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Shopifyで“体験”を売るには?無形商材3タイプの基本と設計の違い

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Shopifyで“体験”を売るには?無形商材3タイプの基本と設計の違い

こんにちは、株式会社Tsuzucle SPRING開発事業部の神田です。
Shopifyを使って物販ビジネスを展開している方の中には、「予約制のサービスを販売したい」「イベントのチケットをオンラインで販売したい」「デジタルコンテンツをダウンロード販売したい」といった、“体験型”や“無形商材”の販売ニーズを感じたことがある方も多いのではないでしょうか。

実際、Shopifyにはこうしたサービス販売に対応できる柔軟性がありますが、標準機能だけでは対応しきれない場面も多く、「どう設計すればいいかわからない」「アプリの選び方に悩む」といった声も多いのが実情です。

本記事では、そのようなお悩みを抱える方に向けて、Shopifyで“体験”を販売するための基本的な考え方と、3つの主要パターン(来店予約型/イベント型チケット販売/オンデマンド型デジタル商品)に分類し、それぞれに適した設計ポイントやアプリ構成を具体的にご紹介していきます。

また、なぜあえてShopifyを選ぶのかという視点や、物販や情報発信との一体化によって得られるメリットについても触れていきますので、「Shopifyをサービス販売にも活用したい」「物販と組み合わせたCX向上を図りたい」という方は、ぜひ参考にしてみてください。


はじめに:体験商材の販売が増えている背景

予約制サービスやオンライン講座、イベントチケット、デジタル商品など、「日時」が関わる無形商材をShopify上で販売するニーズが急速に拡大しています。

  • サロンジムの予約
  • オンラインレッスンセミナー
  • 展示会イベントの入場チケット
  • 動画・PDF・音源などのデジタル配信

こうした商材は、一般的な「物販」とは運用や設計の考え方が異なります。


なぜShopifyで“体験”を売るのか?

体験型商材(無形商材)を販売できるプラットフォームは多数存在しますが、あえてShopifyを使う理由として以下のような点が挙げられます。

  • 物販と同じECサイト上で商品の在庫や決済、レポートなどを一元管理、運用できる
  • 顧客情報を自社データとして蓄積し、リピート施策やメルマガ配信などのマーケティングに活用可能
  • CMS(ブログ機能)も備えており、コンテンツ発信やSEOにも対応
  • ストアデザインや導線を柔軟に設計でき、ブランディングと両立できる
  • 特定の無形商材だけでなく、越境や定期販売との併売にも向いている

特に「モノ+コト」の融合や、ファン向けのエクスクルーシブな体験提供には最適な環境といえます。


無形商材の3タイプとその違い

Shopifyで取り扱える「日時が関わる」無形商材は、大きく分けて以下の3つに分類されます。

タイプ 概要 決済のタイミング 代表例
来店型(予約制) 店舗やオンラインでのサービス体験事前に日時を指定して参加する形式。 前払い or 当日払い 美容室、マッサージ、パーソナルジム、相談予約
チケット型(イベント制) 特定日・時間に開催されるイベント参加権の販売。再販や発券が伴うことも。 基本前払い 展示会、セミナー、ワークショップ、ライブイベント
オンデマンド型 デジタル商品や録画・ダウンロードなど、即時アクセス可能な形式。 前払いのみ 動画講座、eBook、テンプレート、素材販売

本質的な違いは何か?

この3タイプを正しく理解するために押さえておくべき視点は主に以下の3点です。

  1. 提供タイミングと形式

    • 来店型とチケット型は「日時指定の参加型」、オンデマンド型は「購入後すぐにアクセス可能な完結型」
  2. 決済との連動

    • 来店型は柔軟な決済(前払・当日)対応が多く、チケット型・オンデマンド型は前払が基本。
    • チケット型は参加確定性が高く、オンデマンド型は即時提供とのトレードオフでキャンセル不可が前提。
  3. 体験設計とオペレーション

    • 来店型は個別接客のため人員配置やスケジューリングが重要。
    • チケット型は大量参加型にも対応し、QRチェックインなどの受付運用が求められる。
    • オンデマンド型は物理的な提供が不要な分、コンテンツ管理とライセンス管理が鍵。

各タイプ別におすすめアプリを紹介

以下では、先ほど整理した「来店型」「チケット型」「オンデマンド型」の3タイプに対応した代表的なShopifyアプリを、それぞれの特徴やメリットとともにご紹介します。


