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「UX検定基礎」を受けてみた

2023/09/26に公開

はじめに

当社では現在、「ユニフォームの導入を契機に、お客様の業務課題や組織課題の解決で従業員のワークライフをハッピーにするSaaSプロダクトの開発」に取り組んでいます。
プロダクトオーナーとしてそのプロジェクトに携わる中で、UXに関する知見の必要性を高く感じたため、今回「UX検定基礎」の資格試験を受験することに決めました。本記事では、学習方法と試験の感想を備忘も兼ねてまとめたいと思います。

UX検定基礎とは

UXインテリジェンス協会より

UX検定基礎は、ユーザーエクスペリエンス(UX)向上の取組みに欠かせないスキルとマインドを実践的かつ体系的に学ぶ、全ビジネスパーソン向けの資格試験です。
UXインテリジェンス協会では、デジタル前提の社会で、様々な業務や状況において「ユーザー」に向き合い価値提供を行うスキル・マインドセットを「UXインテリジェンス」と定義しており、一部のスペシャリストだけでなく、すべてのビジネスパーソンに求められるものと考えています。
本資格の取得によって、UXやHCD(人間中心デザイン)の基本的な概念やその実践方法のアウトラインを理解し、自らの業務に活用するための基礎知識を有することを証明できます。

引用の中にもありますが、この検定はあくまで基礎知識を習得するための試験です。実施形式としてはオンラインでの実施となり、単一選択式の100問を100分で解くというものになります。
より上位の資格として、実務経験が必要になる「人間中心設計スペシャリスト」などの資格が存在しています。

学習方法

2022年8月から新設された資格試験ということもあってなのか、受験時点(2023年9月時点)では過去問が存在していませんでした。
そのため、試験範囲として明記のあるシラバスの範囲の言葉の定義を押さえることと、学習推奨図書の読み込みがメインになりました。

シラバス

シラバスには、カテゴリ区分と各カテゴリでの学習目標や内容、押さえておくべき重要ワードが記載されています。
基本的にはこのシラバスの内容やワードを網羅的に学習する必要があります。心理学や行動経済学といったアカデミックな領域から、開発手法やプロジェクトマネジメントなどの実務領域、
経営理念やビジネスモデルなどのビジネス領域など、比較的幅広く押さえなければなりません。
また、シラバス内の重要ワードは学習推奨図書内でも頻繁に用いられるワードが多いため、ワードとその定義を覚えることは重要です。

学習推奨図書

以下4冊が学習推薦図書です。それぞれの概要と所感です。

1. アフターデジタル2 UXと自由

UXが重要視される理由を、時代の変遷と実際の中国や米国のサービス事例を交えて書かれています。UXのビジョンや思想を理解するためにまずはこの本から入るといいかもしれないです。

2. UXグロースモデル アフターデジタルを生き抜く実践方法論

1のアフターデジタル2と同じ著者の書籍です。アフターデジタル2でビジョンや思想が語られているのに対し、この書籍ではそれを実践するための方法論が語られているので、1の後に読むのが読みやすいと思います。

3. 人間中心設計入門 (HCDライブラリー)

UXに関連する定義や概念の説明が主であるため、実践的というよりは教科書的な書籍です。絵や図での説明や事例の記載も多く直感的に理解しやすい入門書といった印象です。

4. ユーザビリティエンジニアリング

ユーザ調査・分析、プロトタイピング、ユーザビリティの評価といった、”実際にどのように進めるのが最適なのか良くわからないもの”の進め方が具体的に書かれています。推薦図書の中では実務に最も取り込みやすそうな内容でした。

具体的な学習方法

基本的には「各推奨書籍を読む」→「出てきた分からない単語を調べる」→「章やセクションごとに概要をまとめる」のフローで学習しました。シラバス記載の範囲だと推奨書籍では不十分な内容もちらほらあったので適宜ググったり、他書籍を参照したりもしています。

また、「ウェブユーザビリティ評価スケール(Web Usability Scale; WUS)を用いたアンケート実施」など一部の実践的な内容については、実務の中で試験的に簡易利用してみたことで理解が深まりました。

概要のまとめと実務でWUSアンケート実施した際のイメージ

受験と結果

オンライン受験のため社内の個室ミーティングルームで受験しました。
100問100分なので1問1分で解ければ時間通りといったところですが、知識問題も多いので実際は70分~80分ほどでひと通り解き終えることができました。中には特別な知識がなくてもUXの思想を理解しているだけで解ける問題もありますが、問題文の表現に関して読解力が問われ、回答に悩む問題もありました。
見直したい問題にはフラグを付けることができ、フラグを付けた問題にはいつでもすぐ飛べるようになっていたため、受験時のユーザ体験は良かったです。そのあたりはさすがUXの検定といったところです。

受験後の画面上で「結果は1ヶ月居以内にメールにて通知します」との表示があり、実際には3週間ほど後にメールにて通知がありました。
結果、無事合格できましたが合格基準や合格率は不明です。各カテゴリの正答率のみ公開され、誤った問題がどの問題だったかなどの振り返りはできません。

感想

結果はともあれ、今回の受験を通して網羅的にUXの知識を学べたことは良かったと思います。
今後も実務の中で積極的にアウトプットしながら知識を経験に変えて活かしていきます。
UX検定基礎はIT領域でいうところのITパスポートのような位置付けの印象なので、UXに直接携わる業務でなくてもビジネスパーソンとしてひと通り学んでおいて損はないですね。UX関連の各ワードなどを共通言語として使えるようになるなどのメリットは実務上も出てくるため、当社のエンジニアメンバーのみならずマーケティングやWEB制作のメンバーにも受験を薦めてみます。

ユニフォームネクスト株式会社

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