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VIGI HACKs はじめに&簡単な自己紹介

2024/06/20に公開

はじめに

本アカウントでは、TP-Link社の防犯カメラ、VIGIカメラの技術情報について発信していきます。

これまで、IT系技術者にとって、防犯カメラは別分野の製品でした。
カメラと録画機を設置して同軸ケーブルでつなぐだけの製品でしたが、今は「IPカメラ」が主流になりつつあります。

カメラにIPアドレスを割り当ててネットワークにつないだ時点で、そこのシステム管理者のあなた!そこのインフラ系エンジニアのあなた!にも関係する製品になってしまったのです。

防犯カメラ全般をテーマにすると広すぎますので、
TP-Link社VIGIカメラを活用するための技術的な勘所を紹介していきます。

簡単な自己紹介

はじめまして、「てるてるモニタ中の人」です。
本記事をご覧下さり、誠にありがとうございます。

普段は、太陽発電設備向けの遠隔監視装置の開発や営業、サポートを行っています。
この度、VIGIカメラの(弱小)販売代理店もはじめました。

自社製品に「監視カメラ機能」を組み込もうと、4年ほど四苦八苦(するふり)していたのですが、どう足掻いても中国製カメラのコストパフォーマンスの高さには敵いません。
そこで、国産メーカを含め10社・40台程度(正確には数えていません)のカメラを買って、比較・検証してみました。

その結果、TP-Link社VIGIカメラを気に入った(一番良かった訳ではありません)ため、色々な使い方を試しているところです。
VIGIシリーズについて書かれて記事やブログがないため、検証中に得た知見を公開していきます。

必要があれば何でもしますが、どちらかといえばITインフラ系の方が得意です。
情報処理技術者試験的には、「ネットワーク」「セキュリティ」で、民間資格系は取っていません。

世代は、DECnet末期くらいから働き始めたおじさんです。

VIGIとは?何て読むの?

VIGIは、TP-Link社の法人向けネットワークカメラの製品名です。
Vigilance(ビジランス)という言葉が由来だそうです。
ですので、VIGI(ビジ)カメラとお呼びください。

個人向けには、Tapo(タポ)という製品ブランドのカメラが販売されています。
こちらの方が、販売期間も長く、全世界販売台数も相当数だそうです。
価格もお手頃、設定もお手持ちのスマートフォンで完結する、とても便利なカメラです。

Tapoじゃ駄目なの?VIGIと何が違うの?

Tapoの方が安ければTapoでいいじゃん。となりますが、ある程度の規模感で防犯カメラを導入しようとすると、管理機能が重要になってきます。

設定方法

Tapoの設定はすべてアプリで行う必要がありますが、VIGIはWebブラウザで設定できます。
もちろん、アプリで設定変更することも可能です。
しかしながら、すべての設定をアプリでは行えませんので、Webブラウザ(WebUI)での設定をお勧めします。

NVR対応

VIGIは、NVR(ネットワーク対応録画機)対応を前提としています。
もちろんNVR無しでも動作しますが、NVRに接続したカメラは、設定をまとめて変更したりすることができるので便利です。TapoもNVRに接続出来なくはないのですが、VIGIのようにNVR経由で設定を変更することはできません。

高度な機能、柔軟な設定

イベントが発生した際にメールで通知したり、FTPサーバに画像を送ったり、Tapoには出来ない機能が実装されています。
また、ネットワーク環境は自在に設定できます。IPアドレスなどの基本設定は同然として、サービスポートの変更も可能です。詳しくは別記事で解説します。

NDAA規則への遵守

VIGIは、NDAA(米国国防権限法)第889条を含む、様々な法令に準拠している、とのことです。
NDAAの詳細については、各自検索して調べていただきたいのですが、米国の法律ですので公的要素高くない一般企業が自社利用するにはNDAA非対応品でも問題無いはずです。
しかしながら、防犯カメラはプライバシーに関わる製品です。内蔵チップやソフトウェアを個々人が調べることは出来ませんので、何かしらの基準があり、それに準拠していただけることで、安心して利用でき、お客様にも提案できます。

P2P機能の無効化

安全に監視カメラを運用するには、管理されたネットワーク経路を使うことです。
脆弱性があったり、その他問題があったとしても、外部の不特定サーバと通信出来なければ、ネットワークセキュリティリスクは低減できます。
VIGIは、P2Pを使った視聴も可能ですが、P2P無しで視聴する方法を複数準備されています。

余談、P2Pへの懸念

近年の個人向けカメラは、スマートフォンのアプリを使いインターネット経由でどこからでも映像を視聴できるようになっています。通常であれば、ユニバーサルプラグアンドプレイや、NATの設定を行いカメラにアクセスする必要がありますが、P2P(ピアツーピア)機能を使い、誰でも簡単に視聴できるようになっています。P2Pとは言うものの、スマートフォンとカメラだけが直接通信するわけではなく、管理サーバが介在します。これらの機能は、各メーカー独自の仕様、プロトコルを利用しており、公開されることはありません。Wiresharkでちょっとキャプチャしただけで頭を抱えるような仕様のカメラを利用することは避けたいところです。

VIGIの何に惹かれたのか?(主観100%)

TP-Link関係者が読まれることを想定して投稿していますが、敢えて言いましょう。

「VIGIが一番優れていた」わけではない!のです。

機能の洗練度や、性能は、VIGIカメラより優れた製品があります。
それもそのはず、2022年2月に販売してまだ2年ちょっと(執筆時点)の製品なのです。

魅力① 将来性、夢とロマンがある

UIは使いやすく、サクサク動作するため、複数台のカメラを設置する場合でもストレスなく設定できます。機能に関しては若干劣りますが、積極的に新しい機能を開発しており、ファームウェアを更新することで新機能が利用できるようになります。
 
つまり、今後が期待できる製品です。
中国メーカ大手のH社やD社に劣らないポテンシャルを秘めていると感じています。
H社やD社に肩を並べられる、と考えると夢があると思いませんか?

魅力② PTZカメラのコスパが素晴らしい

PTZとは、パン(Pan)・チルト(Tilt)・ズーム(Zoom)の頭文字です。簡単に言えば、首振りカメラです。1台のカメラで広いエリアを確認することができます。

VIGIのPTZカメラは、カメラの向きをリモート操作するだけではなく、人物などを自動追尾(トラッキング)することができます。自動追尾出来る業務用カメラとしては最安値帯です。(2023年末時点、当社調べ、個人向け製品を除く)

おわりに

VIGIカメラに関しては、ネット上の情報が少なすぎるため、導入に躊躇している方もいらっしゃると思います。販売店も少なからず存在しますが、多くは機器の小売りで製品に詳しい方は少ないように感じております。

本格的に導入するには、公式の情報だけでは不足しています。(特に日本語では)

販売代理店ですが、忖度のない内容を投稿していく予定です(技術的な話に忖度の余地はありませんが。出来るものは出来る、出来ないものは出来ない。バグはバグ!)。

メーカー公式情報の補助的情報となれば幸いです。

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