大阪・関西万博&シマノ自転車博物館訪問
はじめに
4月にヤマハから大阪・関西万博にMOTOROiD2とELOVEが展示されるというアナウンスがあったのですが、日程的に行くことができず残念な思いをしていたところ、7月にも展示があるということだったので万博見物と、ついでに以前から行ってみたかったシマノ自転車博物館を訪問してきました。
この2台はどちらも企画段階から機構の成立性や制御の実現性を検討して特許出願したものなので、思い入れはひとしおなのですが、東京モーターショー、ジャパンモビリティショーだけでなく、万博にまで出典させていただき、二輪車に興味のない人にも見てもらえたのが非常に感慨深いです。
以下の三つがMOTOROiDとELOVEの基本原理に関する特許です。
特開2006-168548, 特開2007-125917, 特許7366281
大阪・関西万博 MOTOROiD2 & ELOVE
場所は東ゲートから入って大屋根リングを抜けた先にあるロボット&モビリティステーション内で、毎時30分に建屋の横のエリアで走行デモも行われていました。アメリカ館やフランス間の行列の陰に隠れる形になってあまり目立たなかったのが少し残念ですが、それでも多くの人に見ていただいていました。
ELOVEは低速でのふらつき防止に焦点を当ててデモ走行が行われていますが、ELOVEにも静止自立機能がついていて、トラックスタンドと呼ばれるテクニックを制御で実装しているのですが、社外でデモをするにはもう少し洗練が必要かもしれません。
MOTOROiDの基本特許は2004-2005年に出願したものでもう20年以上前の話ですが、このときはシミュレーション検討だけで正直いって実際にモノになるとは思っていなかったので、2017年に東京モーターショーに出てきたときには私も驚きました。この辺の開発秘話もいずれ記事に残したいと思っています。
このあと二日間万博を満喫したのですが、二輪車とは関係ないのでこの辺で。
シマノ自転車博物館
オートバイの歴史を語る上で自転車の歴史は欠かせないため、知識としてはある程度知ってはいるものの実物を見ることができるシマノ自転車博物館にはまだ行ったことがありませんでした。一度行ってみたいとずっと思っていたのですが、今回の万博旅行は絶好の機会だと思い、シマノ自転車博物館の営業日に合わせて日程を立てました。
シマノ自転車博物館は堺市にあり、南海高野線の堺東駅を降りて北へ徒歩5分。大きくて綺麗な建物なのですぐにわかりましたが、綺麗すぎて入り口がどこにあるのか少しわかりづらかったです。

月曜日が定休日なので要注意。開館時間は10:00~16:30です。入場料は500円で内容の割には格安だと思いました。
エントランスホールからゲートを通って中に入るとまずヒストリーシアターがあり、10分ほどの映像で自転車の歴史を簡単に紹介してくれて、2Fの展示の予習ができます。
2Fに上がるとまずAゾーン「自転車のはじまり」では、自転車の進化の歴史が順にずらりと展示されていて、実際に当時使用されていたと思われる自転車が修復・展示されていました。
自転車の始祖であるドライジーネからはじまり、ペダルが付いたミショー型ベロシペード、高速走行を可能にしたオーディナリー、チェーンとギヤによる後輪駆動で安全性と高速走行を両立させたセーフティ自転車、空気入りタイヤの装備と、19世紀のはじめに登場した自転車は約80年の間に基本的な機能が発明されてほぼ現代の自転車の形になっていく様子が時系列的に展示されています。


変速機やリムブレーキ、ドロップハンドルなど現代のロードレーサーの要素が出そろったのが1935年頃、1937年にツールドフランスでも変速機の使用が認められたそうです。

裏手に回るとBゾーン「自転車のひろがり」。シマノがはじめてツールドフランスに参戦した1973年のシマノ・フランドリアや80年代のエアロロード、東京オリンピックに出場した片倉シルクなど近代の自転車がずらりと並びます。また昔懐かしいジュニアスポーツ車や初の電動アシスト自転車ヤマハ・パスなどありとあらゆる自転車が並んでいます。


4Fに上がると自転車の歴史年表があり、その奥には歴代DURA-ACEとDEOREのフルセットが展示されていて、高校生の頃に毎日のようにサイクルスポーツで眺めていた憧れがよみがえりました。

こうして振り返ってみると万博も良かったけれど、シマノ自転車博物館は予想以上にハマってしまいました。もっと時間をかけてじっくり見て、写真も沢山撮れば良かったと少し後悔しています。また機会があれば是非訪問したいと思います。
Discussion