1ヶ月に4回登壇して学んだ。LTテーマの決め方や登壇するメリット。
今回は、私がここ1ヶ月で4回LTなどの登壇をして得た気づきや失敗、LTに向けてやっていることをまとめてみました。
「LTってすごい人が出るんでしょ。自分なんか...」と思っている方の背中を少しでも押せるような内容となっています。
初心者でも出れるLTはたくさんあります。「いつかはやってみたい」と思っている方、ぜひこの内容を参考にしていただければ嬉しいです。
1. はじめに:なぜ登壇しようと思ったのか
きっかけは組織内で「積極的にLTとか参加していこう!」という流れから自分もやってみようと思いました。
また、自分のキャリアのことも考えた時に外部発信は大事だとも感じており、挑戦しました。
最初は緊張もありましたが、「えいや!」で一歩を踏み出しました。結果として、この決断が自己成長の大きな契機となりました。
2. 各回の概要
6/6: 【LT大会#7】LLMの活用・機械学習・データ分析関係のいろいろな話題にふれよう【登壇者も募集】
- 登壇内容: 「Hugging Faceを使いこなして ローカルLLMを推論する」
- 申し込み: 303人
- 時間: 10分
これが最初のLT登壇です。AI(ローカルLLM)を触る上で欠かせないHugging Faceを使って、ローカルLLMを使う方法を解説しました。
生成AI・LLM関連であればテーマは自由であったため、なるべく被ることのなさそう&自分が今後習得したい知識ということでこのテーマを選びました。
6/7: (Unofficial)Go Conference 2024 Pre Party
- 登壇内容: 「gRPCとConnect」
- 申し込み: 42人
- 時間: 5分
自社サービスでgRPCとConnectを使っていますが、他社でConnectを使っている事例を見かけることが少なかったため、自分が発信することで少しでも有益になるかと思いこのテーマで発表しました。
初めてのオフラインで、聴いている人たちの顔が見える中でのLTは新鮮でした。
6/26: 書籍「Amazon Bedrock 生成AIアプリ開発入門」出版イベント
- 登壇内容: 「Bedrockのモデル評価」
- 申し込み: 215人
- 時間: 5分
Bedrockの書籍販売イベントでしたが、Bedrockのモデル評価はまだ少し使いずらいよね...という少しマイナスな側面も含めてLTをしました。
Bedrock(というか生成AI関連全て)は情報の流れが早く、とにかくキャッチアップが大変です。LTを通して、この分野は押さえておきたいという観点でテーマを選びました。
7/10: ノーコード・ローコードLLMアプリ開発ツールの実際!Difyなど4つのツールの概要とディスカッション
- 登壇内容: 「Dify|基礎から最新アップデートまでをサラッと紹介」
- 申し込み: 610人
- 時間: 10分
DifyについてLTをした後に、40分程度のパネルディスカッションをしました。私はパネラーとして参加するのは初めてで、開始前は緊張しました。
参加者から自由に質問も受け付ける方式だったため、どんな質問が来ても良いようにドキュメントの結構深いところまで読んで準備をしていました。
3. 登壇することで得られる学び
登壇したことによって「身をもって学びになった」と思う項目を3つ紹介します。
a. 深い知識の獲得:細部まで調べることの重要性
登壇に限りませんが、外部へ発信するときはそのテーマに関しての知識をある程度掘り下げて正しい情報を発信するように努める必要があります。(私の発表も間違っている&浅いところもあるかもしれません。)
「動くからこれでいいや」で実装すれば良いところもありますが、掘り下げてドキュメントを読み込むことで得られる気づきが必ずあります。
私は初回のHugging FaceのLTをした時に、なんとなく「Hugging Faceで動かせるモデルとそうでないモデルがあるなー」くらいでいたものが、「このモデルはこのサイズだから動かせない」「プランを1つ上げたら動かすことができる」と明確に動かない理由を説明できるようになりました。
b. 苦手意識の克服:アウトプットによる自信の獲得
アウトプットは自信につながります。
何となくこれ苦手だな...と思って避けていた技術も、アウトプットを出すことで苦手が克服できると思っています。
