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AI基礎1【機械学習・深層学習】

2025/02/09に公開

この記事でわかること

この記事では、以下のことが理解できます:

  • AIの基本概念から最新のLLMまで、体系的に学べる実践的な知識
  • 機械学習、深層学習の基礎と実装方法
  • LLM(大規模言語モデル)を活用したアプリケーション開発の具体的な方法

目次

  1. AIとは?
  2. 機械学習の基礎
  3. 深層学習の基礎
  4. LLMの基礎

AIとは?

AIの定義は明確ではありませんが、IBM(1911年に創業。コンピュータ・ハードウェアからソフトウェアまで、ITサービスを提供する世界最大級のテクノロジー企業)によるAIの説明は以下のとおりです。

人工知能(AI)は、コンピューターや機械が人間の知能と問題解決能力をシミュレートできるようにするテクノロジーです。

AIの実現を支えるソフトウェア技術は機械学習・深層学習です。
この技術をもとに自然言語処理(NLP)や画像認識などが行われます。
AI⊂機械学習⊂深層学習

AIは私たちの生活の様々な場面で活用されています。単独で使われるだけでなく、センサーやGPS、ロボットなどと組み合わせることで、これまで人間にしかできなかった作業を実行できます。
身近な例を挙げると:

  • スマートフォンの音声アシスタント
  • カーナビのルート案内
  • 自動運転車
  • ChatGPTのような文章作成AI

これらは、私たちの暮らしの中で使われているAIのごく一部です。今後さらに多くの場面でAIが活用されていくでしょう。
日常生活におけるAI

機械学習の基礎

機械学習(Machine Learning)とは、「コンピュータが大量のデータから自動的にパターンや規則を学び取り、それを使って新しいデータに対して予測や判断を行う仕組み」のことを指します。

機械学習のイメージ

たとえば、人間の場合は部活でスポーツを練習すれば、少しずつ上達していきますよね。試合での経験を通じて「次はこういう場面ではこう動こう」と学ぶわけです。機械学習でも似たようなことをします。

  • 大量のサンプルデータ(例:スポーツでいえば練習試合の記録)
  • それに対する結果や評価(失点につながった動き、成功につながった動き)

これらの情報をコンピュータに与えて、コンピュータ自身が「どういう時にどう行動すると良いのか」を自動的に学習していきます。

機械学習の主な種類

機械学習は、目的やデータの性質によっていくつかの種類に分けられます。代表的なのは以下の3つです。

  1. 教師あり学習(Supervised Learning)
    学習に使うデータ(入力)と、その正解(ラベル)がセットになっている。
    具体的には、入力データと正解データから学習し、未知の入力に対して正解を予測する。
  2. 教師なし学習(Unsupervised Learning)
    正解(ラベル)がないデータを使って、データの中にあるパターンや構造を見つけ出す。
    「データをどのように分類したら良いか」を人間が決めずに、コンピュータが自分で共通点を見つける。
  3. 強化学習(Reinforcement Learning)
    エージェント(学習者)が、環境とのやりとりを通じて「報酬」を獲得するように行動を学ぶ手法。
    「いまの行動は良かったのか?悪かったのか?」というフィードバックを得ながら、より高い報酬を得られるように行動を最適化していく。

機械学習の種類

深層学習の基礎

深層学習(Deep Learning)とは、「ディープニューラルネットワーク(多層ニューラルネットワーク)」を用いた機械学習の手法の総称です。

  • ニューラルネットワーク とは、人間の脳の神経細胞(ニューロン)の働きをまねして情報を処理する仕組みです。
  • 従来のニューラルネットワークは層(レイヤー)の数が少なかったのに対し、深層学習では多数の層を重ねる(深くする)ことで、より複雑で高度な問題を扱えるようにしたのが特徴です。

深層学習が得意なこと

  1. 画像認識
    写真や動画の中に写っている物体を検出し、「これは犬」「これは猫」といった分類を高精度で行えます。自動運転や防犯カメラの分析、医療画像診断など、さまざまな場面で応用されています。

  2. 音声認識
    スマートフォンの音声アシスタント(Siri、Googleアシスタントなど)や、スピーカー(Alexaなど)の裏側にある音声認識は、深層学習を用いて大きく精度が上がりました。話し言葉をテキストに変換し、それに応じて応答を返す技術が広く実用化されています。

  3. 自然言語処理
    チャットボットや翻訳システムなど、人間の言葉(自然言語)を理解・生成する技術も深層学習が支えています。最近注目されている大規模言語モデル(LLM)も、深層学習に基づく手法の一つです。

  4. 時系列予測
    株価や気温、需要予測など、時間の経過とともに変化するデータを扱うタスクでも深層学習が使われます。長い期間のデータを取り込んで、その傾向を捉えることが可能になりました。

深層学習が得意なこと


深層学習の流れ

深層学習の大まかな流れを簡潔に説明します。

  1. データの準備
    学習させたいデータを集める(例:画像、テキスト、音声など)。
    データを数値化し、ネットワークに入力できる形式に整える。
  2. ニューラルネットワークの設計
    「入力層」「隠れ層(複数)」「出力層」を持つネットワークを構築する。
    隠れ層の数やニューロンの数を設定。
  3. 学習(トレーニング)
    データを入力して予測を行い、「正解」とのズレ(誤差)を計算。
    誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)を使って、ネットワークの重みを調整。
    このプロセスを繰り返し、誤差が小さくなるように学習を進める。
  4. 評価
    学習に使っていないテストデータを入力し、予測の正確さを確認。
    必要に応じてネットワークの構造や学習のパラメータを調整。
  5. 実際の運用(推論)
    学習済みモデルを使って、新しいデータに対して予測や判断を行う。

詳細は以下の記事がおすすめです!
https://qiita.com/kuroitu/items/221e8c477ffdd0774b6b

いったんまとめ

  • AI(人工知能):人間のように考え、学び、判断する仕組みの総称(例:顔認識や自動運転)。
  • 機械学習:AIの一部で、データを使ってコンピュータがルールを自動で学ぶ技術(例:スパムメール分類)。
  • 深層学習:機械学習の一部で、多層構造のニューラルネットワークを使って高度な学習を行う手法(例:画像認識やChatGPT)。
  • 違い:AIは広い概念、機械学習はデータから学ぶ技術、深層学習はさらに高度な学習技術。

これらは連携しながら様々な分野で応用されています。
次にいよいよLLM(大規模言語モデル)を以下の記事で解説していきます!

https://zenn.dev/utokyo_aido/articles/a47fae013b1909

担当:生駒

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