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はじめてのTWSNMP FC

2022/05/15に公開
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はじめに

この記事はTWSNMP FCをインストールして使い始めるまでの説明です。
TWSNMP FCは20年以上前に作ったSNMPv3対応のネットワーク管理ソフト
TWSNMPマネージャを2021年の最新技術でリニューアルしたソフトです。
Windows/Mac OS/Linuxで動作しますが一番オススメの環境はLinux上のDocker環境です。
Docker版の場合は常に最新のバージョンを利用できます。
リリース版は少し遅れて配布しています。
WindowsやMac OSのDocker Desktop環境だとネットワーク環境の問題で
ARP監視やデバイスレポートに制限があります。

Windows版の動画解説

https://youtu.be/tR-Unzsmj_c

Windows版のインスール

Windows版は、Microsoft Storeに公開しています。(v.1.11.0から)

https://www.microsoft.com/store/apps/9NN1DG80K76M

Microsoft Storeから直接インストールできます。

Server OSなどにインストールしたい場合は
Scoopからか、MSI形式のインストラーを利用する方法でインストールして
ください。

Windows版をScoopからインストール

Windows版はScoopのtwsnmp Bucketで公開しています。(v1.25.0から)

Scoopのインストール

Scoopのサイト

https://scoop.sh/

に記載の方法で

>Set-ExecutionPolicy RemoteSigned -Scope CurrentUser
>irm get.scoop.sh | iex

でScoopをPowerShellからインストールします。

TWSNMP FCのインストール

>scoop bucket add twsnmp https://github.com/twsnmp/scoop-bucket
>scoop install twsnmpfc

でインストールできます。
Microsoft StoreやMSIからインストールした場合との違いは、
実行ファイルにPATHが通っていることです。

コマンドラインから

>twsnmpfc.exe -datastore c:\twsnmpfc -local

のように指定して起動できます。起動ツールやセンサーも起動できます。
インストールされるセンサーは

  • twWifiScan.exe: 無線APセンサー
  • twWinlog.exe:Windowsイベントログセンサー
  • twpcap.exe:パケットキャプチャーセンサー

です。これらをコマンドラインから起動できます。

Windows版のアンインストール

Microsoft Storeからインストールした場合は、スタートメニューを
右クリックすると「アンインストール」のメニュー表示されます。

このメニューからアンイストールできます。

インストラーのダウンロード

リリース版はGitHubのリポジトリからダウンロードできます。
最新のリリースは、

https://github.com/twsnmp/twsnmpfc/releases

で公開しています。

ダウンロードしたらHASH値を確認することをオススメします。
Mac OS版はdmgファイル、Windows版はmsiファイル、Linux版はdebファイルのインストラーがあります。
これらは署名してあります。
Windowsのmsiファイルや実行ファイルの署名を検証するためには

https://lhx98.linkclub.jp/twise.co.jp/download/twsnmp.cer

の証明書をインポートしてください。

Mac OS版のインストール

ダウンロードしたtwsnmp.dmgファイルをダブルクリックすれば、

のような使用許諾が表示されます。<同意します>をクリックすれば、

ドラック&ドロップでインストールできます。

Linux版のインストール

DebianまたはUbuntuの場合は、aptコマンドでインストールできます。
Rasiberry Piも同じ方法でできます。
まず、公開鍵をインポートしてください。root権限がsudoで実行してください。

wget -O -  https://lhx98.linkclub.jp/twise.co.jp/download/twsnmp.gpg.key |  apt-key add -

OKと表示されたらインポートできています。

E: gnupg, gnupg2 and gnupg1 do not seem to be installed, but one of them is required for this operation

のようなエラーがでたら、

apt-get update && apt-get install -y gnupg2

を実行してください。
/etc/apt/source.listに

deb https://lhx98.linkclub.jp/twise.co.jp/debian bulleseye main

の行を追加してください。

apt update
apt install twsnmpfc

を実行すればインストールできます。
他のディストリビューションのLinux環境ではzipファイルをダウンロードして
/opt/twsnmpfcなどに解凍してインストールして下さい。

