開発チームをより良くするためにスクラムマスターの資格を取得しました
はじめに
こんにちは。ツクリンク株式会社でエンジニアやっとります、ikarikomanです。
テックブログと言いつつもあまりテック寄りじゃない話で恐縮です。
今回、スクラム関連の資格である「Professional Scrum Master I(PSM I)」を取得しました。この記事では、その取得までの流れを解説していきたいと思います。
ちなみに今回の受験にかかった費用については、弊社の「スキルアップ支援制度」を使用して、自己負担無しで取得することができました。やったね!
(会社の詳細が気になる方はこちら)
資格取得を決めたきっかけ
弊社ではスクラムフレームワークを使用して開発を行っていますが、私自身のスクラムに対する理解は関連書籍を読んだり、スクラムガイドに少し触れた程度でした。
そんな中で、最近チームの開発体制に変化がありました。これまで開発チームはエンジニアのみで構成されていましたが、PMやデザイナーを含めた機能横断型のチームへと移行することになったのです。
新しいチームがキックオフし、スクラムを適用しようとしたものの、スクラムをどのように実践すべきか悩む場面が増え、スクラムに対する知識不足を感じることが多くなりました。
そういった経験もあり、スクラムに対する理解を深めることで、より良いチーム体制を築き、開発を円滑に進めたいという思いが強まりました。
その思いをチームメンバーに話したところ、スクラム関連の資格でもとってみたら?と提案いただいので、取得を決意しました。
スクラム関連の資格
さて、資格を取得すると決めたわけですが、どういった資格があるのかわからない。
まずはスクラム関連の資格を調査することにしました。
調査したところ、スクラム関連の資格は団体別に大きく3つあるようでした。
(※2024/10/14時点での情報です)
Certified ScrumMaster®(CSM®)
- Scrum Allianceが提供する資格
- 費用:20~40万円程度
- 資格の有効期限:2年間
- 研修が必須
- 日本語での受験が可能
Registered Scrum Master™ Training(RSM)
- Scrum Incが提供する資格
- 費用:20万円程度
- 資格の有効期限:1年間
- 研修が必須
- 日本語での受験が可能
Professional Scrum Master™ (PSM)
- Scrum.orgが提供する資格
- 費用:20万程度(研修有り)、200USD~500USD(研修なし)
- 資格の有効期限:なし
- 研修は必須でない
- 試験は英語のみ
今回は以下の理由からProfessional Scrum Master™ (PSM)を受験することにしました。
- 他の資格では研修費用がかかる場合が多いが、PSMは研修不要で受験可能。
- 費用が比較的安価(研修なしの場合)で、資格取得への負担が少ない。
- 有効期限がなく、更新が不要なため、一度取得すれば更新費用がかからない。
Professional Scrum Master
PSMにはレベルごとに3つの資格がありますが、まずPSM Iから取得していくことにしました。
(※2024/10/14時点での情報です)
PSM I
- 費用:200USD
- スクラムの基礎的な内容
- 選択式試験
- 初級者向け
PSM II
- 費用:250USD
- スクラムの応用や実践的な内容
- 選択式試験
- 中級者向け
PSM III
- 費用:500USD
- PSM IIよりさらに複雑なスクラムの応用や実践的な内容
- 選択、記述式試験
- 上級者向け
受験に向けた学習方法
1.スクラムガイドを読み込む
試験の内容は基本的にスクラムガイドの内容に沿った問題が出題されるため、スクラムガイドを繰り返し読み込みました。
内容をただ暗記するわけでなく、スクラムガイドの内容を自分なりに解釈して、理解することが大事だと思います。
2.Scrum.orgが提供している学習リソースを読む
スクラムガイドの内容を解釈し、理解するために役に立ったのが、Scrum.orgが提供している上記の学習リソースでした。スクラムの各イベントや用語について解説がされているので、一度目を通しておくのが良いと思います。
3.Scrum.orgが提供している問題集を解く
Scrum.orgが提供している問題集です。
何周かスクラムガイドを読んだ後にこちらを解きました。
1回30問の出題がされますが、5連続で全問正解できるまで解き続けました。
全部で30~40問程度のバリエーションがありますが、難易度は実際の試験と比べてかなり易しいので、スクラムの基礎的な知識が身についたか、確認程度で考えておくの良さそうです。
4.フリーの問題集を解く
無料で問題集を提供してくれているサイトもあります。
感覚ですが、こちらのフリー問題集の方が、実際の試験に近い問題だと思います。
正答率が100%に近くなるまで繰り返し解きました。
※1部スクラムガイド2017から移行できていない問題があるので注意!
5.スクラムに関連する書籍を読む
必須ではないと思いますが、スクラムに関連する書籍を読むことも重要だと思います。
私の場合、スクラムマスターに関する知識が薄かったので「SCRUMMASTER THE BOOK」を読みました。
いざ受験
この学習方法を週に数時間程度、1ヶ月続けいざ受験です。
試験は英語のみで実施されますが、Google翻訳による受験も公式で認められています。
私も実際の試験では英語と日本語をスイッチして受けましたが、出題された問題の範囲内では、翻訳の精度に関して特に気になることはありませんでした。
また、試験中は回答に迷う問題があった場合には、チェックをして後から確認できる機能があり、そちらを積極的に使いました。
試験の結果ですが、準備に割と時間を割いたこともあり無事に合格することができました。
取得した感想
資格を取得して、もちろん達成感はありましたが、取得そのものよりも、その過程でスクラムについて深く学んだことが良い機会だったと感じています。
これまで何となく使っていたスクラムの用語やイベントに対する理解が深まったことで、日々のスクラムの流れに対してより主体的に取り組むことができるようになり、チームにどうスクラムを適応すべきかを考えられるようになりました。
また、チーム内でスクラムに関する勉強会を開催するなど、スクラムへの理解を促進する行動も取れるようになった点は大きな変化だと感じています。
おわりに
スクラムは今後も続いていくので学びをここで終わらせず、継続して学習して行きたいと思います。
次はPSM IIの取得を考えているので、無事取得できた際にはまたお会いしましょう。
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