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データフロー図:情報の流れを視覚化し、ビジネスを理解する

2023/08/01に公開

皆さん、こんにちは。今回は、情報システムの設計や改善に効果的な「データフロー図」(Data Flow Diagram、DFD)について紹介します。

DFDとは

DFD(データフロー図)とは 「DFD(データフロー図)」とは、システムにおけるデータの流れを表した図のことです。 データの流れを書くことでシステムの機能を洗い出します。 システムの設計に使えるのはもちろん、業務フロー分析にも使うことができます。

1. DFDの登場時期

DFDは、情報の流れを明示し、システムの各部分の間でデータがどのように動き、処理され、保存されるかを表現するための図で、1970年代に、システム分析と設計の手法として導入されました。当時のシステム設計は、専門家にとって理解しやすいものでしたが、非技術者にとっては理解が困難で、システムの全体像を掴むことは難しく、問題点を見つけ出すのも一苦労だった側面があったそうです。DFDはその問題を解決し、データの流れを視覚的に表現する手法として開発されました。これにより、非技術者でもシステムの動作を理解し、分析し、設計することが可能とされています。

DFDの基本的な作成方法

  1. DFDの基本的な作成方法
    DFDは主に4つのコンポーネントから構成されます。それらはエンティティ、プロセス、データストア、そしてデータフローです。これらを組み合わせてDFDを作成します。

2.1. エンティティ

エンティティはシステムの外部からデータを提供または受信する人や組織を指します。DFD上では、エンティティは長方形で表されます。

2.2. プロセス

プロセスはシステム内で行われる操作を表し、データの処理または変換するアクティビティを指します。DFD上では、プロセスは円または楕円で表されます。

2.3. データストア

データストアはデータが保存される場所を示します。これはデータベースやファイルといった形を取ることが多いです。DFD上では、データストアは二本の平行な線で表されます。

2.4. データフロー

データフローはデータの移動を示します。エンティティからプロセスへ、プロセスからデータストアへ、またはその逆の動きを表します。DFD上では、データフローは矢印で表され、矢印の方向がデータの移動方向を示します。

これらの要素を組み合わせて、システムのデータフローを図解していきます。

3. DFDの活用シーン

DFDは新しいシステムの設計や既存システムの改善、そしてチーム内での情報共有など、多岐にわたるビジネスシーンで活用されます。

新システムの設計段階では、DFDを用いることで、どのようなデータが必要で、それがどのように処理され、どのように保存されるのかを詳細に描き出すことができます。これによりシステムの全体像を理解し、設計のミスや欠落を防ぐことができます。

既存システムの改善では、DFDを用いることでシステムの現状を視覚的に理解し、問題点や改善点を見つけ出すことが可能になります。また、チーム内での情報共有においても、DFDを共有することで、チームメンバー全員がシステムの動作を理解し、議論を深めることができます。

さらには、DFDを利用してある入力を受け取り、定義されたルールに基づいてそれを処理し、出力を生成する一連の処理のプロセスを計算機として捉え、そのプロセスをDFDで視覚的に表現することで、その計算過程をより明確に理解することが可能となります。

4. DFDの魅力

DFDの一番の魅力は、情報の「見える化」にあります。DFDは、複雑なデータの流れを視覚的に表現することで、抽象的な情報を具体的に理解することが可能になります。また、システムの全体像を把握し、問題点を見つけ出すことも容易になります。

さらに、DFDは他UMLなどと比べるとシンプルなので、システム設計者だけでなく、非技術者にも理解可能な形で情報を提供します。これにより、技術者と非技術者の間のコミュニケーションがスムーズになり、プロジェクト全体が円滑に進行します。

5. まとめ

DFDは、情報の流れを視覚化し、システムの動作を明確に理解するのにとても有用です。ビジネスにおける複雑なデータの流れを「見える化」し、抽象的な情報を具体化することで、業務のより深い理解と改善の手助けになります。ぜひ活用してみてください。

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