Windows/Mac OS版の起動ツール(GUI)からの起動方法

v1.7.0から起動ツールが付属しています。
Windowsの場合は、「スタート」ー「TWSNMP FC」ー「TWSNMP起動ツール」

をクリックしてください。
Mac OSの場合は、twLaucherを起動してください。

WindowのTWSNMP FCの起動は

のような感じです。(v1.24.0まで)
v1.25.0からは

起動画面は

です。

Mac OSは

です。(v.24.0まで)

v1.25.0からは

起動画面は

です。

どちらのOSでも起動は3ステップです。
(v1.25.0以降はリストの右下の<+>ボタンから起動するプログラムを選択してください。)

  1. データストアのフォルダを選択する

  2. 外部からのアクセスを許可しない場合はローカルをチェック、Windowsでタスクスケジューラーに登録する場合はスケジューラーにチェック

  3. <起動>ボタンをクリック

<起動>ボタンが<停止>ボタンに変われば起動できています。
エラーの場合にはメッセージが表示されます。
センサープログラムもこの起動ツールから起動できます。
必要なパラメータを入力して起動ボタンをクリックするだけです。

https://note.com/twsnmp/n/na5c9749b90a3

Linux/Mac OS/Windowsでのコマンドラインからの起動方法

実行ファイルを解凍したフォルダでデータストア用のフォルダを作成して起動すれば、すぐ使えます。

mkdir datastore
twsnmpfc.app --local

パラメータに--localをつけるとループバックアドレスのポートだけをオープンして起動します。
起動後にブラウザーの画面も自動で表示します。
--localを付けないと他のパソコンからもアクセス可能な状態になるので注意してください。

起動のパラメータは、

% ./twsnmpfc.app -h
Usage of ./twsnmpfc.app:
 -cpuprofile file
   	write cpu profile to file
 -datastore string
   	Path to Data Store directory (default "./datastore")
 -host string
   	Host Name for TLS Cert
 -ip string
   	IP Address for TLS Cert
 -local
   	Local only
 -memprofile file
   	write memory profile to file
 -password string
   	Master Password (default "twsnmpfc!")
 -ping string
   	ping mode icmp or udp
 -port string
   	port (default "8080")
 -restore string
   	Restore DB file name
 -tls
   	Use TLS

です。

Windowsの場合はデフォルトで

C:\Program Files\TWSNMP FC\twsnmpfc.exe

にインストールされます。PATHなどを設定するかフルパスでコマンドを実行してください。
Linuxでパッケージからインストールした場合は、

/opt/twsnmpfc

にインストールされます。

-cpuprofile と-memprofile はデバック用なので開発しない人は気にしないでください。
-datastoreはデータを保存するディレクトリです。デフォルは"./datastore"です。
-host と-ip はブラウザーからの接続をhttps(暗号化)にするためのサーバー証明書を作るための情報です。わからない場合は気にしないでください。

-localはTWSNMP FCを起動したパソコンからだけアクセス可能にしてブラウザーも自動で起動してくれます。
-passwordはTWSNMP FC内部で使用しているマスターキーのようなものです。同じ設定だと危ないので他のパソコンからもアクセスできるようにする場合は変えてください。
-portはブラウザーからアクセスするポート番号です。デフォルト "8080"です。
-tlsはhttpsでアクセスできるようにするための設定です。
サーバー証明書が必要ですなければ自動生成します。
-pingはPINGのモードを指定します。icmpかudpを指定できます。
Dockerも含めてLinux環境でpingのモードをudpを指定した場合、
以下のコマンドを実行しないとPINGが機能しません。
v1.5.0以降のバージョンはデフォルトでpingモードをicmpです。

sudo sysctl -w net.ipv4.ping_group_range="0 65535"

Docker環境での起動方法

Docker環境では実行ファイルをダウンロードする必要はありません。Docker Hubで公開しています。

https://hub.docker.com/repository/docker/twsnmp/twsnmpfc

Linux環境でpingモードをudpで利用する時は、少し前に書いたPINGのための設定を実行しておいてください。

以下のコマンドでTWSNMP FCを起動できます。

docker  volume create twsnmpfc 
docker  run --rm -d --net host -v twsnmpfc:/datastore twsnmp/twsnmpfc

WindowsやMac OSのデスクトップ版Docker環境の場合は、

docker  volume create twsnmpfc 
docker  run  --rm -d --sysctl net.ipv4.ping_group_range="0 65535" -p 8080:8080 -v twsnmpfc:/datastore  twsnmp/twsnmpfc

