シネマティック動画作成 第2回 ライティング設定
1.概要
レベルデザインが完了した後はライティングの設定に移ります。
ホラー映像はライティングの効果でレベルの表現が大きく変わります。
今回は映像制作の過程において使用したライトと実際の使用例をご紹介します。
2.ライティング設定
1.DirectionalLightの設定
DirectionalLightとは1方向の光でレベル全体を照らすライトです。
主に太陽や月の光を実装するのに用いられます。
今回の映像作品においては間接光を取り入れるために使用しました。
実装方法
アクターを配置よりDirectionalLightを選択し、ビューポートに配置します。
ライトを配置すると直接光が窓枠より入っていることが分かります。
しかしこのライトの設定のままでは間接光が設定されていないため部屋の中が暗い状態となります。
DirectionalLightのIndirect Lighting Insensity設定を変更します
これにより部屋内に間接光が入り込むようになり、うっすらと明るくなります
2.Sky Atomosphereの設定
続いて間接光を環境に適用させるため、SkyAtmosphereを配置します
SkyAtomosphereとは物理ベースで空と大気をレンダリングするシステムです。
実装方法
アクターを配置よりDirectionalLightを選択し、ビューポートに配置します。
Sky_Atmosphereの設定としては以下の画像のように設定します
ミー散乱の拡散スケールを上げることで晴れから曇り空の様な空に変更することが出来ます。
3. SkyLightの設定
続いてSkyLightを設定します。
SkyLightとはレベルの一番遠い部分をキャプチャし、それをライトとしてシーンに適用するシステムです。
今回の映像作品では室内のライティングにおいて薄暗い表現を行うために配置しています。
実装方法
アクターを配置よりSkyLightをレベルへ配置します。
配置したSkyLightの設定は以下のように設定します
4. Exponential Height Fogの設定
続いてExponential Height Fogを設定します。
Exponential Height Fogとはマップの高低、距離に対し指数関数的にフォグの濃度が変わるフォグシステムの事です。
映像作品においては窓の外を霧かかった表現に用いています。
実装方法
アクターを配置よりExponential Height Fogをレベルへ配置します。
Exponential Height Fogの項目を以下のように変更します。
5.点滅するPointLight
ポイントライトは1点から全方向へ放射状に光が広がるライトの事を指します。
作中ではブループリントで点滅するライトを作るために使用しています。
点滅するライトを作るためにActorを作成します。Actorの名称はFlickingLightとします。
ブループリントは以下の通りです
タイムラインを使い、フレームごとにライトの光量を変化させて点滅を表現しています。
6. SpotLight
スポットライトは1点からコーン上に光を放出するライトシステムです。
この作品においてはカメラに連動させるライトとして使用しています。
四角で囲んだ箇所のスポットライトの設定を変更します。
スポットライト設置前と設置後は以下のように変化します。
設定前
設定後
作成時のタイムラプス動画です
3. 結果一覧
ライティングを調整した結果は以下になります
廊下のシーン
部屋のシーン
地下通路のシーン
Discussion