第56回 情報科学若手の会に参加しました!登壇も!
参加の目的
TLに流れてきたので要項を見てみたらhikaliumさんが面白そうな講演をするというのをみて参加を決意しました。
hikaliumさんはセキュキャンなどを通してOSとか低レイヤーの人ということで知っていますし、講演もその通りに沿ったものです。ぼく個人としては、自身は概念のようなものと宣言されているにも関わらず、人間的な一面が見られるpostが多いのが趣深い人やなといつも思って、見てます。例
参加決定!
若手の会とは?
@saza_ku さんが紹介してくださいましたので一部を引用し、省かせてもらいます。
情報科学若手の会とは、情報科学に携わる学生、若手研究者、社会人のディスカッションと交流の会です。
言語処理系、オペレーティングシステム、機械学習、コンテナ、Wasm、量子コンピューティング、データベース、などなど。一言で言うなら、コンピュータ大好きな人たちが集まってそれぞれの得意分野について語り合うイベント、みたいな感じですかね。インフォーマルな雰囲気でした。
1日目
軽井沢で開催されるので移動をします。西武バスに乗ってみるかーとか呑気に考えてたんですけど完全にミスでした。
三連休と関越道の事故が重なっちゃったわけですよね。。。しょうがない。来年以降も軽井沢だったら新幹線で行こう。。。
到着!
最初の講演には間に合ったのでよかったです。
講演
1. GoでORMを自作する
kick offは @harris0n3agle さんによる GoでORMを自作する発表でした。僕はサーバーサイド初心者です。自分で初めて1からGoでAPIを自作した時にORMを使って何もわからず爆死した経験があります。その後、無事に database/sql パッケージを使って事なきを得ました。本番のコードであったり大規模なものを作っていく上ではORMが技術選定されることはあると思います。そんな時に inside ORMを深く理解していくのに「自作」というのは最高の手段の1つなので貴重な発表だったと思います。最近、また別のことで毎日のようにGoを書いているのもあって、後でコードを拝見したいです。
また、個人的な話としては、DeNAの23新卒だそうで、そういえば先輩がいったなあということを思い出して、その関連で色々話したりしました。たくさん話してくれてありがとう!
2. スポンサーセッション : PFNを支えるストレージシステム
PFNでオンプレストレージの全般を担当されている方からのセッションでした!大規模計算基盤を安定的に運用することに携わっている人たちのすごさがわかる話でした。ストレージの面白いけれども難しいところは「ステートフルである」ところなんだそうです。まさに計算機を支える基盤技術の話で「情報科学」的で興味深かったです。
3. 招待講演 : 実用水準のプログラミング言語を個人規模でつくる
SATYSFIの作者、諏訪 敬之さんによる実用水準のプログラミング言語を作ることに関する招待講演でした。後で公開されると思いますが、まず話がスッと入ってくるスライド構成の作り方がうますぎます。スライド、話し方...など頭のいい方なのだなー(自明)ということがよくわかります。
内容としては、まずはご自身の未踏事業での成果、そこにある哲学や目的意識とSATYSFIによる克服が話され、さらに別の自作言語の話もありました。ニッチな分野である「自作言語への招待」としての始め方やモチベーションの部分が話されており聞き手に対して適切に目線を低くする配慮がなされており参考になりました。また、プロジェクト進行の上での留意点に触れられており参考になりました。個人的な話ですとSecHack365という9ヶ月かけてもの作りをして成果を発表するという未踏事業に近しいプロジェクトを現在やっていますが、そこと重なる部分があり参考にします。
講演後の食事の時にも言いましたが非常に貴重なお話ありがとうございました。京都の話や好きなカレー屋の話ができたのも近しいところを感じました。
ナイトセッション
グループワークのようなことをやり盛り上がりました。お茶の間には全国のお菓子や飲み物が集まり、ざっくばらんに話をしたのも良い思い出です。
2日目
テンポよく紹介するため、一部コメントを残さないスタイルでいきます。自分の領域外であり言及が難しいものがそれにあたる可能性がありますが、そのような理由が主であり、全ての発表は素晴らしいものです。
講演
1. Wasmを実行するunikernelとWasmコンパイラの開発
@saza_ku さんら2名による未踏事業での取り組みを発表してもらいました。何かと最近話題になっているwasm、基本的にどのようなものかよくわかる説明だったし、すごい取り組みをしていてさすがだなあと思いました。
sazaさんとは後でじっくり時間を取って話すことができました。ぼくが考えたり取り組んだりしているセキュリティーの話とかを聞いてくださったり、技術の学生コミュニティー運営の話を聞かせてもらったりと楽しかったです。ぼくはソフトウェアエンジニア寄りの人間じゃなくてセキュリティーとか戦略とかそっち寄りの考えの人間なんだなあということがよくわかりました。
2. コンテナ技術における最新の研究動向
コンテナの研究ということで最後の方はよくわからないものも多かったですが、かなり注目されているようです。
発表後のRDMA や HW と組み合わせた研究に関する質問に関する対応としての情報提供リンクも配布されています。裏を返せば、アフターフォローをするほど注目されているということでありすごい。これから着実に博士取得に向けて取り組まれていかれることでしょう!
