Mac Dock の位置をあれこれ試した結果、左側に落ち着いた話
この記事は、Unipos Advent Calendar 2025の8日目の記事です。
はじめに:なぜDockの位置にこだわるのか
Macを使い始めてからおよそ10年。僕は主にフロントエンド開発者という立ち位置でMacBook Proをメインマシンとして利用してきた。
Spotlight、Alfred、Raycastなどのランチャーアプリや、AltTabなどの高度なウィンドウ切り替えツールを利用することは当然ながらある。しかし、DockはMacの基本的なUI要素として、マウス・トラックパッド操作でのアプリケーション起動や、現在の起動状況の視覚的な確認に欠かせない。
本記事で扱うDockの配置検討は、これらキーボード操作主体のツールとは別途、Dockを使う場合の最適解を探る。
MacのDockは、アプリケーションの起動や切り替えに欠かせない重要なUI要素だが、その配置場所については長年の地味な悩みであった。
特に、広範囲な画面領域を確保したい開発者にとって、わずかなUIの配置が作業効率に影響を与えることがある。本記事では、僕が辿り着いたDockの位置変遷と、最終的に「左側」が最適解となった理由について深掘りする。
最初期:デフォルトの「下側」配置
Macのデフォルト設定である画面下側にDockを配置していた。
👍 良かった点
- 見慣れたデザインと直感的な操作性
- やはり標準の位置は見た目としてしっくりくる。MacBookを買い替えた際も、設定を変える手間がなく、すぐに使い始められるという安心感があった。
- 違和感のなさ
- Windowsなど他のOSでもタスクバーが下にあることが多く、標準的なPC操作として違和感がない。
👎 問題点
問題1:誤クリックによる作業の中断
画面下端の要素をクリックしようとした際に、誤ってDockのアプリケーションアイコンをクリックしてしまうことが頻繁に発生した。
僕はDock内のホバー時のアニメーション(アイコンが拡大表示される設定)が好きで有効にしていたが、一度アイコンが拡大してしまうと、カーソルを大きく動かして元に戻す必要があり、その度に細かな集中力の途切れが生じていた。
問題2:マルチディスプレイ環境でのDockの移動
拡張ディスプレイを使用し、MacBookを手前に、外部ディスプレイを奥の上側に配置する環境で作業していた。特に4Kモニターなどの横幅が広い外部ディスプレイを使用している環境下で、カーソルを外部ディスプレイ側からMacBook側へ移動させる際に、MacBookが存在しない位置にカーソルが移動すると、Dock全体が外部ディスプレイ側へ移動してしまう現象に悩まされた。
僕はDockをMacBook側に常に固定しておきたい派だったので、この意図しない移動は非常に煩わしかった。
お試し期間:「右側」配置への挑戦
下側配置の問題点を解決するために、職場の同僚がDockを右側にしているのを見て、試してみることにした。
👍 良かった点(下側からの改善点)
- 誤クリックの減少
- 画面の下側のUIをクリックする頻度に比べ、右端側のUIをクリックすることは圧倒的に少なかったため、「問題1」の誤クリックは大幅に減少した。
- ディスプレイ移動問題の解消
- 縦に配置することで、ディスプレイ間のカーソル移動でDockが意図せず移動する問題も発生しなくなった。
👎 問題点
問題3:ウィンドウサイズ調整時の誤クリック
フロントエンド開発をしていると、レスポンシブデザインを確認するためにウィンドウサイズを頻繁に調整する。この操作が、「右側Dock」との間で新たな誤クリックを引き起こした。
具体的には、ウィンドウの右側の淵(エッジ)をドラッグしてサイズ調整しようとした際に、Dockのアプリケーションアイコンをクリックしてしまうことが多々発生した。Dockが画面の右端を広く占有しているため、ウィンドウの右端操作が非常にシビアになってしまったのだ。
終着地:「左側」配置の優位性
「下側」「右側」で発生した問題1, 2, 3をすべて解決するものとして、最後にたどり着いたのが「左側」へのDock配置であった。
✨ すべての問題を解決
| 配置 | 問題1: 誤起動 | 問題2: Dock移動 | 問題3: ウィンドウサイズ調整の誤クリック |
|---|---|---|---|
| 下側 | ❌ (多発) | ❌ (発生) | ⭕️ (問題なし) |
| 右側 | ⭕️ (減少) | ⭕️ (解決) | ❌ (発生) |
| 左側 | ⭕️ (減少) | ⭕️ (解決) | ⭕️ (解決) |
「左側」 の配置が、特に「問題3:ウィンドウサイズ調整時の誤クリック」を解決する決定打となった。
- 左淵の操作頻度の低さ
- 普段の作業において、ウィンドウの左淵をドラッグしてサイズ調整することは稀である。
- アプリケーションUIとの干渉の少なさ
- ウィンドウの左側にメニュー一覧があるアプリケーションはあるが、Dockは基本的に左端にあるため、アイコンとUI要素との干渉による誤クリックを経験したことは、右側Dockに比べてほぼない。
結論:開発者にとってのDockの「ベストポジション」
僕の長年の試行錯誤の結果、MacのDockは「左側」 に置くのが、フロントエンド開発者のワークフローにおいて最も快適な配置であるという結論に達した。
もちろん、Dockを自動的に隠す設定にしたり、Dockを使わずSpotlightやランチャーアプリで代替するなど、他の解決策もある。しかし、「Dockを使う」という前提で考えた場合、誤クリックの低減とウィンドウ操作の快適さを両立できる左側がベストな選択肢であった。
画面スペースを有効活用したい、誤操作によるストレスを減らしたい方は、ぜひ一度Dockを左側に移動させてみることを勧める。
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