⏳
時系列解析初心者が始める時系列解析(3)
周期性を見る
スペクトラム(spectrum)
周期性の可視化(検出)
- 周期性とは下記のように表現できる。
y_t = y_{t-p}が成り立つp周期 - つまり、ある時系列データを
の間隔で見ると、同じような形が続いているということ。三角関数のグラフを思い浮かべると良い。p
時系列の(パワー)スペクトル
- 時系列の場合は、自己共分散関数
を利用して、スペクトルの縦軸を用意する。C_k - まず、
の絶対値の和が滑らかに収束していくという条件を設定。C_k - なぜこういったことを設定するのかというと、次に出てくるフーリエ変換を適応するため。
- フーリエ変換の条件:区間的に滑らかで、かつ連続で、かつ絶対可積分であること。
- 絶対可積分:定義域全体において絶対値が積分可能な関数のこと。
-
フーリエ変換:フーリエ級数展開は周期関数にしか適応できない。非周期関数に対してもフーリエ級数展開と同じようなことを実施するための方法。
-
フーリエ級数展開:複雑な周期関数を、三角関数を組み合わせた波の動きとして捉えること。(離散スペクトルというものが出力される。)
\sum_{k=-\infin}^{\infin}{|C_k| < \infin}
-
フーリエ級数展開:複雑な周期関数を、三角関数を組み合わせた波の動きとして捉えること。(離散スペクトルというものが出力される。)
- 下記が
をフーリエ変換したものである。C_k -
は複素数である。i
p(f) = \sum_{k=-\infin}^{\infin}{C_k\exp{(-2\pi{i}kf)}},~~~-\frac{1}{2}≤f≤\frac{1}{2}
-
- これは偶関数である。
- また、コサイン変換をすることで、複素数の計算をしなくてもよくなる。
ピリオドグラム
- 前提として、スペクトルは、母集団の自己共分散関数が把握できた場合に使える。
- 実際はそんなことはなく、持っているデータから自己共分散関数を推定し、それをフーリエ変換する。
が対象となる。\dashrightarrow\hat{C_k} - そこで登場するのがピリオドグラムである。
- 下記は推定した自己共分散関数
のフーリエ変換\hat{C_k}
実際のデータ | |
自己共分散関数 | |
フーリエ変換 | |
ピリオドグラムの性質
- 漸近的に不偏である。(データ数が増えるとスペクトラムの値に近づくということ。)
\lim_{n\rightarrow \infin}E[\hat{p}(f)] = p(f) - 一致推定量ではない。(実際は、データ数が増えても一致することはない。)
\lim_{n\rightarrow \infin}\hat{p}(f) ≠ p(f)
上記2つの条件が成り立つというのは、サンプル数が多くなった場合、平均値は元のスペクトラムに近づくが、平均周りの実際のデータというのは、一致しないということ。
上記性質に対する解決策
ピリオドグラムの平均
- アイデアとしては、すべてのデータ点
を使うのではなく、ラグN を用いて、細切れにして計算し、その平均を取ろうということ。L l = \frac{N}{L} - 結果として、下記のように表すことができるらしく、これは、分散を
に減少させたということになる。つまり、データのばらつきを抑えることができる。\frac{1}{l}
\hat{p_j}=\frac{1}{l}\sum_{k=1}^{l}{p_j^{(k)}}
ピリオドグラムの平滑化
- スペクトラムは比較的滑らかという前提のもと、あるフィルターW(Window)をかけて平均化することで、値の変化をなだらかにしてデータの傾向をわかりやすくすること。
\~{p}_j = \sum_{i=-m}^{m}{W_i\hat{p}_{j-i}} -
は不偏推定量を表す\~{p}_j
Discussion