🚀

AIペアワークとQA協働で進める、Growth3チームの開発スタイル

に公開

はじめに

まいど、ツクリンクでエンジニアをしているあかまつです。
今回は私が所属しているGrowth3チームについて紹介させていただきます。「QAエンジニアがチームに属している」「日常的にAIペアワークを実践している」といった特徴的な取り組みを中心に、私たちのチーム文化や働き方をお伝えできればと思います。

Growth3チームとは

Growth3は、その名の通りツクリンクのグロース領域を担当する3番目のチームです。グロース施策の実装や既存機能の改善を通じて、ユーザーの成長体験を向上させることをミッションとしています。

メンバーはエンジニア2名、QAエンジニア1名、デザイナー1名、プロダクトオーナー1名の計5名です。開発手法としてはアジャイル開発(スクラム)を実践しており、現在は2週間のスプリント単位で機能開発に取り組んでいます。

Growth3の1日の流れ

裁量労働制のため基本的に出勤タイミングや退勤タイミングは個々の裁量に任せられていますが、デイリースクラムやその他ミーティングの予定が入ることを考慮して、大体以下のようなスケジュールで働いています。

  • 08:00〜10:00: 各自出勤
  • 10:00〜10:15: デイリースクラム(進捗共有とちょっとしたアイスブレイク)
  • 11:00〜14:00: 大体この時間帯にお昼休憩(1時間)を取ることが多い
  • 16:30〜18:00: 15分程度時間を取って夕会(進捗共有、雑談タイム)
  • 17:00〜19:00: 各自退勤

朝のデイリースクラムでは進捗確認だけでなく、ちょっとしたアイスブレイクを挟んで雑談することで、リモートでも顔を合わせる機会を大切にしています。
夕会も同様にその日の進捗を共有しながら気軽に雑談できる場として機能しています。
もちろん、必要な時は夜遅くまで頑張ることもありますが、基本的にはメリハリをつけた働き方を心がけています。

QAエンジニアがチームにいる強み

Growth3チームの最大の特徴は、QAエンジニアがチームに属していることです。これは2025年12月10日時点でツクリンクの開発チームの中でもGrowth3だけの体制となっています。

なぜQAエンジニアをチームに?

過去、QAチームは別に存在し、開発が完了してからQAに回すというフローが一般的でした。
Growth3にQAエンジニアが加入したのはチーム発足の目的の1つに「職能横断」があったためです。開発とQAがシームレスに繋がり、お互いが協力しあえる環境を用意することで生産性の向上やイノベーションの創出を狙っています。

具体的な効果

QAエンジニアがチームにいることで、以下のような効果が生まれています。

1. プロダクトバックログの品質向上

リファインメント段階からQAエンジニアが参加することで、テスト観点を早期に組み込むことができています。「この仕様だとこういうエッジケースが発生しそう」といった指摘を仕様策定の段階で受けられるため、後工程での手戻りを大幅に削減できています。

2. テスト設計の早期化

開発と並行してテスト仕様書を作成できるため、リリースサイクルを短縮できます。実装が完了した段階で既にテスト準備が整っているので、スムーズにテストフェーズへ移行できます。

3. バグの早期発見

実装途中にQAエンジニアと気軽に相談できるため、後工程でのバグ修正コストを削減できています。相談の段階で「ここはテストしづらい構造になっている」といったフィードバックをもらえることもあり、テスタビリティの高い実装に繋がっています。

日常的に実践するAIペアワーク

Growth3チームでは必要に応じて2人1組でのペアワークを行っています。その際、AIを積極的に活用しているのが特徴です。

AI活用のスタイル

実装は基本的にAIに任せ、エンジニアがプロンプトを考えるスタイルです。これにより、エンジニアは「何を作るか」「どう作るべきか」という設計やアーキテクチャに集中できます。
もちろん、AIが生成したコードをそのまま使うわけではなく、ペアで一緒にコードレビューしながら品質を担保しています。

コードレビューの考え方

「プロンプトを考える2人がコードレビューも兼ねるとバイアスがかかるのでは?」という疑問もあるかもしれません。
そこで、Growth3では以下のような形でレビュー品質を担保しています。

