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ふわふわ発泡フィラメント(VarioShoreTPU)をBambuLabで印刷

に公開

VarioShoreTPU フィラメント とは

3Dプリンタで印刷中に、スポンジケーキのように膨らむTPUです。
温度で発泡度合いが変わり、場所によって硬度を変えられ、
クッション性・柔軟性・軽量化が必要なところに便利な素材です。

ただ、印刷はPLAやABS等の硬質素材と比べると難しいため、
BambuLabでの印刷方法をこの記事では紹介します。

今回は、colorFabb製の VarioShore TPUを使用しました。
https://3dfs.idarts.co.jp/items/52939417

ほかにも安い発泡TPUはあるのですが、価格と柔らかさのバランスを見て、こちらを採用。

印刷方法

1. パラメータダウンロード

colorFabb公式が、colorFabb製フィラメントそれぞれについて、BambuLab対応印刷データを公開しています。
https://www.printables.com/model/438171-bambu-lab-profiles-x1c-x1e-and-p1s

files > colorFabb varioShore.3mf を探してダウンロードします。

しばらくスクロールするとあります。

2. パラメータインポート

公式配布データは、印刷物形式(3mf)であり、円筒のモデルの高さによって温度が変わるようにGコードがカスタムされています。

特殊なやり方ですが、このままでは扱いづらいため、プロジェクトフィラメント、プロセスのパラメータをそれぞれ保存して使いまわします。

プロジェクトフィラメントの保存

プロジェクトフィラメント横の「・・・」をクリック

フィラメント設定が出てきますので、保存マーク > フィラメントに名前をつけて保存 ポップウィンドウを出します。
ユーザープリセットを選択して、名前をつけて保存します。
タイプをPLAからTPUに直したいですがいじれません…。
温度は希望の発泡度合に合わせて、180℃-240℃の間で設定してください。

プロセスの保存

パラメータについて
公式のパラメータそのままでは、潰れやすさを求めるため、トップ面なしでの印刷になります。
強度や見た目が気になる方は、 強度>トップ面層数 を0から増やして保存してください。
触り心地は硬めになります。

また、インフィルがグリッドになっていますが、より潰れやすさを追求する場合は、密度3%、パターンはジャイロイドがおすすめです。

保存方法
プロセスパラメータ横の保存マークをクリック

同じくポップウィンドウが出てきますので、ユーザープリセットを選択して、名前をつけて保存します。

3. 印刷

フィラメントは外部スプールホルダーにセットしてください。
ノズルは0.4mmで大丈夫です。

先ほど保存したプロジェクトフィラメントとプロセスを両方指定して、スライスします。

トップ面がない方が、触り心地は柔らかくなります。
目立たない面、つぶしたい方向と垂直な面をトップ面にしておくとよいです。

印刷をかける際にエラーが出ますが、確認ボタンで続行して大丈夫です。

公式配布データの詳説

パラメータ保存しなくとも、この3mfにドラッグアンドドロップして印刷すればよいのでは?と考える方もいらっしゃるかと思います。
若干使いまわしが面倒ですがやり方を紹介します。

このデータは、発泡度合をデモするために、180℃から240℃まで層の高さで温度が変わります。
若干見づらいですが、右端の、カスタム、の部分で温度が切り替わります。

右端のさらに端っこのGマークを消すとカスタム温度切り替えを消すことができます。

ですので、このカスタムコード部分を消し、プロジェクトフィラメント横の「・・・」をクリック
して、フィラメントの設定から希望の温度を指定すれば、自分のモデルでの印刷も可能です。

ただ、このマークは小さいので消しづらい上、ただの3mfファイルのため、カスタムしたうえで保存して印刷の際に毎回これを開くのは面倒だと自分は思っています。

実際に印刷してみると180℃では半透明で、温度が上がるほど発泡して白さが増していきますね。
触り心地は、発泡してないところは普通のTPUのような感じで、発泡しているところはふかふか、ざらざらしています。

テクスチャードPEIプレートを使いましたが、貼りついて取れない!ということもありませんでした。

印刷のコツ

柔らかさを求めるのであれば、角のない形がおすすめです。
下の図で言えば、左より右です。全体的にフィレットをかけてあげると柔らかくなりやすいです。

また、トップ面パターンがないほうがつぶれやすく柔らかくなりやすいです。

参考にしたサイト

こちらでもパラメータについての議論は行われていますが、ざっと読んでみた感じは公式のパラメータが一番よさそうです。

最後に:VarioShoreTPUとの出会い

幻魚白蝦蛍烏賊さんの柔らかスピーカーを以前モノづくりイベントで拝見し、素材を伺ったところ、
VarioShoreTPUという発泡TPUという素材を知りました。

二つ並んだスピーカーがおめめのように見えてかわいく、眼鏡をかけていただいたりと、楽しくお話しさせていただきました。
https://x.com/GengeShiroebiHo/status/1893719110372008114

そのほか、TPUで空気で動力を伝達するハンドを作っているなど、とても面白い方です。
リスペクトを込めて紹介させていただきます。
https://x.com/GengeShiroebiHo/status/1770806430997590200

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