今すぐ導入したい!Shopifyのセキュリティ強化アプリ5選
Shopifyのセキュリティ強化に役立つ5つのおすすめアプリ【機能別に紹介】
こんにちは、株式会社Tsuzucle SPRING開発事業部の神田です。
おそらく本記事を読んでいただいている方は、ShopifyでECサイトを運営している事業者の方が中心かと思いますが、皆さんは日頃どこまで「セキュリティ対策」を意識されていますか?
ShopifyはPCI DSS(国際的なクレジットカードセキュリティ基準)に準拠しており、クラウドインフラや決済周りのセキュリティは非常に高水準です。しかし、運営者側の設定や対策次第で、不正アクセス・情報漏えい・なりすましといった被害を完全に防ぐことはできません。
特に、エンタープライズブランドや越境ECなど、大量の顧客情報を扱うストアでは、セキュリティトラブルが事業継続に直結する重大インシデントとなることも。これは規模の大小に関係なく、すべての事業者にとって重要なリスクです。
たとえば、2022年に発生した森永製菓の通販サイト「森永ダイレクトストア」への不正アクセスでは、最大で約164万件もの顧客情報が流出した可能性があると発表されました。(出典)原因はネットワークの脆弱性を突かれたことによる侵入で、氏名・住所・電話番号などの個人情報が対象となっています。このような情報漏洩は、大企業に限らずあらゆる事業者にとって現実的なリスクであり、日常的なセキュリティアップデートや監視体制の見直しの重要性を示す事例といえるでしょう。
本記事では、Shopifyストアに導入できるセキュリティ強化アプリを機能別に5つ厳選してご紹介します。
なお、「不正注文」対策に関しては以下の別記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
ストアを守るための5つのセキュリティ機能とアプリ
Shopifyでは、公式アプリストアを通じてさまざまなセキュリティ関連アプリを導入できます。ここでは、代表的なセキュリティリスクに対応する以下の5つの機能ごとにおすすめアプリをご紹介します。
機能カテゴリ | アプリ名 |
---|---|
ページ制限 | Locksmith |
コンテンツ保護 | Cozy AntiTheft |
データバックアップ・復元 | Rewind Backup |
顧客情報保護(GDPR/APPI) | Pandectes GDPR Compliance |
サイトセキュリティ診断・認証 | TrustedSite – Trust Badges |
【1】ページ制限:Locksmith
- アプリURL:Locksmith
- 月額料金:$9〜(14日間無料トライアルあり)
概要
顧客の属性(タグ・位置情報など)に応じて、特定のページ・商品・コレクションへのアクセスを制限できるアプリです。
主な機能
- 顧客タグ・パスワード・IPアドレスなどによるアクセスコントロール
- 商品/コレクション/ページ単位での表示制御
- 公開・非公開のスケジュール管理
導入メリット
Shopifyの標準機能では、ストア全体に対するパスワード保護は可能ですが、特定ページ単位でのアクセス制限には対応していません。そのため、会員限定ページや卸先専用ページなどを柔軟に管理したい場合には機能的な限界があります。
しかし、こちらのアプリを活用することで、顧客タグ・IPアドレス・国・パスコード・日時などの条件をもとに、ページ単位で詳細なアクセス制御を設定することが可能になります。これにより、不正なアクセスや望まない閲覧を防止し、ストア全体のセキュリティレベルを向上させることができます。
さらに、ロイヤルカスタマーや卸業者など、特定の顧客セグメントのみに向けた限定販売やシークレットページの運用も実現できるため、運営の柔軟性が高まり、ブランド戦略や顧客体験の最適化にもつながります。
【2】コンテンツ保護:Cozy AntiTheft
- アプリURL:Cozy AntiTheft
- 月額料金:無料
概要
画像やテキストの無断コピー・保存・印刷・開発者ツールの使用を制限するアプリです。
主な機能
- 右クリック・ドラッグ操作の無効化
- ショートカットキー制限(例:Ctrl+C)
- 開発者ツールの利用制限
- 印刷機能のブロック
導入メリット
ブランドの世界観や独自性を大切にしているストアにとって、コンテンツの盗用や無断転載は深刻なリスクです。こちらのアプリを導入することで、画像やテキストのコピー・保存・印刷を防ぎ、オリジナルコンテンツの保護に役立ちます。
特に注意したいのが、無断転載されたコンテンツが検索エンジン上で重複と判断され、SEO評価の低下を招いてしまうリスクですが、こうした事態を未然に防ぐことで、検索パフォーマンスの維持にもつながります。