  • 最終的にAIによる客観的なコードレビューも実施
  • 必要に応じて別チームへコードレビュー依頼

ペアワークのメリット

ペアワークによって、以下のような効果を実感しています。

1. 意思決定がスムーズ

実装時の不明点や悩みどころをその場で相談・決定できます。一人で悩む時間が減り、タスク単位の開発スピードが向上しています。

2. 認識の断片化を防止

2人で同じコードを見ながら進めることで、「知っている人・知らない人」の分断が起きません。実装の背景や意図が自然と共有されるため、属人化を防ぐことができています。

3. コードレビューのボトルネック解消

実装者2人がレビューも兼ねるため、コードレビューを簡略化できます。実装完了と同時にコードレビューもほぼ完了しているので、マージまでの時間が短縮されます。

認識合わせと言語化を大切にする文化

ミーティングなどの話し合いの場では認識合わせ言語化をとても重視しています。

非エンジニアでも理解できる一次情報

要件や仕様は、非エンジニアのメンバーでも理解できるように以下のような取り組みを行いながら記述しています。

  • Gherkin記法を使った振る舞いベースの仕様記述
  • プログラミング用語を避けた平易な表現
  • FigJammiroを使った図解

これにより、エンジニア以外のメンバーも仕様理解に参加でき、早期にフィードバックを得られます。

忌憚なき意見を出せる雰囲気

Growth3チームでは、心理的安全性を大切にしています。

  • 「そもそもその機能は必要なのか?」
  • 「こうやった方が手数少なくて同じことを実現できるのでは?」

こういった根本的な問いかけや、ちゃぶ台返しとも言える提案も歓迎されます。グロース施策を考えるうえで重要なユーザーへの提供価値を意識したより良い方法を模索する文化があります。

質問・意見を出しやすい環境作り

こういった文化を支えているのは、質問や意見を出しやすい環境です。

  • 雑談タイムでの相互理解促進(朝会・夕会後)
  • ミーティングでの積極的なファシリテーション
  • 「聞くは一時の恥」ではなく「聞かぬは一生の恥」という価値観

フルリモートワーク環境だからこそ、意識的にコミュニケーションの場を設けることでチームの一体感を保っています。

チームとしての学び合い

Growth3チームでは、不定期でチーム内勉強会を開催しています。
全社的な勉強会とは異なり、関係者が少ない小規模な場なので、気軽に集まって知識や技術を共有できるのが特徴です。
直近では以下のような内容で勉強会を開催しました。

  • 非エンジニアの方向けのDevinを使った簡単な実装講座
  • PerplexityのAIブラウザ「Comet」を触ってみよう
  • テスト自動化ツール導入に向けての調査

内容も大掛かりな準備を必要とせず、ワークショップのようにその場で手を動かす形式が多く、実践的なスキルアップに繋がっています。
もちろん、スキルアップも大切ですが勉強会を通じたコミュニケーションという点も重視しています。技術的な話題を通じてメンバー間の相互理解が深まるのも、この勉強会の大きな価値だと感じています。

これから取り組んでいきたいこと

Growth3チームは現在進行形で様々な取り組みを進めていますが、今後取り組んでいきたいこととして以下の2つが候補に挙がっています。

MCP連携によるドキュメント自動化

NotionやJIRAのMCP(Model Context Protocol)連携を進めています。
ルールや手順などをMCPやカスタムコマンドを活用して仕組み化することで、誰がやっても抜け漏れのない運用を目指しています。
AIを活用したドキュメントの作成はプログラミングと比べるとまだハードルが高い印象がありますが、ここが自動化できるとより効率アップを図れるため何かしら突破口を見つけたいところです。

デュアルトラックアジャイルの導入

主にグロース施策を進めるチームとして顧客志向で開発することを意識していますが、そういったマインドをより加速するためデュアルトラックアジャイルを取り入れていく予定です。
デュアルトラックアジャイルのディスカバリーによって価値創出のプロセスを強化し、「決められたものを作る」のではなく「自分たちで決めていく」チームへと進化していきたいと考えています。

さいごに

いかがでしたでしょうか。
Growth3チームは、QAエンジニアとの協働、AIを活用したペアワーク、認識合わせを大切にする文化などの開発スタイルを実践しています。
もちろん、まだ完璧ではありませんし、日々試行錯誤しながら改善を続けています。それでも、こうした取り組みを通じて、心理的安全性が高く技術的な挑戦を楽しめるチームになってきたと実感しています。
もし「こんなチームで働いてみたい」と思っていただけたら、ぜひツクリンクの採用情報もチェックしてみてください。
一緒にGrowth3チームを盛り上げていきましょう!

ほなまた、おおきにー。

Discussion