Gentoo Linuxでピュアi3のデスクトップ環境を構築する
Gentoo Linuxは他の大多数のLinuxディストリビューションと異なり,ユーザがパッケージをビルドすることで環境を構築します.
Gentoo Linuxのセットアップ
Gentoo Linuxをインストールする方法は,公式のハンドブックを参照するのが良いでしょう.ただし,基本的なLinuxの作法は心得ていることが前提となっていることが多いので,適宜Googleで調べましょう.
USEフラグ
Gentooの魅力はユーザがUSEフラグを立てることで,アプリケーションが使用する機能を明示的に指定できるところにあります.
例えばGNOMEデスクトップ環境を使用しないのに,アプリがそれの依存関係を持つのはよろしくありません.
グローバルなUSEフラグは/etc/portage/make.confに記載することができます.
USE="X gtk qt -wayland -gnome -kde -systemd dbus udev alsa pulseaudio"
Xサーバのインストール
Linuxでグラフィカルインターフェースを使うにはXかWaylandのどちらかをインストールする必要があります.
今回はほとんどの環境で動作することを目指して,Xを選択します.XサーバはXorgを使用します.
emerge -av xorg-server xinit
i3のインストール
今回の趣旨はディスプレイマネージャを使用せずにピュアなi3環境を構築することなので,直接i3をインストールします.
emerge -av i3
ディスプレイマネージャがない環境下でi3はstartxコマンドで起動することになります.startxコマンドは内部でホームディレクトリにある.xinitrcを参照し,そこに記載されたshコマンドを逐次実行します.
#!/bin/sh
exec i3
ターミナルのインストール
GUIで使用できるターミナルをインストールしましょう.お勧めはハードウェアアクセラレーションを使用できるAlacrittyです.
emerge -av alacritty
ブラウザのインストール
オープンソースなfirefoxやChromiumをインストールすることも可能ですが,ビルドに多大な時間を要します.おとなしくバイナリが提供されているGoogle Chromeをインストールするのが賢明でしょう.
emerge -av google-chrome
日本語フォントをインストール
Kochiフォントがインストールできます.お好みでNotoやipaフォントをインストールすることもできます.
emerge --ask kochi-substitute
i3で日本語入力
Linuxに於ける日本語入力事情は少々複雑です.各デスクトップアプリケーションはdbusを介してIPCを行います.
したがってdbusの起動を確実にしないと,日本語入力ができないこととなります.
rc-service dbus start
日本語入力フレームワークと入力メソッドには,fcitx5とanthyを使用します.fcitx5はfcitxの後継で現在も開発が続いています.anthyは古来からある入力メソッドで,アクティブではありませんが,Gentoo Linuxと互換性が強いです.本当は使いたいMozcですが,ebuildが壊れているため使用することができません.暇を見つけたら修正してそちらを使用したいと思います.
emerge -av fcitx5-anthy fcitx5-configtool fcitx5-gtk
環境変数にfcitx5を使用する旨を明示しましょう./etc/environmentに追記します.
GTK_IM_MODULE=fcitx
QT_IM_MODULE=fcitx
XMODIFIERS=@im=fcitx
CLUTTER_IM_MODULE=fcitx
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