さらに、開発者ツールの使用を制限することで、HTMLや画像URLなどの情報を抜き取ろうとする不正なアクセスをブロックすることも可能です。これは、コンテンツ制作に多くのコストや時間をかけているブランドにとって、その価値を守る上で大きな安心材料となります。
【3】データバックアップ・復元:Rewind Backup
- アプリURL:Rewind Backup
- 月額料金:$9〜(注文数によって変動、7日間無料トライアルあり)
概要
ストア内のあらゆるデータを自動バックアップし、万が一のときにすぐ復元できるアプリです。
主な機能
- 商品・顧客・テーマ・注文などの自動バックアップ
- 履歴から日時指定の復元が可能
- 保存期間最大365日、対象データを細かく選べる
導入メリット
ヒューマンエラーやアプリ連携時の不具合など、予期せぬトラブルによってデータが失われるリスクは、EC運営において常につきまとうものです。アプリ導入により、商品情報やテーマ、顧客データなどを自動でバックアップできるため、復旧にかかる時間とコストを大幅に削減できます。
また、専門的な知識や複雑な設定は不要で、アプリをインストールするだけでバックアップ体制が整うのも大きな魅力です。初めての導入でも扱いやすく、万一の際に備えた“保険”として非常に心強い存在です
【4】顧客情報保護:Pandectes GDPR Compliance
- アプリURL:Pandectes GDPR Compliance
- 月額料金:無料〜(有料プランは月額$9〜)
概要
GDPRやAPPIなど、各国のプライバシー法に対応したCookie管理やデータ削除機能を提供するアプリです。
主な機能
- 同意取得用のCookieバナー表示
- Cookie同意が得られるまでのスクリプトブロック(例:GA, Meta Pixel)
- 顧客情報の削除・出力対応
- 自動翻訳・デザインカスタマイズ対応
導入メリット
EUをはじめとする海外地域に向けて越境ECを展開する場合、GDPRやCCPAといった各国のデータ保護規制に準拠することは必須です。こちらのアプリによって、Cookieバナーの表示やユーザーデータの管理対応が可能となり、規制違反による罰則や信頼低下といったリスクを未然に防ぐことができます。
また、日本国内では現時点でCookieに関する同意取得は法的に義務付けられていませんが、Google AnalyticsやMeta Pixelなどを利用するストアにとっては、透明性を確保する上でも有効です。結果として、ユーザーの安心感やブランドの信頼性向上にもつながります。
【5】サイトセキュリティ診断・認証:TrustedSite
- アプリURL:TrustedSite
- 月額料金:無料〜(有料プランは月額$39〜)
概要
サイトの安全性を可視化し、訪問者に安心感を与えるセキュリティバッジを表示するアプリです。
主な機能
- サイト全体のセキュリティスキャン(マルウェア・フィッシング等)
- 安全性認証バッジの表示
- セキュリティレポートの提供
導入メリット
サイトの安全性やビジネスの信頼性を「認証バッジ」で可視化できるため、特に初めて訪れるユーザーに安心感を与える効果が高く、カート離脱の抑制やCVR(コンバージョン率)の向上に寄与します。
さらに、このアプリは旧「McAfee SECURE」として広く知られていたブランドの後継であり、その高い権威性から海外ユーザーに対する信頼獲得にも効果的です。
おわりに
Shopifyのインフラは非常に堅牢ですが、運営者自身がリスク管理の意識を持ち、適切なアプリの導入によってセキュリティの層を厚くすることが重要です。今回紹介したアプリをうまく活用することで、不正アクセス・情報漏えい・データ損失・プライバシー侵害などのリスクを事前に減らすことができます
セキュリティは「一度整えれば終わり」ではなく、日々変化するサイバー攻撃や運営リスクに備え、継続的な見直しと改善が大切です。顧客からの信頼向上、トラブル回避、ブランド保護の観点からもぜひアプリの導入を検討してみてください。
株式会社Tsuzucleでは、こうしたアプリの導入支援や設定代行、セキュリティポリシーの策定サポートまで幅広くご対応しています。ストアの規模や方針に合わせた最適なセキュリティ対策を一緒に検討してみませんか?
ご相談は、下記のリンクよりお気軽にお問い合わせください。
お問い合わせ:https://tsuzucle.com/pages/contact
メールアドレス:info@tsuzucle.com
Xアカウント:https://x.com/tsuzucle
Discussion