NEC Aterm WG2600HP2をコンバーターモードで使用する

始めに

我が家ではNEC Aterm WG2600HP2とWX5400HPが稼働していますが、ルーターには別途YAMAHA RTX810を使用しているため、Atermはブリッジモードに設定しアクセスポイントとしてのみ使用しています。
WG2600HP2の性能では最近のスマートフォンの通信速度にアクセスポイントとして対応できなくなったため、コンバーターモードとして利用する際の手順を備忘録として残します。

初期化する

今後はルーターやブリッジモードで使う予定がないのであれば、いったん本体を初期化してしまいましょう。

1. WG2600HP2から電源コードを抜きます。
2. モードスイッチを「RT」（ルーターモード）にします。
3. 電源コードを挿すと、全てのランプが緑色に点灯した後、「POWER」ランプのみが緑色に点灯します。
4. 5分程待ちます。
5. 「POWER」ランプが緑色に点灯している事（他のランプは設定に応じて点灯または消灯）を確認します。
6. 先の細いものでリセットボタンを5秒から10秒程度軽く押し続けます。「POWER」ランプが赤色の点滅に変わったらリセットボタンを放します。
7. 電源コードを抜き、10秒以上待ちます。
8. 電源コードを挿して、5分程待ちます。
9. 「POWER」「2.4 GHz」「5 GHz」「TV」ランプが緑色に点灯している事を確認します。WANポートを使用している場合は「ACTIVE」ランプが緑色に点灯します。

初期状態のコンバーターモードで親機に接続させる

初期状態のWG2600HP2をコンバーターモードで親機に接続させるには、WEPボタンを利用するのが簡単です。WG2600HP2のWEPボタンは「らくらくスタート」ボタンです。

WG2600HP2をWi-Fi（無線）中継機にして、弊社製Wi-Fi（無線）親機に接続する手順

初期状態のコンバーターモードで管理画面へ接続する

初期状態のWG2600HP2はコンバーターモードではアクセスポイントとして機能しません。また有線LANはDHCPクライアントとして設定されています。
このためWG2600HP2をLANに接続して管理画面を開くには、「Aterm検索ツール」を使用するか、LAN上のデバイスのIPアドレスとMACアドレスを表示するツールを使い、本体に書かれているMACアドレスを参照して使用中のIPアドレスを確認する必要がありますが、一時的にWG2600HP2をDHCPクライアントではなくDHCPサーバーとして起動する事で簡単に管理画面を表示する事ができます。

1. WG2600HP2から電源コードを抜きます。
2. モードスイッチを「CNV」（コンバーターモード）にします。
3. WG2600HP2のLANポート（1から4のいずれでも構いませんが、WANポートは不可）と設定用PCをLANケーブルで接続します。
4. 設定用PCのLANケーブルを接続しているNICは、DHCPクライアントに設定します。設定用PCの無線LANや使用しないNICを無効にします。
5. 「らくらくスタート」ボタンを押したまま電源コードを挿します。全てのランプが緑色に点灯した後、「POWER」ランプのみが緑色に点灯します。
6. 「CONVERTER」ランプが「緑色に点滅」を開始するまで「らくらくスタート」ボタンを押したまま1分程度待ちます。
7. 「らくらくスタート」ボタンを放して、WG2600HP2内部のDHCPサーバーが有効になるまでさらに90秒程度待ちます。
8. 192.168.1.245にpingコマンドを実行して、応答する事を確認します。
9. Webブラウザーで http://192.168.1.245/ に接続して管理画面を開きます。
10. 装置名（初期状態では『ATERM-[MACアドレス後半の6文字]』）と動作モードが「Wi-Fi デュアルバンド中継(Wi-Fi TVモード中継)」である事を確認します。
11. 固定IPアドレスの設定は、「詳細な項目を表示」をクリックしてから、「親機との接続設定」の「詳細設定」を選び、DHCPクライアント機能をオフにして行います。メンテナンスバージョンアップ機能はオフにし、時刻設定はRTX810のNTPサーバーに問い合わせるようにしました。
12. 「親機との接続設定」の「Wi-Fi接続先設定」で親機を選んで設定します。親機を設定後は速やかにWG2600HP2からLANケーブルを抜きます。さもないとセキュリティソフトが「ARPキャッシュポイズニング」や「ネットワークの重複するIPアドレス」を大量に検出する事になります。

コンバーターモードでは、中継に使用するチャンネルを選ぶ事はできません。
例えば5GHz帯で親機と接続と中継に使用する場合は、中継するチャンネルは親機と同一のチャンネルが使用されます。
5GHz帯で親機と接続し2.4GHz帯でも中継に使用する場合は、2.4GHz帯で使用するチャンネルは自動的に設定されます。

コンバーターモードの動作確認

1. WG2600HP2から電源コードを抜きます。
2. WG2600HP2のLANポートとWANポートから全てLANケーブルを抜きます。
3. 電源コードを挿すと、全てのランプが緑色に点灯した後、「POWER」ランプのみが緑色に点灯します。
4. 3分程待ちます。
5. 「POWER」「2.4 GHz」「5 GHz」「TV」ランプが緑色に、「CONVERTER」ランプが橙色に点灯している事を確認します。「ACTIVE」ランプは親機と2.4GHz帯で接続している時は緑色に点灯、5GHz帯で接続している時は橙色に点灯します。
6. WebブラウザーからWG2600HP2の管理画面が開く事を確認します。
7. WG2600HP2のLANポートに無線LAN非対応機器を接続し、しばらく待ってから機器がLANに接続している事を確認します。

補足：初期状態のブリッジモードで管理画面へ接続する

初期状態のブリッジモードは固定IPアドレスが割り当てられています。

1. WG2600HP2から電源コードを抜きます。
2. モードスイッチを「BR」（ブリッジモード）にします。
3. 電源コードを挿すと、全てのランプが緑色に点灯した後、「POWER」ランプのみが緑色に点灯します。
4. 5分程待ちます。
5. 「POWER」「2.4 GHz」「5 GHz」「TV」ランプが緑色に、「ACTIVE」ランプが橙色に点灯している事を確認します。
6. WG2600HP2のLANポート（1から4のいずれも可）かWANポートにLANケーブルを接続します。
7. Webブラウザーで http://192.168.1.210/ に接続して管理画面を開きます。

終わりに

Aterm同士に限らず中継器にするだけならWPSボタンで設定できてしまうためかWG2600HP2のコンバーターモードについてメーカーが用意している資料が分かりにくく、コンバーターモードの初期状態で管理画面を表示するのに苦労しました。