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n8nの業務導入事例まとめてみた
はじめに
AIワークフローツール「n8n」を使って大幅な効率化を実現した2つの事例を紹介します。
25倍の開発速度向上と月200時間の工数削減を達成した実際の取り組みから、
業務自動化の成功パターンを探ってみました。
事例① アカウントロック解除の自動化(Delivery Hero社)
課題:手動処理による大きな時間ロス
社員のアカウントロック復旧に1件35分の手作業が必要で、月800件発生することで、IT部門が月200時間以上を消費していました。
解決策:承認フローと自動実行の組み合わせ
自動化後の流れ:
- 社員申請 → 専用フォームまたはチャット
- 上長承認 → メール/チャットのワンクリック承認
- 自動実行 → n8nがOkta/Google/Jira APIを順次実行
- 完了通知 → 関係者に自動通知
成果:大幅な時間短縮を実現
項目 | Before | After | 改善効果 |
---|---|---|---|
1件あたり処理時間 | 35分 | 20分 | 43%短縮 |
月間工数削減 | - | 200時間 | 大幅削減 |
事例② 求人データ処理の自動化(Stepstone社)
課題:新規連携の長期開発工数
新しい求人サイト連携に約2週間の開発工数が必要で、複数企業からのデータ形式がバラバラのため、不足項目の手動補完と毎日の定型処理を人手で実行していました。
解決策:データ処理パイプラインの完全自動化
自動化後の処理:
- データ受信 → 複数フォーマット(CSV/JSON)を自動受信
- バリデーション → 必須項目・データ形式の自動チェック
- 変換・統一 → 自社スキーマへの自動マッピング
- AI補完 → 機械学習による欠損項目の自動推測
- システム反映 → 本番環境への自動登録
成果:開発速度の劇的向上
項目 | Before | After | 改善倍率 |
---|---|---|---|
新規連携開発 | 2週間 | 2時間 | 25倍高速化 |
日次処理 | 手動実行 | 自動実行 | 自動化 |
運用規模 | - | 200+ワークフロー | - |
稼働実績 | - | 1年以上 | - |
2つの事例から見える成功パターン
1. 人間とシステムの役割分担の明確化
Delivery Hero社の例:
- 人間が担当:承認判断(ビジネスロジック)
- システムが担当:API実行(定型処理)
Stepstone社の例:
- 人間が担当:ワークフロー設計(2時間)
- システムが担当:データ処理実行(毎日自動)
2. 段階的な自動化アプローチ
小さく始めて段階的に拡大する戦略で、両社とも成功後に関連業務へ横展開しています。
3. 継続運用を前提とした設計
両社とも短期的な効率化ではなく、長期的な運用を見据えた設計:
- 1年以上の稼働実績
- 200+ワークフローへの対応
- 監視・エラーハンドリングの仕組み構築
他分野への応用可能性
この成功パターンは以下のような分野の業務でも応用できると考えています:
1. 承認フロー系業務
経費申請、休暇申請、備品購入など「承認→実行」の流れがある業務
2. データ処理系業務
売上集計、在庫管理、顧客データ統合など定期的なデータ処理業務
3. システム連携系業務
CRM更新、メール配信、アカウント管理などシステム間の連携業務
まとめ
2つの成功事例から見える業務自動化の重要なポイント:
1. 明確なROI(投資対効果)の設定
- Delivery Hero:月200時間削減
- Stepstone:開発工数25倍削減
2. 適切な自動化範囲の設定
人間の判断が必要な部分は残し、定型処理のみを自動化
3. 継続可能な運用設計
1年以上の稼働実績が示す、長期的視点での仕組み作り
ワークフロー自動化は単発的な効率化ではなく、継続的な業務改善の基盤として位置づけることが重要です。
皆さんの業務でも「毎月◯時間かかっている定型作業」があれば、自動化を検討してみてはいかがでしょうか?
参考情報
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