Claude Code完全攻略ガイド:開発効率を劇的に上げるスラッシュコマンド術
概要
Claude Codeのスラッシュコマンドとは
Claude Codeは、Anthropic社が提供する公式CLIツールです。このツールには、開発作業を効率化するための様々なスラッシュコマンドが用意されています。スラッシュコマンドは、会話中に/
で始まるコマンドを入力することで、特定の機能を素早く実行できる仕組みです。
本記事では、Claude Codeで利用可能なすべてのスラッシュコマンドを体系的に解説し、実践的な使い方を紹介します。
こんな方向けの記事
- Claude Codeを使い始めたばかりの方
- スラッシュコマンドの全体像を把握したい方
- より効率的にClaude Codeを活用したい方
- カスタムコマンドを作成してワークフローを自動化したい方
ビルトインコマンド一覧
Claude Codeには21個のビルトインコマンドが用意されています。これらを機能別に分類して解説します。
基本操作系コマンド
/help
- ヘルプの表示
使い方やコマンド一覧を表示します。困ったときはまずこのコマンドを実行しましょう。
/help
/clear
- 会話履歴のクリア
現在の会話履歴をクリアして、新しい会話を開始します。コンテキストをリセットしたい場合に便利です。
/clear
/status
- ステータスの確認
アカウントやシステムの状態を確認できます。API制限や使用状況を把握するのに役立ちます。
/status
/cost
- トークン使用量の確認
現在の会話で使用したトークン数とコストを表示します。
/cost
設定・環境系コマンド
/config
- 設定の表示・変更
Claude Codeの設定を表示または変更します。
# 現在の設定を表示
/config
# 特定の設定を変更
/config set model claude-3-opus-20240229
/model
- AIモデルの選択
使用するAIモデルを切り替えます。タスクに応じて最適なモデルを選択できます。
/model claude-3-opus-20240229
/permissions
- アクセス権限の管理
ファイルシステムへのアクセス権限を表示・更新します。
# 現在の権限を表示
/permissions
# 特定のディレクトリへのアクセスを許可
/permissions add /path/to/directory
/terminal-setup
- ターミナル設定
キーバインディングなどのターミナル設定をインストールします。
/terminal-setup
プロジェクト管理系コマンド
/init
- プロジェクトの初期化
現在のプロジェクトにCLAUDE.mdファイルを作成し、プロジェクト固有の指示を設定できます。
/init
/memory
- メモリファイルの編集
Claude Codeの記憶(メモリ)ファイルを編集します。プロジェクト固有の情報や指示を永続化できます。
/memory
/add-dir
- 作業ディレクトリの追加
現在の会話に作業ディレクトリを追加します。複数のディレクトリを扱う場合に便利です。
/add-dir /path/to/another/directory
/compact
- 会話の圧縮
長い会話履歴を圧縮し、特定の内容にフォーカスできます。
# 全体を圧縮
/compact
# 特定のトピックにフォーカス
/compact "APIエンドポイントの実装"
開発支援系コマンド
/review
- コードレビュー
現在のコードベースや変更内容のレビューを依頼します。
/review
/pr_comments
- プルリクエストコメントの確認
GitHubのプルリクエストコメントを確認できます。
/pr_comments
/vim
- Vimモードの起動
Vimエディタモードに切り替えます。Vimユーザーには便利な機能です。
/vim
システム管理系コマンド
/doctor
- 診断ツール
Claude Codeのインストール状態をチェックし、問題があれば報告します。
/doctor
/bug
- バグレポート
Anthropicにバグを報告します。問題を見つけた場合はこのコマンドで報告しましょう。
/bug "特定の状況でエラーが発生する"
/login
- アカウント切り替え
別のAnthropicアカウントに切り替えます。
/login
/logout
- ログアウト
現在のアカウントからログアウトします。
/logout
カスタムコマンド
カスタムコマンドの作成方法
カスタムコマンドを作成することで、頻繁に使用する操作を自動化できます。カスタムコマンドは以下の2つの場所に配置でき、それぞれ異なる目的と使用方法があります。
配置場所の詳細
.claude/commands/
1. プロジェクトコマンド: -
プレフィックス:
/project:
- 用途: チーム開発で共有するプロジェクト固有のコマンド
- バージョン管理: Gitなどでチームメンバーと共有される
-
適用例:
- プロジェクトのビルドやテスト手順
- コード規約チェック
- プロジェクト特有のドキュメント生成
# プロジェクトコマンドの実行例
/project:test # プロジェクトのテストを実行
/project:build # プロジェクトのビルドを実行
/project:deploy # プロジェクトのデプロイを実行
~/.claude/commands/
2. パーソナルコマンド: -
プレフィックス:
/user:
- 用途: 個人的な開発ワークフローや汎用的なタスク
- スコープ: 全プロジェクトで利用可能
-
適用例:
- 個人的なコードレビューチェックリスト
- 汎用的なリファクタリングパターン
- 個人的な開発ツールやスクリプト
# パーソナルコマンドの実行例
/user:security-review # セキュリティレビューを実行
/user:optimize # パフォーマンス最適化の提案
/user:cleanup # コードクリーンアップの提案
使い分けの指針
特徴 | プロジェクトコマンド | パーソナルコマンド |
---|---|---|
共有範囲 | チーム全体 | 個人のみ |
バージョン管理 | あり | なし |
適用範囲 | 特定プロジェクト | 全プロジェクト |
更新頻度 | チームで協議 | 個人の判断 |
実際の使用例
プロジェクトコマンドの作成例
.claude/commands/test.md
を作成:
---
description: "Run all tests"
---
Please run all the tests in this project and provide a summary of the results.
