仮想マシン利用時のClaude Code API Error (Connection error.)発生に関する調査メモ
概要
はじめてClaude Codeを触った際に遭遇した、API Error (Connection error.) の調査プロセスをまとめた技術メモです。
主に、macOS上の仮想化ツール「Tart」(macOS専用の軽量仮想化ソリューション)との同時利用時に発生した事象に焦点をあて、体系的な調査手法と原因分析のアプローチについて記録しています。
環境
- OS: macOS Sequoia 15.5
- CPU: Apple M4チップ
- メモリ: 32GB
- ストレージ: 1TB(空き容量十分あり)
発生した問題
エラー内容
Claude Codeの利用中にAPI Error (Connection error.)
が発生し、一時的に利用不能となる事象が発生。
このエラー発生時、アカウント接続や他のネットワーク接続には問題がないことを確認済み。
Anthropic API利用時はHTTPエラーコードが出力されるようだが、本事象ではエラーメッセージから手がかりとなる情報が読み取れなかった。
400 - invalid_request_error: There was an issue with the format or content of your request. We may also use this error type for other 4XX status codes not listed below.
401 - authentication_error: There’s an issue with your API key.
403 - permission_error: Your API key does not have permission to use the specified resource.
404 - not_found_error: The requested resource was not found.
413 - request_too_large: Request exceeds the maximum allowed number of bytes.
429 - rate_limit_error: Your account has hit a rate limit.
500 - api_error: An unexpected error has occurred internal to Anthropic’s systems.
529 - overloaded_error: Anthropic’s API is temporarily overloaded.
問題の再現性
- Tartが起動している状況下で本接続エラーが再現することを確認
- Tartを停止するとClaude Codeが正常に動作することを確認
まずはTartとClaude Code間の競合が原因である可能性が高いと考え、調査を行なった。
調査と分析
Dockerを停止したら解消したという情報を見かけたので、ポートの競合やリソース占有まわりの情報から追ってみた。
以下の調査&分析は、Claude CodeやGemini CLIと対話しながら進めてみた。
ネットワーク関連の現状把握
ファイアウォールやVPN接続の話は関係なさそうな状況だったため、今回はスルー。
- Tartのネットワークモード: TartはデフォルトでNAT(Network Address Translation:ネットワークアドレス変換)モードで仮想マシンを起動する。このモードでは、仮想マシンはホストOSのIPアドレスを共有し、ホストOSがNAT処理を行う
- Claude Codeの通信: Claude CodeはHTTPS(ポート443)を介してAnthropicのAPIと通信する
-
プロセスとポートの調査:
-
lsof -i -P | grep tart
コマンドを実行。Tartプロセスが直接ネットワークポートをリッスンしている兆候は確認されず -
ps aux | grep -i tart
コマンドでTartに関連するプロセスの存在とPID(Process ID:プロセス識別番号)を確認 - 特定したPIDに対して再度
lsof -i -P | grep <PID>
を実行したが、当該プロセスが直接ネットワークポートを占有している状態は確認されず -
netstat -a
コマンドにより、アクティブな接続とリッスンしているポートを全体的に確認したが、Tartに起因する特定のポート競合の明確な証拠は得られず
-
リソース消費の関連性
- Claude Codeは、大規模なコードベースの処理や長時間の利用において、高いメモリおよびCPU使用率を示すことが報告されている
- Tartも仮想マシンを動作させるためにシステムリソースを消費する。Tartがリソースを占有している状況下でClaude Codeが起動すると、システム全体のメモリが不足し、Claude Codeが安定したネットワーク接続を維持できなくなる可能性はありそう
原因分析
調査結果から、以下3つの可能性を特定しました。各仮説の根拠と検証結果を整理します。
仮説1:ネットワーク層での干渉
根拠:TartのNATモードとClaude CodeのHTTPS通信の競合
- Tartが作成する仮想ネットワークインターフェース
- ホストOSのネットワークスタック への影響
検証結果:ポート競合の直接的証拠は発見されず。また、Tart起動中でもClaude Codeが正常動作するケースが確認されたため、主要因の可能性は低い。
仮説2:システムリソース競合 ⭐️最有力
根拠:メモリ32GBでも両ツール同時利用時の不安定性
- Tart:仮想マシン実行によるメモリ消費
- Claude Code:大規模コードベース処理時の高メモリ使用(既知の問題)
