リーダーとマネージャー(Rebuild.fm ep123の感想)
Rebuild.fm の ep123(8:51〜)で、サーバントリーダーについての話があり、個人的にすごく興味深い内容だったので、感想として自分なりの考えを整理して残しておきたいと思います。
なお、本エントリーでは「サーバントリーダー」の厳密な定義やその是非などには特に触れません。というか私自身が正しく理解できていないので触れられません😅
あくまでRebuildでの話をきっかけに私なりに「リーダー」と「マネージャー」について考えた内容をまとめているだけですので、あらかじめご了承ください。
内容
Rebuild内で話されていた内容は、要約するとおおよそ以下のようなものでした。
- 昨今、「サーバントリーダー」と呼ばれるリーダーシップが注目されている
- 簡単に言うと、チームメンバーが各自の仕事に集中できるように「雑用」を引き受けてチームを支援するようなリーダーシップのこと
- でも本来のリーダーの役割ってビジョンを示してチームメンバーを牽引することなはず
- 雑用をこなすというのは目の前に分かりやすい問題があるのでビジョンを示すことよりも簡単だし、しかも「仕事した感」が得られるので、ついついそっちに流れてしまいがち
- でもサーバントリーダーという立場であっても、「ビジョンを示す」ということはやるべき
- サーバント型を否定するつもりはないが、盲目的にサーバント型を追求してしまうと、「ビジョンを示す」というリーダー本来の役割を忘れてしまいがちなので、注意が必要
- ていうか「サーバントリーダー」って名前が悪いよね、これ「リーダー」じゃなくて「マネージャー」だよね
感想
1. リーダーとマネージャーは別の役割
番組内でも言及されていましたが、「リーダー」と「マネージャー」は言葉のとおり全く別の役割だと思います。
- リーダー :チームを牽引する(=チームを方向付けて推進力を維持する)人
- マネージャー :チームを管理する(=チームのパフォーマンスを最大化させる)人
Rebuild内で「サーバントリーダー」と呼んでいた役割は、要するにこの 「マネージャー」の一形態 ではないかと思います。
チームのパフォーマンスを最大化させるための方法の一つとして、自分が雑用を巻き取ってチームメンバーが本業に集中できる環境を作るということですよね。
一方で「リーダー」は、チームを方向付けるために高い視座からのビジョンを示したり、士気を上げて推進力を維持するために圧倒的な専門性(エンジニアなら技術力)でカリスマ性を示したりという方法を採るのだと思います。
チームにリーダーは絶対に必要ですが、マネージャーは(小さいチームなどでは特に)いなくても何とかなるというケースもあると思います。ただ、チームの規模が大きくなれば、(人間は機械ではないので)マネージしないと上手く行かないことが増えてくるのは必然かと思います。
2. マネージャーは雑用に徹するでも別に良い
番組内では「サーバントリーダーという立場であっても『ビジョンを示す』ことはやるべきだと思う」というお話がありましたが、これはリーダーとマネージャー(サーバント)を兼任している場合は、という条件付きの話かなと思います。
マネージャーとリーダーが同一人物である必要はないので、別途「リーダー」がいる場合は、マネージャーにビジョンは必ずしも求められないと思います。
「ビジョンが求められない」というのは、「自らがビジョンを示す」というリーダーシップが必要ないという意味であり、「示されたビジョンを理解し体現する」というフォロワーシップはマネージャーも含めたすべてのメンバーに当然必要だと思います。
マネージャーの仕事はチームのパフォーマンスを最大化させることです。簡単に言うと、 自分一人分の工数を使って、チーム全体のパフォーマンスをそれ以上に向上させること が出来れば、マネージャーとしては最低限の成功ということです。
「とにかく雑用に徹する」ことでそれが成し遂げられるなら、何も否定する余地はないでしょう。
マネージャーとしての仕事の評価は、単純にチームの成果で決まります(これはリーダーも然り)。
どんなに頑張って雑用をこなしても、結果としてチームの成果が上がらなければ全く評価に値しないわけです。
マネージャーとして成果を上げるために、「リーダー」的なこと(=ビジョンを示すこと)もやった方が良ければやればいいし、必要なければやらなくてもいいし、という単純な話ではないかと思います。
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