3. AIセキュリティはなぜセキュリティ分野なのか
AIセキュリティーとwebプロダクトセキュリティの話が比較されていたところが良かったです。これからさらに盛り上がっていくであろう面白い分野だと思います。引き続き研究頑張ってください!
4. 大規模言語モデル(BERT)を活用したニュース推薦のPyTorchによる実装と評価
話題のLLM関連のセッションもあって良かったです。
5. スポンサー発表 : Quantum Covert Lottery ̶高速化ではない量子コンピュータの応用
量子のことはよくわからないのですが、発表者、めちゃくちゃ幅広くいろんなことを知っている経験豊富な技術者!という印象を持ちました。特にScalaとGoとRustとかの話を最終日の朝、永遠にしていて楽しそうでした。こういう方と会って話すと色々話せるようになりたいからもっとやっていこうという気持ちになれるんですよね。ゲームのチート行為の話で盛り上がったりもしましたね。ポケモン🟥🟢にバイナリエディターを持ち込んで直接メモリ操作する手法とかワープとか空間脱獄の話とか...笑
6. 大規模で実用的な量子計算のためのソフトウェアとアーキテクチャ
発表者の @nkowne63さんによると、量子人材には物理寄りのアプローチと情報科学よりのアプローチがあって、物理学科には、100人に1人プログラムを書ける人がいて量子コンピューティングの方に行くということです。そんな貴重な人材であるところのノーンさんからの講演です。
7. 招待講演 : 趣味を研究、そして仕事にするまで ̶ なぜ低レイヤは大事なのか、そして楽しいのか
目玉であるところのhikaliumさんの講演です。「週末何してましたか?」「OS書いてました!」から始まります。OSとの出会いや研究の話などもしっかり時間をとって聴くことができました。「小学生から趣味OS、大学生は研究OS、仕事OS」そんなすごいhikaliumさんにも挫折や苦悩があったようです。そっから休学しての再チャレンジがあったようです。
ぼくも時間が解決してくれるみたいな話はよくわかります。面接とかで「取り組んだ時間が少ないだけで継続してやっていけばできるようになるだけの話だと思います。今は経験が浅いので実力が乏しいだけで...」とか言ったことあります。今は、継続力に力点が移っていますね。そのためには習慣化が必要だなあと思いながら過ごしています。
8. ニューラルネットワーク組み換え自動化ソフトウェアの研究開発
ぼくの話なので一旦飛ばします。何人かから面白いアプローチって言ってもらえて嬉しかったです。もうそれだけで十分すぎます。
9. ロボットハンドの機械インピーダンスの人への呈示が人間ロボット間の物体受け渡しに及ぼす影響
NAIST院生による講演でしたがスライド共有NGにつき以上。。。研究ってそんなこともよくあります。
10. 自動運転車は本当に事故を減らすのか?
幹事兼NAIST院生の @kuge_masa さんによる自動運転に関するお話でした。自動運転というのはしばしば社会問題として見かける話でありひと事ではありません。これには技術的にできるのかという問題よりも法律の壁があったり、運転引き継ぎの問題であったり色々考えさせられることが多かったです。
得られたもの
軽井沢の美味しい空気
涼しかったですね、朝夜は寒いくらいだったかもしれないです。また、その空気を吸いながら 露天風呂に入ったのは気持ちが良かったです。
朝起きて夜寝て3食食べる健康的な生活
大学生は、生活習慣が壊れている時があるのでこれはありがたかったです。グレートリセットです。
普段会えない話せない、すばらしい技術者と直接会って話す
ここでしか会えない人がいたなあと思います。
卒研を紹介できた
自分が開発している卒研のやつをみんなに紹介しました。この会は、ぼくのような論文にはならないような段階のものだけれども「やってみた」とか「自作してみた」とかそういったものも許されており、取り組みを人に紹介できる場として非常にありがたかったです。学位取得後は深層学習とは離れることになりますが、ニューラルネットの奥深いところの問題は沼が多く、難しかったです。そもそも研究とはそのようなものかもしれません。資料ではこれからニューラルネットを勉強していく、海の開拓者に向けて置き土産的に論文読みでのポイントや知見をまとめています。ぜひご覧になってください。
おわりに
素晴らしい会をありがとうございました!やはり技術者はオフラインであってなんぼです。またよろしくお願いしまーーす。
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