のように起動します。この場合、ARP監視やデバイスレポートの動作に制限があります。

--sysctl net.ipv4.ping_group_range="0 65535"

はPINGをUDPモードにした時だけ必要です。

ブラウザーからアクセス

起動できたらブラウザーから

http://<TWSNMP FCのIP>:8080/
※8080はデフォルトのポート番号、変更した場合は合わせてください。

にアクセスすると

のような画面が表示されるはずです。

ログイン

<ログイン>ボタンをクリックすれば

の画面が表示されます。

ユーザーID、パスワードの初期値は、

ユーザーID:twsnmp
パスワード:twsnmp

です。ログインしたら空のマップが表示されます。

マップ設定

「システム設定」ー「マップ」メニューからマップ設定をクリックします。

マップ名、ユーザーID、パスワードを変更してください。
その他マップ名などの必要な項目を変更してください。

自動発見

マップ設定ができたら「自動発見」メニューから自動発見画面

で管理したいネットワークのIPアドレス範囲を指定して<開始>ボタンを
クリックしてください。

※アクティブモードで自動発見を実施するとパソコンにインストールしたセキュリティーソフトなどがポートスキャンを検知したという警告を表示する場合があるので検索する範囲は十分注意してください。

完了すればマップ上にノードが表示されます。

マップ上のアイコンをドラッグすれば移動できます。複数選択しての移動もできます。SHITキーを押しながら2つのノードを選択すればラインの接続もできます。自分の好みに合わせてマップを編集してみてください。

センサープログラムについて

Windows,Mac OS,Linuxのパッケージからインストールすると各種センサープログラムもインストールされます。

センサープログラムの説明は

https://zenn.dev/twsnmp/books/twsnmpfc-manual/viewer/sensors

をみてください。

GitHubで編集を提案

Discussion

mitu15mitu15

はじめまして、TWSNMP FCを利用させていただいております。
ネットワーク機器の死活監視に大いに役立っております、ありがとうございます。

ポーリング設定について質問よろしいでしょうか。
ping監視でリトライ回数を設定した場合、1回目のpingがタイムアウトしたら即座にリトライされるのでしょうか。
また2回目、3回目…も設定している場合も、直前リトライがタイムアウトしたら即座に実行されるのでしょうか。
教えていただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

twsnmptwsnmp

タイムアウトしてからリトライです。
即座の意味がタイムアウトの設定値、ピッタリということであれば、ちょと遅れることがあります。
タイムアウトのチェックは500mSec間隔なので、最大0.5秒遅れるという意味です。

mitu15mitu15

早速のご返信ありがとうございます。
タイムアウト後にリトライされるとのこと、承知いたしました。

重ねての質問恐縮ですが、例えば60秒間隔でping監視で、3回(180秒)応答がなかった場合に障害と判断させることは可能でしょうか。
タイムアウト後にリトライされるとのことなので、リトライ機能では実現は難しいのかなと考えております。
よろしくお願いいたします。

twsnmptwsnmp

今のバージョンではできないですが、
60秒のタイムアウトを設定可能にすればよいのかと思います。

mitu15mitu15

ご返信ありがとうございます。
タイムアウトを数値右の▲クリックで60秒に設定してみました、この方法で試してみたいと思います。
(初め、数値を直接入力しても10秒に戻ってしまうので、10秒以上は無理なのだと思っていました……)
ご教示いただき、ありがとうございました。

twsnmptwsnmp

数値右の▲クリックで60秒に設定

は私も知らなかったです。裏技ですね。

mitu15mitu15

度々申し訳ありません(ご報告です)。
こちらの環境の問題かもしれませんが(Windowsで使用)、ポーリング設定から各ノードでタイムアウトを60秒に設定保存しても、再ログインすると10秒に戻ってしまうようです。
そのためしばらくは60秒間隔、リトライ5回、タイムアウト10秒で60秒応答がなかった場合に障害と判断する運用にしたいと思います。

大きな問題ではありませんので、今後の更新の折にご確認・ご検討いただけますと幸いです。
よろしくお願いいたします。

twsnmptwsnmp

ありがとうございます。
次のバージョンでタイムアウト、リトライの上限を大きくします。