ThinkPad E16 Gen1 AMDにUbuntu22.04をInstallする
最近ThinkPd E16 Gen1 AMDを入手。UbuntuをホストOSとしてインストールしたので、そのときのメモを残しておきます。
スペック | ThinkPd E16 Gen1 AMD |
---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 7538U with Radeon Graphics |
メモリ | 8GB + 16GB |
ストレージ | M.2 PCIe Gen3 SSD 512GB |
モニタ | 16inch WUXGA液晶 (1920 x 1200) IPS, 光沢なし |
重量 | 1.76kg |
OS | Windows 11 Home (64-bit) |
2023年6月に発売されたばかりで、Lenovoの直販で購入。Eシリーズなので、エコノミー?の安価なモデルですが、初のWUXGAの16インチモニタで、縦に長い広い画面、Thinkpadのキーボードが決め手でした。非常にバランスが良くて気に入っています。
前回入手したRazerのほうがスペック的には外部GPUもあって良いのですが、ゲーミングノートということもあって、冷却時の爆音とバッテリーの持ちが悪い(2H程度でなくなる)、キーボードのピッチとか配置など、色々私には合わなかったので、変更しました。
Lenovoはオプションが異常に高額なので、16GBメモリと512GBのストレージは個別に入手。これらの増設からインストールまでの流れをレポート。
Thinkpad E16 Gen1
本体と電源、書類ぐらいしか入っていない
ほかの15インチモデルと同じキーボードレイアウト。テンキーは無くても良い気がします。パッドが中央じゃないのは特に使っていて気にならないです。
箱から出した状態
電源入れる前に増設してしまいます。このモデルはM.2 2242タイプのストレージがデフォルトで搭載されており、ここにWindows11がインストールされています。潰すのはもったいないので、このストレージは外して保管しておきます。またこのモデルはM.2 2280ソケットが1個あって増設できます。ここに入手したストレージをメインストレージとして追加してUbuntuインストールします。気が利いたハードウェア仕様ではある。
裏面、増設するメモリとストレージ
裏蓋はネジで固定されているので外しますが、ネジは蓋から外れない仕様になっています。蓋は周辺に多数のツメで本体カバーとホールドしています。
iPhoneバッテリーの修理キットなどについているプラスチック製のギターピックのようなもので、少しずつパキパキ押し上げて外していきます。
マイナスドライバーなど細くて固いものは使わないほうが良いです。1点集中で力が加わって蓋のプラスチックに傷がつくかもしれないので。
裏面、増設するメモリとストレージ
裏蓋を持ち上げて外している
裏蓋
裏蓋を開けた状態の中身
バッテリー
有線LANポート、USB3.0、冷却ファン
SDカードのポートはないですが、USBコネクタで代用できるので、ポートとしては十分だと思います。
電源ポート、USB-C、USB3.0、HDMI
右上のM.2がWifiモジュールで、左下がWindowsがインストールされているSSDです。
WifiモジュールとSSD
今回このSSDは取り外して大切に保管しておきます。
M.2 2242 SSDは取り外した
M.2 2280タイプの空のソケット
メモリカバー
ここにUbuntuインストール用の512GBのSSDを追加
メモリカバーを外した状態
ノイズ対策なのか、カバーがついてます。ピックで上に押し上げて外します。
メモリカバー
1点残念なのは、8GBメモリが基板に半田づけされており、メモリ増設は1ソケットのみです。最大16GBなので、8+16GBで24GBが最大メモリになってます。ココは残念ポイントかと。
メモリカバーを外した状態
16GBメモリを追加
メモリカバーを外した状態
増設は完了したので、蓋を戻して早速電源投入します。
電源投入
F1でBIOSのコンフィグレーション設定を行っていきます。
まずキーボードの設定で個人的にしておきたかったのが、
- Fn and Ctrl Key swap : Ctrlの位置をFnと入れ替える。(なんでFnこの位置なんだ?)