検証結果:システム全体のメモリ不足時にネットワーク接続が不安定になるパターンと一致。
仮説3:API同時接続制限
根拠:Claude Codeの並列処理による複数セッション発生
- 無料プラン・有償プラン問わず発生報告あり(GitHub Issue)
- Rate limit errorではなくConnection errorが表示される点が不自然
検証結果:Anthropic側の制限詳細が不明なため、可能性として残る。
対処法と予防策
トラブルシューティングフローチャート
Claude Code接続エラーが発生した際の段階的な対処手順:
🔄 基本チェック
-
ネットワーク接続確認
- 他のWebサービスが正常にアクセスできるか確認
- Wi-Fi/有線接続の安定性をチェック
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Claude Codeの再起動
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Ctrl+C
でClaude Codeを終了 - ターミナルを再起動してClaude Codeを再実行
-
⚙️ システムリソースチェック
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メモリ使用量の確認
# macOSの場合 Activity Monitor > Memory タブで確認 # または top -l 1 | grep "PhysMem"
-
Claude Codeメモリ最適化
# Claude Code内で実行 /compact
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仮想化ツールの停止
# Tartの場合 tart stop [VM名] # Dockerの場合 docker stop $(docker ps -q)
🔧 詳細調査
-
プロセスとポートの調査
# リソース消費の多いプロセス確認 ps aux | head -20 # ネットワークポート使用状況 lsof -i -P | grep LISTEN
💡 高度な対処法
-
Tartネットワーク設定変更(Tart利用時)
- NATモードからブリッジモードへの変更を検討
- 公式ドキュメントを参照
短期的な対処法
- Tartの停止: Claude Codeを使用する際、Tartを落とせばひとまずエラー回避できる
-
リソース監視と解放: macOSの「アクティビティモニタ」(Activity Monitor)でメモリ使用量を監視し、必要に応じて他のアプリケーションを終了してメモリを解放する。Claude Codeの
/compact
コマンドを定期的に実行して、メモリ使用量を削減することも有効っぽい
長期的な解決策
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Tartのネットワーク設定の見直し:
- TartのネットワークモードをNATモード(Network Address Translation:ホストOSのIPアドレスを共有する方式)以外の設定(ブリッジモード)に変更することを検討。ブリッジモードでは仮想マシンが独自のIPアドレスを持つため、ホストOSのネットワークへの干渉が軽減される可能性あり
(他にWSL使用時やIPv6接続時のタイムアウトエラーの話も見かけたけど、ちょっと違うかも)
-
システムリソースの増強:
- Macのメモリ増設を検討する
- ただ現状メモリ32GBモデルのため、通常作業においては十分な認識
-
使用パターンの最適化:
- メモリを食いがちなツールとClaude Codeとの同時利用を避けて使用するなど、環境によっては運用上の工夫をする必要があるかも
- 今回は仮想環境下でAIエージェントの動作確認していたという若干特殊な状況だった
- 他の仮想化ツールやメモリ消費の大きいツールを利用する際も、類似の競合が発生する可能性を考慮しておく
- システムリソース(特にメモリ)の定期的な監視を実施し、異常な消費がないかチェックするとか?
- メモリを食いがちなツールとClaude Codeとの同時利用を避けて使用するなど、環境によっては運用上の工夫をする必要があるかも
類似の問題に遭遇した場合のチェックリスト
同様の接続エラーが発生した際の参考として:
- 基本チェック: ネットワーク接続とClaude Codeの再起動を実施
- メモリ確認: Activity Monitorでメモリ使用量をチェック
- 仮想化ツール: Docker、Tart、VirtualBox等の停止を試行
-
プロセス調査:
ps aux
でリソース消費の多いプロセスを特定 -
ポート確認:
lsof -i -P
でネットワークポート使用状況を調査 -
Claude Code最適化:
/compact
コマンドでメモリ使用量を削減 - ネットワーク設定: 仮想化ツールのネットワークモード変更を検討
エラーが解消した場合は、どの手順が効果的だったかを記録しておくと、今後同様の問題が発生した際の参考になります。
まとめ
macOSおよび仮想マシン利用環境におけるClaude Codeの接続エラーについて、Tartとのリソース競合、ネットワークまわりの干渉に起因する可能性に絞って調査してみました。
いろいろ見てみたのですが、ぶっちゃけ今回の調査では具体的な原因特定まで至っていません。
筆者はClaude Code初心者なため、本件に関する知見をお持ちの方は、ぜひコメント欄にて情報提供いただけると嬉しいです。
おまけ
何の成果も得られなかったので、Claude Codeくんが数分で作ってくれたスネークゲームを貼ってお茶を濁します🐍
現場からは以上です。
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