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仮説検定(Hypothesis Testing)
仮説検定は、統計学における非常に重要な手法であり、サンプルデータを基に母集団のパラメータや分布について推測を行います。仮説検定を使用すると、ある仮説が正しいかどうかを検証し、観察された結果が偶然によるものか、統計的に意味のあるものかを判断することができます。
仮説検定の基本的な手順:
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仮説を立てる:
- 帰無仮説(Null Hypothesis, H₀):通常は「差がない」や「効果がない」という内容です。例:「二つのグループの平均値は等しい」。
- 対立仮説(Alternative Hypothesis, H₁):帰無仮説に反する主張で、差がある、または効果があるとします。例:「二つのグループの平均値は等しくない」。
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検定方法を選択する:
- t検定(t-test):二つのサンプルの平均値を比較し、それらが有意に異なるかどうかを判断します。独立サンプルt検定(異なる群の比較)や対応のあるt検定(同じ群の異なる時間点の平均値の比較)があります。
- カイ二乗検定(Chi-square test):二つのカテゴリ変数の関連性を検証するために使用され、カテゴリーデータの独立性検定や適合度検定に用いられます。
- 分散分析(ANOVA, Analysis of Variance):三つ以上のグループの平均値を比較し、それらが有意に異なるかどうかを判断します。
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有意水準を設定する:
- 通常、有意水準(α)を0.05に設定します。これは、5%の確率で誤って帰無仮説を棄却することを意味します。
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検定統計量を計算する:
- サンプルデータに基づいて、t値、カイ二乗値、またはF値などの検定統計量を計算します。
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結論を出す:
- 計算された検定統計量を臨界値と比較するか、p値を用いて判断します。p値が有意水準αより小さい場合、帰無仮説を棄却し、対立仮説が成り立つことを示します。
例:
例えば、二つの薬が血圧に与える効果を比較したいとします。
- 帰無仮説(H₀):二つの薬の血圧への平均的な効果は同じ。
- 対立仮説(H₁):二つの薬の血圧への平均的な効果は異なる。
t検定を実施して、この二つのデータセットの平均値を比較します。p値が0.05より小さい場合、帰無仮説を棄却し、二つの薬の効果に有意な差があると結論付けます。
まとめ
仮説検定は、サンプルデータを基に母集団について推測を行い、データに基づいた科学的な決定を行うための手法です。
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