オリジナルのECUを開発する(ハード)
Turing株式会社のアドベントカレンダー6日目です!
今回は、昨日に続き車両開発チームから中村がお贈りします。
私は、車両開発チームで電気設計を担当していて、主に電気回路設計を担当しています。前職までも電気回路設計やプロジェクトリーダー、組込みソフトウェア設計、ITシステム系など多岐にわたる業務に携わってきています。
今年8月からは、縁あって Turing株式会社 にて回路設計の日々を過ごしています。
回路設計って・・・
回路設計って私には普通のことなのですが、『なじみがない!』と言われます。
まぁ、そうですよね・・・
PCなど自作する方はみられていると思いますが、基板といわれる一般的に緑色の板に部品がたくさん載った「アレ」を作る仕事です。
電圧と電流や通信スピード・機能など様々な点を考慮して、使う部品の選定など行い、安定して動かすための計算などを行い、部品の配置と部品同士をつなぐ線を描きます。簡単に言うとお絵描きです。
お絵描きなんですが、いろいろと専門知識が必要になるので、そう簡単には終わりません・・・
部品の配置と接続したものが回路図と言われるものです。
基板を作るための元になるのが、この回路図で、回路図に不備があると出来上がった基板はちゃんと動いてくれません。なので、計算やら仕様書確認などを行って仕上げていきます。
また、動かすだけであれば簡単ですが、製品化するとなるといろいろとやらなきゃいけないことがあります。それは法規への対応です。
製品化して売り物にするには、静電気や放射ノイズなど法規で定められた基準を満足する必要があり、その対応もいれなければ、世の中に出した後に誤動作したり、不具合になったりと大変なことになります。そのため、試作して試験して修正して、また試作して・・・と何度か繰り返して、やっと世の中に出ていくことになるのです。
ちなみに、私が携わった製品には、あんなのやこんなのがありますが、具体的な製品名は秘密です(^^)
有名な製品なので、Turingに入社後は、社員の方々がお世話になった製品ということで『みんなのおとーさん』と言われています。
ソフトがなければ、ただの箱
最近、あまり耳にしなくなりましたが、回路設計・製品設計をしていてると耳にするワードです。最近は、ソフトウェアの比重が高くなってきているので、特にそう思います。回路や製品があってもソフトウェアがないと『ただの箱」です。電気をいれても動きません。
なので、回路設計の際には、ソフト側の方々と会話し、そのうえで回路設計するのが重要になってきます。私自身、組込みソフト担当だったこともあり、ICのピン・ポートへの信号の割り付け時には、信号の機能的意味や(ソフト側からみた)アクセスのしやすさなど考慮して回路設計しています。
まぁ、私が担当していたのは8bitマイコンが主で、後に32bitマイコンまで触っていましたが、最近のマイコンやMPUの性能からすると、そこまで気にする必要はなくなっているのかとも思います。ただ、その分、最近の仕様書が数百から数千ページを見た瞬間に、気が遠くなりますが。
最初のオリジナル基板
私がTuringに在籍してから作った基板が、こちらです。
ソフトウェア開発用のボードです。
回路図は私が作成し、基板製造ベンダーに、パターン設計と製造および部品の実装を依頼して作り上げたものです。この時は、A4サイズのシート5枚程度の回路規模(回路図)でした。
これからは・・・
いま、オリジナルのECU開発というところで、絶賛、回路設計中で、まもなく初版の回路図が出来上がるという段階まで、あと一歩!!というところです。
今回の回路規模は非常に大きくて、A3サイズのシート65枚くらいです。当然チェックして、パターン設計に入ってもらうのですが、最初の納品された基板が動いたらスゴイことです!
いや、動いてもらわないと困るのですが(^^;
回路設計が終わり、基板製造の段階にはいったら、今度は基板と基板をつなぐためのハーネス設計にはいります。その話は、また別の機会にでも・・・・
というところで、後続の記事にバトンタッチとしましょうかね!
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