【AWS12冠】社会人&業界1年目でAWS全資格を取得するまで
AWS12冠達成の記録と戦略まとめ
はじめに
社会人・業界1年目でAWS12冠を取得するまでの記録です。
資格取得に至るまでの経緯・取得順・期間・実感したことを中心にまとめます。
私はそれまでITとは無関係の業界におり、2024年9月にIT企業へ正社員として入社しました(2024年7〜8月には、現在の職場での入社前準備の一環として、東京都が実施するIT人材就職支援制度に参加しました)。
入社当初、クラウドやプログラミングの知識はほぼゼロでした。
AWS認定資格の存在を知ったのは、2024年8月ごろでした。
当時はまだIT業界に入ったばかりで、他の資格の勉強(基本情報技術者試験など)も並行していたため、
すぐには取り組まず、AWSの勉強を始めたのは10月後半からです。
最初の目標はSAAの取得でした。
ですが、SAAの学習を進めるうちにAWSの仕組みに興味が湧き、
その流れでDVA・SOA・SAPあたりまでは取ってみようと考えるようになりました。
そして、これらの分野を学ぶ中で「知識の幅がどんどん広がっていく感覚」と、
「未経験でもここまでやれることを証明したい」という思いが強まり、
最終的に全12冠の取得を目標に切り替えました。
本記事は“勉強法”というよりは、リアルな記録・日誌的なまとめになります。
これからAWS資格に挑戦したい方の一つの道しるべになれば幸いです。
取得の背景
- 2024年9月 入社(研修は7〜8月、東京都による就職支援制度に参加)
- それ以前はITとは無関係の業界に在籍(詳細は割愛)
- クラウド知識はほぼゼロからのスタート(当初は S3 や EC2 の存在も知らないレベル)
- AWS認定資格の存在を2024年8月頃に知る
- 他の資格(基本情報技術者など)と並行していたため、AWSの学習を本格的に始めたのは10月後半から
- 最初は SAA の取得のみを目標としていたが、学習を進める中で DVA / SOA / SAP も視野に
- その後、全12冠取得を目指すようになった
- 2025年2月に SAA を受験・合格(AWS資格受験のスタート)
- SAA取得直後、Lightsail 上に API サーバー(TypeScript / Express)を構築・公開し、Supabase・Cloudflare Workers と連携する個人アプリを開発。
- 10冠達成中に、実務で Laravel × GitLab CI/CD を扱う案件にアサイン
- 特に2025年4月末〜7月初旬にかけて、AWS認定資格を11週連続で受験&すべて合格。
- 全資格を一発合格で突破し、2025年7月までに AWS 認定12冠を達成
資格取得の記録(取得日・スコア付き)
| 略称 | 資格名(正式) | 取得日 | スコア |
|---|---|---|---|
| SAA | Solutions Architect - Associate | 2025-02-11 | 827 |
| DVA | Developer - Associate | 2025-04-29 | 841 |
| SOA | SysOps Administrator - Associate | 2025-05-10 | 768 |
| AIF | AI Practitioner | 2025-05-17 | 834 |
| MLA | Machine Learning Engineer - Associate | 2025-05-24 | 945 |
| DEA | Data Engineer - Associate | 2025-05-31 | 818 |
| SAP | Solutions Architect - Professional | 2025-06-07 | 806 |
| MLS | Machine Learning - Specialty | 2025-06-14 | 845 |
| SCS | Security - Specialty | 2025-06-14 | 850 |
| CLF | Cloud Practitioner | 2025-06-24 | 793 |
| DOP | DevOps Engineer - Professional | 2025-06-28 | 833 |
| ANS | Advanced Networking - Specialty | 2025-07-05 | 888 |
(MLSとSCSは同日に受験。CLFは仕事の休憩時間に受けに行きました)
特に難しかった資格:SAP(Solutions Architect - Professional)
12冠の中でも、圧倒的に難しかったのが SAP です。
- 出題範囲が非常に広く、設計・セキュリティ・コスト最適化・運用など複数領域にまたがる
- そして何より、3択で正解を選ばせる問題が非常に多く、選択肢を1つずつ潰すのに一苦労でした
- 「最適な選択肢」を選び抜く設計力が問われる
知識の断片では太刀打ちできず、「全体像の理解」と「比較検討する力」が特に重要だと実感しました。
学習方法:基礎の習得から問題慣れまで
SAAで最初につまずいたこと
最初に取り組んだのは SAA(Solutions Architect - Associate) でしたが、
当時はまだ S3 も EC2 も知らない状態で、正直かなり苦戦しました。
YouTube等での動画視聴も活用しましたが、それだけでは理解が追いつかず、
SAA向けの参考書も購入して、じっくり読み込みながら学習していました。
IAMやCloudWatchといった主要サービスも、「そもそもこれは何?」「何をするものなのか?」というレベルからのスタートでしたが、
その分、土台が固まったことで、その後の学習スピードが一気に上がった実感があります。
類似問題で“選び方”に慣れる
試験対策で一番意識していたのは、「問題形式に慣れること」でした。
