シネマティック動画作成 3回目 シーケンサー
1.概要
第3回目となり、いよいよ映像制作の根本であるシーケンサーの作成に取り掛かります。
ここでは映像制作において使用したカメラカット機能、並びにポストプロセスについて紹介します。
2. 映像作成
2.1.シーケンサーの設定
UE4で動画を作成する機能としてシーケンサーの機能があります。
シーケンサーはUE4,5においてシネマティック映像を作成することが可能な機能です。
動画全体を管理するマスターシーケンサーと、各カットシーンを管理するレベルシーケンサーの二つがあります。
レベルシーケンサー
主にレベルに配置してシネマティック動画の編集を行うシーケンサーです。
使用方法は以下の通りです。
四角で囲んだボタンを押すとシーケンスを追加、選択するプルダウンが表示されます
その後、保存先を指定するウィンドウが表示されるので保存箇所を選択して保存ボタンをクリックしてください
保存後はエディタ下部にシーケンサーエディタが表示されます。
シーケンサーへの基本的な配置手順は以下の通りです
マスターシーケンサー
基本的にはレベルシーケンサーと同じ機能ですが、レベルシーケンサーを内包出来るシーケンサーです。
使用方法は以下の通りです。
レベルシーケンサー同じく四角で囲んだボタンを押すとシーケンスを追加、選択するプルダウンが表示されます
マスターシーケンサーのエディタはカメラカットやカットシーンの切り替え機能などより映像制作に特化した機能が追加されます。
シーン切り替えに用いるフェードの設定についてはマスターシーケンサーにて実施しています。
トラックをクリックし、フェードを選択するとフェードトラックが追加されます。
2.2. カメラ設定
シーケンサーでは撮影用のカメラとしてCine Camera Actorを使用します。
Cine CameraActor
UE5においてシネマティックなコンテンツを作成するためのカメラとして用いられます。
CIneCamera Actorは現実世界のカメラの動作に非常によく似ており、リアルなシーンの作成を行うことが出来ます。
カメラ設定方法
アクタを配置よりCineカメラアクタを選択し、ドラッグ&ドロップでレベルへ配置します
撮影補助機能について
シーケンサーで撮影を行う際に使用できる機能です。
Camera Rig Clane
カメラを取り付けて撮影カットをコントロールするためのクレーンです。
プロパティではクレーンの長さや上下左右の角度を変更することが出来ます。
CamRig Rig Rail
カメラリグレールはカメラやクレーンを載せて移動制御を行う機能です。
プロパティではレールのポジションなどを調整できます
2.3.ポストプロセスエフェクト
ポストプロセスエフェクトとはシーン全体に適用するエフェクトの事を指します。カラーの変更や露出補正の調整、ブルームなどを組み合わせることでシーンの雰囲気を変えることが出来ます。
今回の映像制作においてはカメラについているポストプロセス機能を使用しています。
ポストプロセス機能設定
Cine Camera Actorの詳細内にポストプロセス機能が存在します。
今回は主にExposureを使用します。
Exposureの設定を以下のように変更します。
ポストプロセスの設定が完了すると動画は以下のように変化します。
未調整時の映像
調整後の映像
全体の明るさが変化していることが分かります
2.4.動画の出力方法
シーケンサーを動画として出力するためにはプラグインの設定が必要となります。
今回の映像制作ではムービーレンダーキューを使用して動画のレンダリング、エクスポートを実施しています。
また、出力形式としてApleのmov形式での出力を行います。
この出力形式においても別途プラグインを使用します。
プラグイン設定
プラグインよりムービーレンダーキューを選択します
続いてプラグインよりApple Pro Res を選択します。
選択後、再起動を行います。
再起動後マスターシーケンサーを選択し下記の画像のボタンを押します。
クリックすると下のウィンドウが表示されます。
設定のUnsaved Configをクリックしてください
レンダーコーディング用の設定が表示されます
設定をクリックし、Apple ProRes[10-12ビット]を選択してください
選択するとAppleProResのエンコードが追加されます。
jpgシーケンスについては左のトグルボタンを押して機能を切ってください。
設定終了後、出力をクリックしてください
クリックすると出力先ディレクトリや解像度について設定を行うプロパティが表示されます。
ここではOutput Directoryを変更したいディレクトリに設定してください。
設定終了後、承諾を押してウィンドウを閉じます。
レンダリング(ローカル)を押し、シーケンサーのエンコードを開始します。
3.結果
エンコードされた映像は.movファイルとして出力されます。
このファイルについては映像編集ソフトで開いてください
映像編集ソフトで別途mp4変換して最終的にエクスポートしたものが以下となります
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