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ISSUE DRIVEN 読書メモ

2024/02/01に公開

はじめに

悩まない、悩んでいる暇があれば考える
答えが出ると言う前提に立っていなければならない。

常識を捨てる

バリューのある仕事とは何か?
1つ目、イシューの度合い…この問題に対する答えを出す必要性の高さ
2つ目、解の質…イシューに対してどこまで明確に答えを出しているか

イシューの定義

2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
踏み込んではならない「犬の道」
無秩序な、イシューの度合いの低い仕事を積み重ねてもバリューには到達しない
まずはイシューの度合いを高める。
イシュー度の高い仕事に対して、よい仕事をして、よいフィードバックを得ることで「解の質」を学ぶことができる。

時間ベースなのかアウトプットベースなのか

「労働者」と「ワーカー」(ビジネスパーソン、プロフェッショナル)の違い、労働者は時間に対して対価を得るがワーカーはアウトプットに対して評価される。
限界まで働く、労働時間で勝負する、と考えは生産性が高い人からは遠のく
「噛みしめる」ことを大切にしよう
論理だけに寄りかかり、表層的な思考をしてはいけない
意味合いを考え、自ら赴き、得た情報や経験を「自分なりに感じる」
「考えたフリ」ではなく、「深い理解」を得る
一朝一夕で身につくものではない、時間をかけて身につける

イシューを見極める

成り行きまかせややらなくても分かるは生産性を下げる
イシューを明確にしなければ目的意識がブレて多くの無駄が発生する。
相談する相手を持つ

見極めの観点

*実際にインパクトがあるか
*説得力ある形で検証できるか
*想定する受け手にそれを伝えられるか
すべてを1人でやることはお勧めしない、課題領域に対して知見をもつ人に思い切って面談を申し込もう。

仮説を立てる

  1. 設問をイシューに昇華するために仮説を立てる
  2. 必要な情報、分析すべきことがわかる
  3. 解釈が明確になる

仮説を立てることでどの程度調べるべきなのか明確になる
何はともあれ「言葉」にする
イシューと仮説は紙に表現する。最終的に何を言わんとしているのかを落とし込める。言語化することを訓練する。

ポイント

主語と動詞を入れる(曖昧さをなくす)
 WHYよりWHERE,WHAT,HOW(WHYには仮説がない)
 比較表現を入れる
良いイシューの3条件
 本質的な選択肢である
  「なんちゃってイシュー」に惑わされない
  本当に今それに答えを出さなくてはいけないのかを立ち返って考える
  イシューは誰にとってのイシューなのか考える
  
 深い仮説がある
  常識を否定する、一般的な事項を並べて反証できるものがないか考える
  新しい構造で説明する(共通性の発見、関係性の発見、グルーピングの発見、ルールの発見)
 
 答えを出せる
  答えのない問いはイシューにはなり得ない、今本当に答えを出すべき(条件1,2を満たす)かつ答えを出すことができる問題は1%しかない

イシュー特定のための情報収集

ここまでで良いイシューとは、と仮説を立てることの重要性を説明してきた。
仮説やイシューを発見するための情報や手がかりとは何か

コツ① 一次情報(誰のフィルターも通っていない情報)に触れる
コツ② 基本情報をスキャンする

マイケルポーターの「ファイブ・フォース」
  1.業界内部の競争関係
  2.新規参入者
  3.代替品
  4.事業の下流(顧客、買い手)
  5.事業の上流(サプライヤー、供給企業)
  追加する2要素
  6.技術、イノベーション
  7.法則、規制

要素に対して数字、問題意識、フレームワークの観点からブレイクダウンする

コツ③ 集めすぎない、知りすぎない
 集めた情報に対して、実行的な情報には頭打ちがある
 知りすぎることは、新しい知恵が出にくくなってしまう

イシュー特定の5つのアプローチ
 ① 変数を削る(問題のスコープを狭める)
 ② 視覚化する(たまには絵を描く)
 ③ 最終系から辿る(ゴールから逆算する)
 ④ so what を繰り返す(なぜなぜを繰り返す)
 ⑤ 極端な事例を考える(大胆な仮説思考)

仮説ドリヴン①

イシュー分析とは何か
 イシューの構造を明らかにして、サブイシューを洗い出す行為であり、『絵コンテ』づくりと『ストーリーライン』づくりを行う。

イシュー起点でストーリーを組み立てる

イシューを分解すること
  「ダブりなくモレなく」砕くこと、「本質的に意味ある塊で」砕くこと
  イシューを分解する型(WHERE/WHAT/HOW)
  型がないときは逆算する
  分解してそれぞれに仮説を立てる
 
ストーリーラインを組み立てる
  ストーリーラインの役割
   立ち上げ段階…何を検証するためにどのような検証をするのかという目的意識を揃える
   分析・検討段階…仮説の検証がどこまでできているのか明確になる
   まとめの段階…プレゼン資料、論文をまとめる要約のベースとなる

