「情報アクセシビリティ好事例2023」に応募しました
「症状検索エンジン ユビー」を総務省が募集している情報アクセシビリティ好事例2023に応募しました。(募集はすでに締め切っています。)
情報アクセシビリティ好事例2023
「情報アクセシビリティ好事例2023」は、総務省が主導する取り組みで、情報アクセシビリティに配慮したICT機器やサービスを対象とした募集活動です。この取り組みを通じてアクセシブルなICT機器・サービスの普及促進を目的としています。
応募には3つの書類が必要です。
- 情報アクセシビリティ自己評価様式(応募書式1-1及び1-2)
- 「情報アクセシビリティ好事例2023」応募資料
情報アクセシビリティ自己評価様式
情報アクセシビリティ自己評価様式とは、米国で採用されているVPAT (Voluntary Product Accessibility Template)に倣って定められた書式で、製品やサービスがJIS規格(JIS X 8341-3:2016)で定められた技術基準をどの程度満たしているかを公開するための様式です。日本版VPATと呼ばれていたこともありました。
今回応募するに当たり、Ubieでもこの様式に則って評価試験を実施し書類を作成しました。
情報アクセシビリティ自己評価様式 応募書式1-1.xlsx
情報アクセシビリティ自己評価様式 応募書式1-2.xlsx
今回実施した試験結果は次のスプレッドシートにまとまっています。
参考:情報アクセシビリティ自己評価様式 試験結果 ubie.app.xlsx
所感
@magi さんをはじめとした業務委託の方々のご尽力により無事応募を完了することができました。本当にありがとうございました。
特に、具体的な事象について基準を達成しているか否かやどの程度の修正が必要かの判断が難しく、magiさんの助けがなければ応募できていなかったと思います。
応募にあたり試験を実施しましたが、初回実施ではアクセシビリティ達成度が低く応募が難しい状態でした。
一応ガイドラインを作成したり機械チェックを導入したりと対策を講じてはきましたが、それらではカバーできない問題が多くあることを突きつけられました。
今回は業務委託のメンバーを中心としたアクセシビリティ改善チームで改善対応を行いましたが、このような対応はイタチごっこになってしまうので、より根本的な課題解決にむけてプロダクト開発体制の見直しや仕組みの構築に注力していきたいと考えています。
今回の主な対応箇所
改善対応は業務委託メンバーの腹筋ローラーの力を信じろさんを中心にお手伝いいただきました。かなりタイトなスケジュールでしたが、提出までに必要な修正対応が完了できてよかったです。ありがとうございました!
今回特に大きく対応した箇所は次の5点で、全体の修正箇所は合計94箇所でした。
課題管理表
修正した内容の多くは軽微(spanが来るべきところにdivが使われている、タイトルが設定されてない、ラベルがない、など)で、専門知識があまり多くなくても対応できるものでした。これは非常に悔しい結果であり、いかに日々の開発でアクセシビリティやマークアップのことが疎かにされているかが浮き彫りになった結果だと思います。
前述したとおりイタチごっこにならないように改善策を講じていくとともに、今回対応しきれなかった部分(WCAG2.0では問題ないがWCAG2.2では問題になる部分も含む)の対応を進めていきます。
今後の動き
今回の結果を踏まえ、大きく2つのことに取り組んでいきたいと考えています。
デザイナーのアクセシビリティ知識向上
今回の試験で問題になった箇所の多くが、デザイン段階でアクセシビリティやマークアップについての検討がなされていれば問題を回避できたものでした。(h1やラベルがない、コントラスト未達成、など)
まずはプロダクト開発に関わるデザイナーのアクセシビリティ知識向上を図り、できるだけ前段で問題を回避できるようにしていきたいと考えています。
コンポーネントライブラリの浸透
アクセシビリティを達成するための実装をうまくコンポーネントライブラリに組み込み、知識がなくてもルールに則ってコンポーネントを利用するだけでアクセシブルになる仕組みの構築を引き続き目指します。
Discussion
かつてはそう呼ばれていたこともありましたが、現在はそのように読んでいません。現に総務省のページにはそのような呼びは現在はありません。
この資料には「情報アクセシビリティ自己評価様式(通称:日本版VPAT)」と記述があるので、日本版VPATという呼称は一般的なものだと思っていました。とりあえず当該箇所を「呼ばれていたこともありました」という表現に変更しました。
ありがとうございます。
ものすごい細かい話をすると、2023年4月から開始された障害者基本計画(第5次)へのパブリックコメントで「日本版VPATいうな」とWAICからコメントをしたことに由来してます。
ですので、いただいた昨年度の資料にはまだ残っているのだと思います。