AWS認定は、選択肢が全部正しく見えるような問題ばかりなので、内容を知っているだけでは対応しきれません。
特に使っていたのが、類似問題を多数掲載している問題集サイトや模擬試験系のコンテンツです。
ハンズオン等も勿論大事だとは思いますが、問題に慣れるのも大事だと思いました(日本語を話せる人が、国語の試験では“解き方の訓練”が必要なのと同じ感覚です)。
とにかく問題文と選択肢が長いため、このワードときたらこれ。みたいな解き方はできませんが、この要件の1つはこの選択肢のこの部分に対応しているなというのを着実に見抜けるようになり、他の選択肢を潰したり正解に辿り着ける確率が一気に上がりました。
ChatGPTで“腑に落ちる”まで理解する
わからない概念は、納得できるまでChatGPTに聞くというのを徹底していました。
たとえば機械学習系の分野では、「k近傍法ってどういう仕組みで分類してるの?」といった機械学習系の基礎的なアルゴリズムの仕組みも、
単に定義を覚えるのではなく、「なぜそのロジックで正しい結果が得られるのか?」を何度も掘り下げていました。
特に SAP(Solutions Architect Professional) のような難関資格では、
問題文に出てくる構成や設計選択肢に対して「なぜこの構成が正解なのか?」を一発で理解できず、
何度も「なんで?」「本当にそれで冗長化できる?」「他に選ばれない理由は?」と、
疑問を“根本から”解消することを繰り返していました。
この「納得するまで問い続ける」スタンスは、結果的に理解の地盤をかなり強くしてくれたと思います。
また、英単語の意味を調べるのも意外と効果的でした。
たとえば sam sync というコマンド。最初は「なんで sync でデプロイが走るの?」とピンと来ませんでしたが、
「sync=synchronize(同期する)→ ローカルとクラウドの状態を揃える」
という意味を知った瞬間、一気に理解が進みました。
複数科目の並行学習でモチベ維持
また、最大で4科目を同時に勉強していたこともありました。
一見大変そうに見えますが、1科目に飽きそうになっても別の内容に切り替えることで、
常に新鮮な気持ちで学習に向き合えたのは、意外と大きかったです。
「今日はSCSが重いから、気分転換にMLAの問題を解く」
「行きの電車はDVAの勉強、帰りの電車はSOA勉強」
そんな形で飽きずに継続できるサイクルが自然にできていました。
怒涛の2か月:スキマ時間はすべてAWS学習に使った
この2か月間、ほぼ毎週1つずつAWS資格を受験し、11冠を連続取得。
まさに “毎週が本番” のような日々で、勉強していない時間のほうが違和感あるくらい、AWS漬けの毎日でした。
- 通勤電車の中では常に教材 or 類似問題
- 歯磨き中やドライヤー中も、スマホで問題を読んだり、ChatGPTで用語を確認したり
- 友達との待ち合わせ中や昼休憩中もほぼフルで勉強
「今日、AWSに触れない時間ってある?」と思うほど、日常のすべてを“学習に寄せる”ことを意識していました。
通勤電車での勉強はすっかりルーティン化されていて、リモート勤務も可能な環境ですが、あえて通勤を選んでいます。
移動時間すら“学びの時間”にできるこの習慣が、今の自分を支えていると感じています。
ポイント
- 長時間の学習ではなく、「スキマを積み上げる」意識
- 手が空いてなくても、目と頭だけでも動かす
- 「集中力が切れないコツは“日常と学習の境目をなくすこと”」だったかもしれません
1回の学習時間は短くても、1日5〜10回積み上げていけば、週に何十時間分にもなります。
この“習慣としてのAWS”が、12冠達成の大きな基盤になりました。
この2か月間は、決して「若手の貴重な時間を浪費した」わけではなく、
むしろそれ以上の価値や自信を得ることができた期間でした。
なにより、勉強そのものが楽しかったという実感も大きかったです。
覚えた知識が業務や個人開発に直結し、「できることが増える」感覚は
とても前向きで、学習そのものが日々のモチベーションになっていました。
そしてこの2か月間、毎週試験を受け続けながら、11冠を連続取得したのも大きな自信になりました。
資格取得が実務や個人開発にどうつながったか
資格の勉強で得た知識は、業務や個人開発の中で即座に活かされました。
- SAA取得直後、Lightsail 上に API サーバー(TypeScript / Express)を構築・公開し、Supabase・Cloudflare Workers と連携する個人アプリを開発。
- 10冠中には、実務で Laravel × GitLab CI/CD を使ったプロジェクトにアサイン
- IAMやSSMパラメータストア、ELB証明書など、実務や個人開発で使用するサービスの理解が圧倒的に早くなった
特に、構成全体を俯瞰できるようになったことで、要件に対してどう構築していけばよいか(自分の場合特にインフラで)の方向性のイメージが自然と浮かぶようになりました。
最後に:これから受ける方へ
私自身、S3やEC2の名前も知らないところからスタートしました。
そんな状態からでも、正しい学び方と継続で、短期間でここまで来ることができました。
AWS認定は知識だけでなく、学習習慣や思考力そのものが鍛えられる資格です。
日々の学習を積み重ねる中で、「気づいたらできることが増えていた」そんな感覚を、
ぜひ味わってもらえたらと思います。
今後の展望と、学び続ける姿勢
AWS認定12冠は、あくまで「学びのスタートライン」にすぎません。
今後はこの知識を活かして、より実践的なプロジェクトへの貢献や、
チーム内での設計・運用・自動化の推進にも携わっていきたいと考えています。
また、変化の早いクラウド業界において、
「学び続けること」こそが最大の武器だと改めて実感しています。
今後も新サービスや設計トレンドをキャッチアップしながら、
現場に還元できるエンジニアを目指していきます。
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