ストーリーラインの2つの型

WHYの並び立て…必要性、優位性、現実性の観点から「WHY」を並べる
空・雨・傘…課題の確認、課題の深掘り、結論でストーリーを組み立てる

仮説ドリヴン②

絵コンテとは何か
 分析イメージ(個々のグラフや図表のイメージ)のデザイン作業
 サブイシュー(ストーリーライン上の仮説)、分析イメージ、分析手法や情報源がまとめられていると良い

軸を整理する
 分析の本質...分析とは比較である、どのような軸で何と何を比較するのか

定量分析の3つの型
 比較...何らかの共通軸で2つ以上の値を比べる
 構成...何を全体として考え、何を抽出した議論をするか
 変化...同じものを前後の時間軸上で比較する
「原因」と「結果」から比較する
 分析において比較する条件が「原因」側で、評価する値が「結果」側である
イメージを具体化する
「意味合い」を表現する...差がある、変化がある、パターンがある、のように対象となる分析イメージを書き入れていく。

方法を明示する
どうやってデータをとるか
知覚の特徴から見た分析の本質
 ①閾値を超えない入力は意味を生まない...
  脳は入力に対し閾値を超えないと入力として認識しない
 ②不連続な差しか認知できない...
  脳は「異質な差分」を強調して情報処理を行う
 ③理解するとは情報をつなぐこと...
  脳神経系では「2つ以上の意味が重なりつながったとき」と「理解したとき」の差がない
 ④情報をつなぎ続けることが記憶にかわる...
  ③を繰り返し使うとつながりが強くなる

アウトプットを生み出すとは

イシューが見え、ストーリーラインができ、絵コンテができればついに走り出す段階だ。
いきなり飛び込まない
 最もバリューのあるサブイシューを見極め、そのための分析を行う。具体的にはカギとなる『前提』と『洞察』の部分になるだろう。
 理想的な実験とは、論理も実験も簡単で、どんな結果が出ても意義のある結論ができるものである

トラブルを捌く
Think ahead of the problem

トラブル① 欲しい数字や証明が出ない

構造化して推定する
  どうやったら欲しい値が出るか、どんな構造に分け、組み合わせれば出せるか、というように考える。フェルミ推定も同様の手法

足で稼ぐ
  実際に場所に赴き、直接調べる

複数のアプローチから推定する
  高さを見れない場合は幅を見る

トラブル② 自分の知識や技では埒があかない

人に聞きまくる、検証方法に拘らない
軽快に答えを出す
回転数とスピードを重視する
 大切なことは「停滞しない」こと
 受け手にとって十分なレベルを理解し、やり過ぎない

メッセージドリヴン

「本質的」「シンプル」に仕上げる

一気に仕上げる。
 イシュー度が高く解の質も高いアウトプットだけが、人の心にインパクトを与え、価値を納得させ、本当に意味のある結果を生み出すことができる。
 *意味のある課題を扱っていることを理解してもらう
 *最終的なメッセージを理解してもらう
 *メッセージに納得して、行動に移してもらう
 複雑さは一切要らない。意識が散るようなモノ、曖昧なモノはすべて排除する。無駄を削ぎ、流れも構造も明確にする。

ストーリーラインを磨き込む
3つの確認プロセス

①論理構造を確認する
 イシューの磨き上げが上手くいっている場合は『WHYの並べ立て』『空・雨・傘』においても、洞察や理由はダブりも漏れもない状態であることを確認する

②流れを磨く
 話の順番やメッセージのメリハリを修正していく。問題が出るチャートは大胆に抜いてしまって良い。

③エレベータテストに備える
 エレベータテストとは20〜30sほどで複雑なプロジェクトの概要を簡潔に説明するというもの
 結論のポイントやロジック、ストーリーが構造的にまとめられているか確認する

チャートを磨き込む

優れたチャートと磨き込みのコツ
 チャートは「メッセージ・タイトル・サポート」の3つの要素からできている。
 ①イシューに沿ったメッセージがある
 ②縦と横の広がりに意味がある
 ③サポートがメッセージを支えている

優れたチャートの3条件
 1.1チャート1メッセージを徹底する
 2.タテとヨコの比較軸を磨く
  軸の選択はフェアに
  順序は意味的に
  軸を統合する
  軸の切り口を見直す
 3.メッセージと分析表現を揃える

Column. コンプリートワークをしよう

プロフェッショナルの世界では『努力』は一切評価されない。結果が生まれてこそである。
すべての仕事は結果がすべてであり、この結果があるレベルの価値に到達しないと、その仕事はいかなる価値ももたず、多くの場合マイナスになる。
「人から褒められること」ではなく、「生み出した結果」そのものが自分を支える。
おわりに 「毎日の小さな成功」からはじめよう
「何らかの問題を本当に解決しなければならない」という局面で、論理だけでなく、それまでの背景や状況を踏まえ、「見極めるべきは何か」を自力で見つけていく。
毎日の仕事の中で「この作業って本当に意味があるのか」と思ったら立ち止まって、「それは本当にイシューなのか?」と問いかけることから始めよう。

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