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開発者むけAI投資のマネジメント— スピードと規律のバランス
会社としてのAI投資概観
UniposではAI活用を経営の重要テーマと位置づけています。
2025年8月での取り組みはざっくり次のようなかんじです。
開発者むけAI投資マネジメントの考え方
さて、ここからが主題です。
やはりAI活用を推進していく中でエンジニアの存在が中核になってきます。
日々登場する新しい道具とうまく付き合い、全社に展開したり、ツールに落とし込んだり、はたまた自分たちの生産性を上げたりといった感じです。
自分はマネージャーとして、こんな方針で進めてきました。
- 多様さ:各エンジニアには、それぞれの得意や持ち場を活かして、様々な形で活躍してもらいたい
- スピード:新しく出てくる道具は素早く検証して武器にしていきたい
- 安全性:安全につかっていくことも大事なので、無法地帯はよろしくない
- 適切な投資:お金は使っていくが、湯水のように投じるのではなく、ケチケチしすぎるのでもなく、"いい感じ"のバランスで使っていきたい
- 規律と自律:マネージャーの承認が細かくなりすぎないように、"いい感じに"個人の意思と集団の意思をブレンドしてバランスをとっていきたい
開発者むけAI投資マネジメントのやり方
上記の考え方に基づいて、具体的にはこんなことを動かしました。
予算組み
- 期初の年間計画時にAI予算をあらかじめ確保
- 支払先は柔軟に試して変えていくような方針もあらかじめ経理と合意
安全確保の取り組み
- 情報システム部門とAI推進部門で協力して、AI活用ガイドラインを整備
- 全社で使えるAIツール、開発者が使えるAIツールのホワイトリスト整備
エンジニアみんなで管理
- 個人が自由に使えるAI補助金みたいなしくみも考えましたが、安全性や規律の面からゆるい統制を入れることにした
- 全体で使える月のお財布上限を決めて、ホワイトリストの中から各人が使いたいものを決められるようにした
- 前月後半に「僕は来月からClaudeCodeの$200を使います」といったことをNotionのDBに明示する
- みんなで使うツールなどもNotionの同一DBの中に組み込む(APIやDevinなど)
- 全体のお財布上限の範囲内なら個人がかなり多い金額を使ってもOK
- いま組織の投資合計金額がだいたいいくらかを可視化しているので、上限近くなったら個々で調整したり、自分が上限引き上げ判断するなど、相談できるルールにした(現状余力があるので調整したケース自体がないですが)
あとがき
この枠組みで、決められたルールの中でも自由に道具を選べるようになりました。
誰がいくら使っているかを透明化しているので、多く使っている人はそのぶん成果で返そうという気持ちが働きます。
一方で、高いツール構成に迷っている人には現状は背中を押すようにしています。
今後、変に過熱しそうなら逆に引き締める——そのバランスを見ながら運用中です。
今のところは上手くいっている手応えがあります。
これからもAI投資のアクセルとブレーキを上手に踏んでいきます。
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