Amazon Aurora の運用ガイド:パフォーマンス計測とチューニング
Amazon Aurora は高いパフォーマンスと可用性を持つリレーショナルデータベースですが、運用中においても継続的なパフォーマンスの監視とチューニングが必要です。ここでは、Aurora のパフォーマンス計測とチューニングに役立つ機能や設定について紹介します。
1. パフォーマンス計測ツールの利用
Performance Insights によるワークロード監視
Performance Insights は、Aurora データベースのパフォーマンスをリアルタイムで監視できるツールです。主な機能は以下の通りです:
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データベースロードチャート
データベースの負荷を視覚的に表示し、ピーク時間やリソースの使用状況を把握できます。 -
カウンターメトリクスチャート
クエリの待機時間や CPU 使用率などの指標を計測し、ボトルネックの特定に役立ちます。 -
Top N ディメンションテーブル
パフォーマンスに影響を与えている上位の待機イベントや SQL クエリを特定します。
これらの機能を利用することで、データベースの負荷を詳細に分析し、パフォーマンス向上のためのチューニングポイントを明確にできます。
2. ログ記録と分析
適切なログ記録は、トラブルシューティングやパフォーマンスの最適化に不可欠です。以下の設定を確認し、必要に応じて調整します:
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log_statement:どの SQL 文をログに記録するかを設定し、問題のあるクエリを特定しやすくします。
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log_min_duration_statement:設定したミリ秒以上の時間がかかったクエリをログに記録し、パフォーマンスの問題を持つクエリを特定します。
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log_min_messages:サーバーログに書き込むメッセージのレベルを設定し、適切な情報を収集します。
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rds.log_retention_period:ログの保持期間を設定し、必要なデータを保持できるようにします。
また、スロークエリの分析には、auto_explain モジュールの利用も検討することが推奨されます。auto_explain を利用すると、クエリの実行計画を自動的に記録でき、クエリの最適化に役立ちます。
3. イベント通知の活用
Aurora では、RDS で発生する 40 種類以上のイベントを Amazon SNS 経由で通知する機能があります。これにより、シャットダウン、再起動、フェイルオーバー、設定変更、メンテナンスなどのイベントをリアルタイムで把握し、迅速な対応が可能となります。
通知されたイベントを活用して、アプリケーションの自動化やアラート設定を行い、運用管理の効率化を図りましょう。
4. パフォーマンスチューニングのポイント
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インデックスの最適化:クエリに適したインデックスを設計することで、検索パフォーマンスを向上させます。
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クエリの最適化:不要なテーブルスキャンを避けるために、クエリのリファクタリングやヒントの使用を検討します。
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リソースの適切な割り当て:Aurora のインスタンスタイプやストレージの設定を見直し、リソースを適切に割り当てることでパフォーマンスを最大化します。
これらのアプローチを適用することで、Aurora データベースのパフォーマンスを継続的に監視し、適切にチューニングすることができます。Aurora の特性を最大限に活かし、システムの信頼性とパフォーマンスを向上させる運用を心がけましょう。
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