書が続く」ということにも繋がります。
いきなり原著を読むというのは、ハードルが高く聞こえるかもしれませんが、最初はあまりハードルを上げすぎずDeepL使ったり、Google翻訳を使ってもいいと思います。
「より筆者の伝えたいことを理解できる」の文脈からは外れるところもありますが、まずは読んでみることが大事かなと思っているので、そういった翻訳機能をところどころで使ってみるのもアリだと思います。
最後に
ここまで読んでいただきありがとうございました!
この記事が原著を読むきっかけに少しでもなっていただけますと幸いです!
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