苦手意識の原因の大半は"よく知らない"です。
人に説明できるくらい詳しくなって登壇することで、絶対に自分の力になります。
「これみんな知ってるから発表してもな...」と思っていても、過去の自分と同じく苦手意識を持っている人がきっといるはずです。その人の助けになるようにアウトプットを出すことをオススメします。
c. ネットワーキング: 登壇したことで繋がれる
直接的な学びではありませんが、イベントの主催者・LT登壇者同士など、LTに出たことで交流する人が増えました。
また、LT参加後にDMで声をかけていただいて仲良くなった方もおり、自分が知らない知識を持った多くの人と繋がりました。
4. LTテーマの決め方
登壇テーマは多種多様ですが、大きく次の5つをよく見かけます。
a. 何かを「作ってみた」系
- 自作ライブラリの紹介
- 個人開発したサービスのアーキテクチャ解説
- ...etc
b. 自社の技術の紹介
- 自社で採用しているアーキテクチャ
- プロダクトで使っているライブラリ、言語の紹介
- ...etc
c. 技術解説
- ライブラリや特定のサービスの使い方
- 公式ドキュメントの解説
- ...etc
d. 「つらみ」系
- 開発・運用時に辛かったことの共有
- 技術負債を解消した事例
- ...etc
e. チームビルディング・マネジメント
- プロジェクトの進め方
- 組織マネジメント
- ...etc
私は今のところb,cをメインに登壇しており、なるべく「学びたいが、今苦手意識がある」ことをテーマとしています。
「キャッチアップが必要だけど、どうしても後回しにしてしまう」というものがあるので、そこをLT駆動で深掘りすることを心がけています。
5. LT参加の心得
最初は気にせず登壇しましたが、今になって「これは必要だ」ということを2つ紹介します。
a. 5~10回は練習する
LTはどうしても資料を作って安心してしまうところがありますが、本番は1回、一瞬です。
場慣れしている人はそんなに練習する必要はないかもしれませんが、経験が少ない方は必ず練習しておきましょう。LTの時間が5分か10分かで話す内容、端折る内容が変わってきます。
10分といっても意外と時間は短いので、自分の標準スピードで話すとどれくらいの時間がかかるのかを知っておくことは大切です。
また、スライドは箇条書きなど大事な箇所しか掲載しないことが多いので、それらを話す時に自然に繋ぐことができるように練習するといいでしょう。
b. 資料は事前にレビューをもらう
発表内容を見てもらうのが一番ですが、組織の一員として登壇する場合は事前に資料をレビューしてもらうことが大切です。すでにレビュー体制ができているチームは問題ありませんが、後から問題にならないように念の為レビューをもらうことをお勧めします。
自分ではわかっていても、他人がみると全くわからないということもあるので、気をつけましょう。
6. 私が次に目指す場所
「4.LTテーマの決め方」の中で、私はまだ「b.自社の技術の紹介」,「c.技術解説」しか登壇ができていません。
比較的ハードルが低いジャンルのため、個人的には少し物足りない内容となっています。
今後は「a.何かを「作ってみた」系」や「b.自社の技術の紹介」など経験に基づいた内容で、より深い知識をアウトプットしていきたいと思っています。
7. さいごに: 登壇のすすめ
約1ヶ月で4回の登壇を経験し、登壇することの価値を強く認識しました。
この記事を通じて、皆さんにもその魅力が伝わっていれば嬉しいです。
登壇は、特別な人だけのものではなく、成長したい人や自分の限界を押し広げたい人にこそ、挑戦してほしい機会だと考えています。
私が特に印象に残っているのは、自分が苦手だと思っていた分野について発表準備をする中で、その技術への理解が飛躍的に深まったことです。「人に説明する」という目標があることで、学習の質が大きく向上しました。
また、質疑応答での予期せぬ質問が、新たな学びの機会を提供してくれました。
今後も私自身、より挑戦的なテーマや大きな舞台での登壇を目指していきます。
「LT出ようかな...」と思っている方、ぜひ「えいや!」でまずは出てみてはいかがでしょうか。
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