Stanford大学のCS231n講座とは?コンピュータビジョンを学んでできること
始めに
深層学習のコンピュータービジョンについて、Stanford大学のCS231nの講座が良いと聞いたので、備忘録として概要をまとめてみました。今後学習しながら1章ごとにまとめ記事を追加していけたらと思っています。
概要(2024年現在)
CS231n Stanfordコースは、コンピュータビジョンと深層学習を扱う授業で、特に画像分類や物体認識、検出といった視覚認識タスクに焦点を当てている。学生は最新のディープラーニングアーキテクチャについて学び、エンドツーエンドのモデルを構築・トレーニングする。
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学習内容
- ニューラルネットワークの実装とトレーニングを通じて、現実のビジョン問題に取り組む。
- 数百万パラメータのネットワークを使った実践的なアプローチ。
- 深層学習の技術を応用し、プロジェクトを通じて実世界の問題を解決するスキルを養う。
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必要なスキル
- Pythonでのプログラミング。
- 線形代数や確率統計の基礎知識(行列演算や確率分布の理解が必要)。
特徴
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無償でスライドとコードを閲覧可能
毎年更新されるため、最新の話題も学べる。- 講座のスライドはこちら
- コード(Colab Notebook)はこちら。回答は非公式だが、GitHubレポジトリで確認できる。
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無償で過去の講義動画も視聴可能
2017年の動画がYouTubeにアップロードされている。YouTube Playlist -
HTML版の資料も一部ある
HTML版の資料はこちら
講義一覧
- はじめに(コンピュータビジョンの概要)
- 線形分類器による画像分類
- 正則化と最適化
- ニューラルネットワークとバックプロパゲーション
- CNN による画像分類
- CNN アーキテクチャ
- リカレントニューラルネットワーク (RNN)
- Attention と Transformers
- 物体検出と画像セグメンテーション
- ビデオの理解
- 視覚化と理解
- 自己教師あり学習
- 生成モデル
- OpenAI Sora(ゲスト講義)
- ロボット学習
- 人間中心の人工知能
- ゲスト講義(Prof. Serena Yeung-Levy)
- 3D ビジョン
CS231nを学習すると身につくこと(by ChatGPT)
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画像分類や物体検出モデルの構築
CS231nで学んだ技術を使って、自分で画像分類や物体検出を行うAIモデルを作成できる。例えば、犬と猫を分類するモデルや、交通標識を検出する物体認識モデルを構築できる。 -
CNNを使ったアプリケーションの開発
畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使って、実際のアプリケーションを開発できる。例えば、スマートフォンやWebアプリケーションで顔認識システムや、写真の自動タグ付けシステムを作成できる。 -
動画処理やビデオ分析のモデル作成
動画理解のスキルを活かして、動画の中の物体を検出したり、アクション認識や動画分類を行うAIモデルを作成できる。例えば、監視カメラ映像から異常行動を検出するシステムや、特定のイベントを探すシステムの開発が可能。 -
ディープラーニングフレームワークの活用
PyTorchやTensorFlowなどのディープラーニングフレームワークを用いて、複雑なモデルを実装・トレーニングするスキルが身につく。これにより、カスタマイズしたAIモデルを特定のタスクに応用できる。 -
最先端技術を学び続けるための基礎
CS231nで学んだ基礎を土台に、最新のAI技術や研究を追いかけることが可能。例えば、生成モデル(GANsやDiffusion models)やTransformersを使った応用研究も学べる。 -
論文を読んで実装できるスキル
学んだ知識を活かし、コンピュータビジョンやディープラーニングの研究論文を読み、実装に落とし込むスキルを習得できる。論文を理解し、具体的なコードとして応用することが可能。 -
AI関連のプロジェクトやインターンシップに参加
画像処理や自動運転、医療画像診断など、さまざまな分野でのAI関連プロジェクトやインターンシップに参加でき、実践的な経験を積むことができる。 -
個人プロジェクトの作成・公開
画像認識アプリケーションや物体検出システムを自作し、GitHubやポートフォリオとして公開することで、自分のスキルをアピールできる。
CS231nを学び終えたあとの次のステップ
1. 復習と応用
コースで学んだ知識を実際のプロジェクトに応用することが重要。
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Kaggleコンペティション
コンピュータビジョン関連のデータセットを使って、AIモデルを作成し、世界中のデータサイエンティストと競える。 -
個人プロジェクト
Github等で興味のあるテーマで画像や動画を使ったアプリケーションを作成する。
2. より高度なAI技術の学習
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人工知能・深層学習を学ぶためのロードマップ
松尾研究室様の人工知能・深層学習を学ぶためのロードマップが参考になる。 -
別のオンライン講座
MIT 6.S191 ディープラーニング入門
コンピュータービジョンへの応用を含むディープラーニング手法の入門プログラムなど。
CS230 ディープラーニング
コンピュータビジョンや自然言語処理などのディープラーニングの基礎とその応用を学べる。
Hugging Face Course
深層学習モデルの公開で有名なHugging Faceが公開している講座で、NLPや深層強化学習、コンピュータビジョン、音声処理などを扱うオープンソースのAIと機械学習コースを提供している。 -
「ゼロから作るDeep Learning」シリーズ
深層学習理論を強化する書籍で、生成モデルや強化学習について学べる。コードから理論を学べてわかりやすい。
3. PyTorchやTensorFlowの実践
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TensorFlowチュートリアル(公式)
TensorFlowの詳細なチュートリアルで、さらに実践的なスキルを学べる。
4. 論文を読む習慣
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arXiv
最新の研究論文が多数公開されており、最新技術を学べる。 -
Papers with Code
論文と共に実装コードが公開されており、動くモデルを自分で試すことができる。
5. 実世界での応用
企業インターンシップやオープンソースプロジェクトに参加し、現場での経験を積む。
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