使用方法:
/project:test
パーソナルコマンドの作成例
~/.claude/commands/security-review.md
を作成:
---
description: "Perform security review"
---
Please review this code for potential security vulnerabilities, focusing on:
- Input validation
- Authentication and authorization
- Data encryption
- SQL injection risks
- XSS vulnerabilities
使用方法:
/user:security-review
チーム開発での活用
プロジェクトコマンドはチーム全体で共有されるため、以下のような場面で活用できます:
# チーム共通のワークフロー
/project:setup # 新メンバーの環境セットアップ
/project:code-review # プロジェクト固有のレビュー基準
/project:release-check # リリース前のチェックリスト
個人用ツールとしての活用
パーソナルコマンドは個人の生産性向上に役立ちます:
# 個人的な開発ツール
/user:refactor # 個人的なリファクタリング手法
/user:document # 個人的なドキュメント作成フォーマット
/user:debug # 個人的なデバッグ手順
引数を受け取るカスタムコマンド
.claude/commands/create-component.md
:
---
description: "Create a new React component"
args:
- name: "component-name"
description: "The name of the component to create"
required: true
---
Create a new React component named {{component-name}} with the following:
- TypeScript support
- Proper file structure
- Basic tests
- Storybook story
使用方法:
/create-component Button
Bashコマンドを実行するカスタムコマンド
.claude/commands/deploy.md
:
---
description: "Deploy the application"
bash: |
npm run build
npm run deploy
---
The deployment process has been initiated. Please monitor the output and address any issues that arise.
ファイル参照を含むカスタムコマンド
.claude/commands/analyze.md
:
---
description: "Analyze the codebase structure"
files:
- "src/**/*.ts"
- "package.json"
---
Please analyze the codebase structure based on the provided files and suggest improvements.
名前空間を使用した整理
カスタムコマンドはディレクトリで整理できます:
.claude/commands/
├── db/
│ ├── migrate.md
│ └── seed.md
└── test/
├── unit.md
└── e2e.md
使用方法:
/db/migrate
/test/unit
MCPコマンド
MCP(Model Context Protocol)は、Claude Codeと外部サービスを連携させるプロトコルです。データベース、GitHub、Slackなどのサービスと直接やり取りできます。
/mcp
- MCPサーバー管理
MCPサーバーの接続を管理するビルトインコマンドです。
# 接続中のサーバーを表示
/mcp
# サーバーに接続
/mcp connect github
# サーバーとの接続を切断
/mcp disconnect github
MCPコマンドの形式
外部MCPサーバーから提供されるコマンドは以下の形式で利用できます:
/mcp__<server-name>__<command-name>
実際の使用例
# GitHubサーバーからのコマンド
/mcp__github__create-issue
/mcp__github__list-prs
# データベースサーバーからのコマンド
/mcp__database__query
/mcp__database__schema
# Slackサーバーからのコマンド
/mcp__slack__send-message
/mcp__slack__list-channels
MCPサーバーの設定例と接続確認
MCPサーバーを利用するには、まず設定ファイルでサーバーを定義し、接続する必要があります。
設定例
{
"mcpServers": {
"github": {
"command": "npx",
"args": ["@modelcontextprotocol/server-github"]
},
"database": {
"command": "python",
"args": ["-m", "mcp_server_database"]
}
}
}
接続の確認
# 設定されたサーバーの状態を確認
/mcp
# 特定のサーバーに接続
/mcp connect github
実践的な使い方
新規プロジェクトの立ち上げ
# 1. プロジェクトを初期化
/init
# 2. 必要な権限を設定
/permissions add ./src
# 3. モデルを選択
/model claude-3-opus-20240229
# 4. プロジェクト固有の情報をメモリに保存
/memory
効率的なデバッグワークフロー
# 1. 現在の状態を確認
/status
# 2. コードレビューを実行
/review
# 3. 問題があれば会話をクリア
/clear
# 4. 特定の問題にフォーカス
/compact "エラーの解決"
カスタムコマンドを活用した自動化
頻繁に行う作業をカスタムコマンド化:
.claude/commands/daily.md
:
---
description: "Daily development workflow"
bash: |
git pull
npm install
npm run lint
---
Daily setup completed. Please review any lint errors and let me know what to work on today.
使用:
/daily
まとめ
Claude Codeのスラッシュコマンドは、開発作業を大幅に効率化する強力な機能です。ビルトインコマンドを活用し、さらにカスタムコマンドやMCPを組み合わせることで、自分のワークフローに最適化された開発環境を構築できます。
特に以下のポイントを押さえておくと、より効果的にClaude Codeを活用できるでしょう:
-
基本コマンドを習得:
/help
、/clear
、/status
などの基本コマンドから始める -
プロジェクト設定を活用:
/init
と/memory
でプロジェクト固有の設定を管理 - カスタムコマンドで自動化:繰り返し作業をカスタムコマンド化して効率化
- MCPで機能拡張:外部サービスとの連携でさらなる可能性を開く
Claude Codeを使いこなして、より生産的な開発ライフを送りましょう!
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