【来店型(予約販売)】Sesami – アポイント予約

  • アプリURLSesami
  • 月額料金:Small $19/Medium $49/Pro $129(30日間無料トライアルあり)

概要

店舗や教室、スタジオ、オンライン講座など、来店型・実施型の体験を予約販売できるアプリです。ShopifyとPOS連携し、予約・出欠管理・リマインド通知まで一括対応できます。

主な機能

  • カレンダー表示による予約受付
  • スタッフ/リソースごとの管理(人数制限あり)
  • リマインダー・フォローメール送信(メール/SMS対応)
  • 多言語とタイムゾーン対応、Google Calendar・Klaviyo連携
  • POS連携/オンライン決済、グループ予約対応

導入メリット

来店型サービスの予約受付を、ECと一体化して運用可能。集客から当日管理までシームレスで、リマインダー設定によりキャンセル率軽減にも貢献。Plus以外の事業者でも利用しやすいコスパ設計です。


【チケット型(イベント販売)】Event Ticketing

概要

セミナー、ワークショップ、オンラインイベントなど、日時指定型イベントのチケットを販売できるアプリです。

主な機能

  • 日時・回数指定のチケット作成
  • QRコード発行による会場チェックイン
  • 座席指定・参加人数制限対応
  • リマインダー・カスタムフォーム設置
  • イベントページ作成と販売管理(Shopify管理画面と統合)

導入メリット

会場型・オンライン型イベントを簡単にShopify上で販売・管理でき、QRチェックイン対応で当日運営もスムーズに。キャンセル対応やリマインド送信も完備し、運用負担を軽減します。


【オンデマンド型(ダウンロード商品)】SendOwl – デジタル配信

  • アプリURLSendOwl
  • 月額料金:$39〜(7日間無料トライアルあり)

概要

動画・音声・PDF・eBook・ソフトウェアなど、オンデマンドで提供できるデジタル商品の販売および自動配信に特化したアプリです。

主な機能

  • 購入後に有効期限付きダウンロードリンクを自動メール送信
  • PDF透かし、ライセンスキー発行、ストリーミング対応
  • ダウンロード上限設定やダウンロードログ取得
  • 定期販売・サブスクリプション商品にも対応

導入メリット

無形商材のオンライン販売が簡単に可能。Shopifyの商品ページにSendOwl連携でデジタル配信フローを構築でき、テックリテラシー不問で導入できる点が魅力です。


タイプ別比較まとめ

商材タイプ 代表アプリ・用途 決済タイミング 顧客体験
来店型(リアル/オンライン体験) Sesami 前払い・当日 カレンダー選択 → 予約完了 → チェックイン通知
チケット型(イベント) Event Ticketing 前払いが基本(当日直販可能) イベント選択 → 発券 → QRチェックイン
オンデマンド型(デジタル) SendOwl 基本前払い(購入即送信) 購入ページ → ダウンロードリンク受信 → コンテンツ閲覧

※当日決済も可能ですが、受付や運用の設計次第で対応が必要になります。

おわりに:Shopifyで“体験”を売るための第一歩に

Shopifyは物販のためのプラットフォームと思われがちですが、今回ご紹介したように、「来店予約型」「イベントチケット型」「オンデマンド型」といった無形商材の販売にも柔軟に対応できる設計が可能です。
しかも、Shopifyならではの特長として、

  • 商品やサービスの販売を単一のストアで一元化できる
  • 顧客情報や購入履歴を蓄積し、マーケティングに活かせる
  • コンテンツ発信(ブログなど)と連動した導線設計ができる

といった強みがあります。つまり、「体験の提供」だけにとどまらず、ブランド全体の体験価値を高める設計がしやすいのが大きな魅力です。

無形商材を販売したいけれど、どの設計がよいのか、どこから着手すべきかわからない、という方は、まずは自社のサービス提供形態を3タイプに当てはめ、必要な機能と運用イメージを明確にすることから始めてみてください。

株式会社Tsuzucle SPRINGでは、Shopifyを活用した体験型商材の販売設計やアプリ導入支援、UI設計、コンテンツ設計まで含めた総合的な構築支援を行っています。まずはご相談から、下記のリンクよりお気軽にお問い合わせください。

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