- F1-F12 as Primary Function : F1-12をFn押さなくても良いようにプライマリ設定にする
Keyboard/Mouse
重要なのが、Secure Bootはオフにしておきます。オフにしないとUbuntuのインストールメディアが開始しなかったです。まあまあハマりました。
Boot Order
Ubuntuのインストールメディアを刺します。
Ubuntu install
ブートオーダーリストにUSBメディアが表示されるので一番上にでもしておきます。
Boot Order
BIOS設定を保存して再起動。F12でブート選択画面が出たはずなので、メディアを選択するとUbuntuのインストールが開始されます。ココから先はいつものインストールなので割愛。
Ubuntu Install
Ubuntu Install
インストール後、Wifiが認識してないことに気が付く
有線LANはすぐに使えたのですが、Wifiの設定項目が表示されてないことに気が付く。どうも搭載しているWifiモデルが新しいのか、カーネルにドライバーが入ってないっぽいことが判明。
このままだと、無線LAN使えないので何とかしたい。
EthernetもWifiも内部ではPCIで接続されていて、以下のコマンドでハードが2個認識されているのは分かった。
どちらもRealtek製で、有線側はRTL8111/8168/8411ドライバで稼働している。
もう片方は多分Wifiコントローラーだけどドライバーは適用されてない感じ。
> lspci -nnk
01:00.0 Ethernet controller [0200]: Realtek Semiconductor Co., Ltd. RTL8111/8168/8411 PCI Express Gigabit Ethernet Controller [10ec:8168] (rev 15)
Subsystem: Lenovo RTL8111/8168/8411 PCI Express Gigabit Ethernet Controller [17aa:50d5]
Kernel driver in use: r8169
Kernel modules: r8169
02:00.0 Network controller [0280]: Realtek Semiconductor Co., Ltd. Device [10ec:b852]
Subsystem: Lenovo Device [17aa:4853]
LenovoのWindows向けのドライバダウンロードサイトのメモを見ると、どうやらWifiモジュールは、Realtek RTL8852BE WiFi 6 802.11ax PCle Adapterなんじゃないかと思われる。
ネットの掲示板みると、Ubuntu23.04からカーネルにドライバーが追加されている感じで、22.04とかは自分でビルドするしかなさそうである。
とりあえず、以下を行う
- Ubuntuのカーネルを最新にしておく
- RealtekのGithubからUbuntu向けのドライバをビルドする
- ビルドしたドライバをカーネルに追加?する
現状のUbuntuのカーネルは以下(メディアインストール状態)
カーネルは5.19.0-32.33~22.04.1-generic
> lsb_release -a
No LSB modules are available.
Distributor ID: Ubuntu
Description: Ubuntu 22.04.2 LTS
Release: 22.04
Codename: jammy
> cat /proc/version_signature
Ubuntu 5.19.0-32.33~22.04.1-generic 5.19.17
以下でカーネルは現時点の最新になる
> sudo apt update
> sudo apt dist-upgrade
> cat /proc/version_signature
Ubuntu 5.19.0-50.50-generic 5.19.17
以下のサイトからRealtek RTL8852BEのドライバソースを入手する。ここにも記載があるが、セキュアブートはBIOSでOFFにしないと多分カーネルにドライバ入れられない。
コンパイラなどインストールしておいて、ビルド&インストールする。
> sudo apt install git bc build-essential linux-headers-5.19.0-50-generic
> git clone https://github.com/HRex39/rtl8852be.git -b dev
> cd rtl8852be
> make -j8
> sudo make install
インストールまでできたら、カーネルにモジュールをロードさせて、念のため再起動する。
> sudo modprobe 8852be
> sudo reboot
再起動後、無事Wifiが使えるようになった。
ほかのUbuntu設定
備忘録として残しておく
GNOME Tweaksインストール
> sudo apt install gnome-tweaks
自動更新を止める
> cat /etc/apt/apt.conf.d/20auto-upgrades
APT::Periodic::Update-Package-Lists "0";
APT::Periodic::Unattended-Upgrade "0";
パスワード要件を緩和
> sudo vi /etc/security/pwquality.conf
minlen = 6 #最小長さ
minclass = 1 #使用する文字種類
SSHサーバーインストール
> sudo apt-get remove –-purge openssh-client
> sudo apt-get install openssh-server
蓋を閉じてもノートPCをスリープにしない
> sudo vi /etc/systemd/logind.conf
HandleLidSwitch=ignore
> sudo reboot
その他) ビルドしたアプリをお気に入りに追加する方法
いつもやり方を忘れるので、メモっておく。
Fix "Add to Favorites" for custom apps in Ubuntu
> sudo vi /usr/share/applications/xxxxx.desktop
[Desktop Entry]
Version=1.0
Type=Application
Terminal=false
Exec=/path/to/yourapp
Name=YourApp
Comment=Description of YourApp
Icon=/path/to/yourapp.png
> sudo chmod +x sudo chmod +x /usr/share/applications/xxxxx.desktop
ほかの問題点
長い時間サスペンドすると復帰しない
色々解決方法はあるようだが、いくつか試してダメだったのと、起動がメチャクチャ早いので、シャットダウン&再起動すればいい気がしている。
ThinkPad E16 Gen1 AMD使ってみて
- キーボードが使いやすい
- モニタが縦に長く16:10になって使いやすい
一番の決め手が上記2点で、16:9より全然作業がしやすいのと、深めのストロークと無難なレイアウトのキーボードが良いです。
CPU、メモリ、ストレージもコンパイルやっていても十分早い。それなりのデスクトップPCでの作業と余り差は感じてないです。機械学習とかは向いてないと思うので、素直に他でやりましょう。
あと、16インチノートPCではあるけど軽いです。MacbookAirほどのコンパクト感はないけど、持ち歩きは許容範囲だと思う。もう少しゴツいイメージはあったけどよくできてます。
このモデルはコスパはかなり良いと思います。
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