スプリント後半の暇な時に何やるか問題について色々考えている
背景
現在スクラムとよばれる、メンバー一人一人がプロダクトに対して開発にて開発者をやっている。
私自身、どちらかというと淡々と仕事をこなすのが好きなタイプであり、初めの方は「どうやって実装しようか」しか考えられない、どちらかといえばスクラムが得意ではない人間だった。
だだ、いざ作業が終わった後に何もできていない、何も問題が解決していないということが多発するうち、スクラム開発の良さ・合理性にも気づいてきた今日この頃である。
その中で本当に些細なことだが、ずっと悩みだったことがすっきりしたので共有したいと思う。
なお、スクラム用語には若干注釈を入れているがざっくり理解なのでご了承いただきたい。
スプリントの後半暇になった時に何やるか問題
ずっと悩みだったことはずばりこれ。
私のざっくりとした理解で恐縮だが、スクラムとは「スプリント」とよばれる決められた短い期間内にて、皆で定めたゴールに対して全力投球する開発手法だと思っている。
そうすることで1ヶ月後や1週間後の状況が不確定な環境でも確実に価値を出し続けることができる、みたいな。
だから、全力投球して早めに今週出そうとしていた価値が出せたときに時に次の行動に迷うのはスクラムを実践するチームなら必然の悩みかなと考えている。
これには色々な過ごし方が考えられるし、私も色々と試したので自分なりの感想を書いていこうと思う。
次スプリントのタスクを先に進める
まず、次スプリントのタスクを先に進める方法がある。
単純にタスクの消化速度という意味では随一の過ごし方だと思う。
しかし、ベロシティ(このチームはこのくらいタスクできるよの数値)がインフレし次以降の自分の首を絞める可能性があったり(先週これくらいできたからこのくらいできるよね?となる)、仕事を早く進めることで新たな仕事が増えたりと何かと精神衛生上良くないなとも感じている。
特に変化の激しい環境では、先んじてタスクを進めたとしてもそのタスク自体をやる必要がなくなってしまう、もっと簡単にできたことが発覚する場合もあり、悲しい結果となることが複数回あった。
技術のキャッチアップ
次に、技術のキャッチアップをする方法がある。これは業務時間中に自分の市場価値を上げられるため個人的には嬉しいが、なんらかの価値を出しているわけではないので毎週のように行うとたとえ許可を得ていても罪悪感が生じる。
ぼーっとする・雑談する
ぼーっとする・雑談する方法もある。ふざけているようにも思えるが暇な日やゆとりも大事である。こういう時に発生した会話や思考が良い動きにつながることもある。集中して取り組めば週の後半にゆとりがうまれる、というのも健全なような気もする。が、上と同様に直接的な事業貢献にはつながらないので罪悪感が伴う。
リファクタリングや細かいバグ潰し
リファクタリングや細かいバグ潰しなど、「やらなきゃいけないが優先度が低いタスク」をやる方法もある。これはスプリントに収まらない問題が解消されるし、個人的に興味のある技術、事業に触れることができる時間であるためかなり有意義な時間の使い方だと思う。
ただ、これが常態化するとリファクタリングがボランティア運営になりうる危険性もあるなと思っている。
次スプリントでやる予定のプロダクトバックログアイテム(タスク)の触りだけやってみる
最後に最近自分がやってよかったと思うことを紹介する。
次スプリントでやる予定のプロダクトバックログアイテム(タスク)の触りだけやってみる方法である。これはベロシティに基づいて次にやるタスクを眺め、それぞれ10分、20分だけ時間をとって軽くやってみる方法である。
スクラム用語では「スパイク」と読んだりするらしい。
この方法の利点は以下。
- スプリント内でゴール達成が不可能であることが判明する可能性を下げることができること(スプリントゴール達成の可能性を高める)
- 次スプリントの全体を見渡せるのでプランニング時のバックログに対する解像度が上がること
- スプリント内の仕事が早く終わり、また次々スプリントの触りだけやる…という良い流れが生まれること
- タスクの触りだけやるだけなので、状況の変化が起きてそのタスクをやる必要がなくなった場合でも徒労感がないこと
- 仕事を早く終わったら仕事が増える、という不公平感がないこと
上記についてはリファインメント(プロダクトバックログアイテムが着手可能か検証するアクティビティ)でやれよという意見もあると思う。正論である。
しかし、チームのアクティビティとしてやると気付けないこともあり、自分ごととしてこのタスクをやってみたら気づける障害は意外と多いなと思っている。
まとめ
スクラムにおいては、効率的な作業とチーム全体での協力、個人の成長を両立させることが重要だなと思っている。最近試して効果的だったのは、次スプリントのタスクに触れてみる方法だったが、柔軟な時間の使い方を今後も模索したいと思う。
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