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Snowflakeスクリプトの書き方

2025/12/02に公開

 概要Snowflakeスクリプトの基本的な書き方と実用例を説明します。

SQLは書けるけど、Snowflakeスクリプトは書いたことのない方向けの内容となります。

 説明することSnowflakeスクリプトの全体の構造
DECLAREブロックとBEGINブロックの書き方
カーソルの概要
リザルトセットの概要
FOR文(カーソルベース)の書き方
!例外処理やカーソル、リザルトセットの書き方の詳細は割愛するので、気になる方は公式のドキュメントをご確認ください。とても分かりやすく記載されています。
https://docs.snowflake.com/ja/developer-guide/snowflake-scripting/index

 Snowflakeスクリプトとは複数のSQL文を実行し、変数、条件分岐、ループなどのプログラミング的な処理を記述できる機能です。

SQLだけでは表現が難しい複雑なデータ処理やバッチ更新等を実施したいケースで有用です。
まずは全体像をつかむために、簡単な例を紹介します。

詳しい説明は後のセクションでおこないます。
サンプルコード
-- 売上データから条件に応じて処理する完全な例
DECLARE
    total_sales NUMBER DEFAULT 0;
    high_value_count NUMBER DEFAULT 0;
    cur CURSOR FOR SELECT amount FROM sales WHERE sale_date = CURRENT_DATE();
BEGIN
    FOR record IN cur DO
        total_sales := total_sales + record.amount;
        IF (record.amount > 1000) THEN
            high_value_count := high_value_count + 1;
        END IF;
    END FOR;
    
    RETURN '本日の売上合計: ' || total_sales || '円、高額取引: ' || high_value_count || '件';
END;

 Snowflakeスクリプトの構造スクリプトは大きく3つのブロックで構成されています。

DECLAREブロック: 変数やカーソルを宣言（省略可能）

BEGINブロック: メインの処理を記述（必須）

EXCEPTIONブロック: エラー処理を記述（省略可能）
スクリプト構造
DECLARE
  -- 変数やカーソルなどを宣言
BEGIN
  -- メインとなる処理（SQLやスクリプト）を記載
EXCEPTION
  -- 例外処理を記載
END;
https://docs.snowflake.com/ja/developer-guide/snowflake-scripting/blocks

 DECLAREブロック変数やカーソル、リザルトセット等を使用する場合は、このブロックで宣言します。
変数

変数を使用する前に、宣言をする必要があります。変数の宣言
DECLARE
    update_stmt varchar(2000);          --サンプル1
    profit number(38, 2) DEFAULT 0.0;   --サンプル2
BEGIN
...
https://docs.snowflake.com/ja/developer-guide/snowflake-scripting/variables
カーソル

カーソルを使用することで、BEGINブロックのなかでクエリ結果を1行ずつ取り出して反復処理することができます。

宣言にはクエリが含まれます。カーソルの宣言
DECLARE
    c1 CURSOR FOR SELECT price FROM invoices;                     --サンプル1
    cur CURSOR FOR SELECT col1 from table1 where col2 is null;    --サンプル2
BEGIN
...
https://docs.snowflake.com/ja/developer-guide/snowflake-scripting/cursors
リザルトセット

リザルトセット(RESULTSET)はクエリの結果セットを格納するデータ型です。

カーソルを使用することでリザルトセットを反復処理することができます。リザルトセットの宣言
DECLARE
    res RESULTSET;                                                      --サンプル1
    res RESULTSET DEFAULT (SELECT col1 FROM mytable ORDER BY col1);     --サンプル2
BEGIN
...
https://docs.snowflake.com/ja/developer-guide/snowflake-scripting/resultsets

 BEGINブロックBEGIN と END の間のブロックに、SQLやSnowflakeスクリプトを記述します。
BEGINブロックの例
BEGIN
  CREATE TABLE table1 (id INTEGER, ...);
  UPDATE table2 SET col1 = 'value1' WHERE col2 is not NULL;
END;
カーソル

カーソルはOPENコマンドを使用することで、クエリが実行され結果がカーソルに格納されます。

処理の完了後に、CLOSEコマンドを実行してカーソルを閉じます。
カーソルの使用例
DECLARE      
    cur CURSOR FOR SELECT col1 from table1 where col2 is null;
BEGIN
    OPEN cur;
    -- 処理を記述
    CLOSE cur;
END;
!カーソルは1回のループが完了する度にクエリを実行するため、実行速度は非常に遅いです。

大量のデータの処理には不向きであることに注意してください。
リザルトセット

クエリをリザルトセットに割り当てることで実行することができます。

リザルトセットや変数の代入では、:= を使用します。
リザルトセットの使用例
DECLARE
    res RESULTSET;
BEGIN
    res := (SELECT col1 FROM mytable ORDER BY col1);
END;
動的なSQL文字列を作成し実行する場合は、EXECUTE IMMEDIATEオプションを使用します。
リザルトセット(EXECUTE IMMEDIATE)の使用例
DECLARE
    res RESULTSET;
    col_name varchar(100);
    update_statement varchar(1000);
BEGIN
    col_name := 'col1';
    update_statement := 'update table1 set ' || col_name || ' = 1';
    res := (EXECUTE IMMEDIATE :update_statement);
END;
FORループ

FORループの回数は、ユーザーが直接指定するか、カーソルの行数で指定することができます。
FORループ(回数指定)の使用例
DECLARE
    sum INTEGER DEFAULT 0;
    maximum_count INTEGER default 10;
BEGIN
    FOR i IN 1 TO maximum_count DO
        sum := sum + i;
    END FOR;
    RETURN sum;
END;
FORループ(カーソルベース)の使用例
DECLARE
    update_stmt varchar(2000);
    res RESULTSET;      
    cur CURSOR FOR SELECT col1 from table1 where col2 is null;
BEGIN
    OPEN cur;
    FOR each_row IN cur DO
        update_stmt := 'update table1 set col1 = 1 ' ||
            'where col2 = ' || each_row.col1 || ';'
        res := (EXECUTE IMMEDIATE :update_stmt);
    END FOR;
    CLOSE cur;
END;
https://docs.snowflake.com/ja/developer-guide/snowflake-scripting/loops

 おわりに今回はSnowflakeスクリプトの書き方を紹介しました。

ストアドプロシージャやユーザ定義関数のなかで、SQLだけでは処理が困難なケースで利用する機会が多いのかなと感じました。

今回は基本的な書き方を整理しましたが、例外処理等の紹介を省略した内容についても今後理解していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

概要

説明すること

Snowflakeスクリプトとは

Snowflakeスクリプトの構造

DECLAREブロック

BEGINブロック

おわりに

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