スタートアップ企業のIT環境構築(0→1)
初めまして、合同会社月の音の社内ITを管理しているottyです。先日、月の音に独自ドメイン( tsukinote.com )を導入ました。独自ドメインを導入するに伴い社内のIT環境に関して見直しました。その中で実用的だったITサービスに関してご紹介します。読者の皆さんが個人事業主や小規模企業を起業するときの参考になれば幸いです。
基本方針
- 安い
- 早い
- 実用的
某牛丼チェーンの社訓みたいですね。スタートアップ企業には金も時間もありません。同時に多くの環境構築を「安く」「早く」「実用的」にこなす必要があります。また、企業には本業があります。そのため、IT環境の整備は省力化して行うべきでしょう。弊社の場合はIT環境のほぼ全てを私自身が1人でセットアップしました。幸いにも近年のIT技術の発展で無料(もしくは格安で) 高度なSaaS製品が多く発表されています。今回はそんな製品をうまく活用した事例です。
導入されているもの
お名前.com
まず、お名前.comにてドメイン(tsukinote.com)を取得しました。私自身が操作に慣れており、日本におけるデファクトスタンダードであるため選定しました。商業向けのドメインであるため.comドメインを取得しました。お名前.comでは最初の1年間はドメインを無料で利用できます。日本の企業を示す.co.jpと迷ったのですが、.co.jpには登記簿謄本の提出など複雑な手続きが必要なため.comを選びました。ちなみに、ドメインレジストリは標準的なものであれば何を選んでも変わらないと考えて良いでしょう。Google社の公式アナウンスでもドメインレジストリの違いはSEO的には効果が変わらないと言われています。
SEOの根拠となるGoogle公式 SEOスターターガイド
DNSのレコード設定は下記の通りとなっております。
---tsukinote.comのDNS Lookupテーブル---
A Records:
[0] Name: tsukinote.com | TTL: 3600 | Data: 34.111.141.225
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TXT Records:
[0] Name: tsukinote.com | TTL: 3600 | Data: "v=spf1 include:zohomail.jp ~all"
[1] Name: tsukinote.com | TTL: 3600 | Data: "google-site-verification=s42KYlNKrWJYsKDzQZ1_hWYqRAMgqnujScFfPfcfk44"
[2] Name: tsukinote.com | TTL: 3600 | Data: "zoho-verification=zb17163529.zmverify.zoho.jp"
-----------
MX Records:
[0] Name: tsukinote.com | TTL: 3600 | Data: mx.zoho.jp. | Priority: 10
[1] Name: tsukinote.com | TTL: 3600 | Data: mx2.zoho.jp. | Priority: 20
[2] Name: tsukinote.com | TTL: 3600 | Data: mx3.zoho.jp. | Priority: 50
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AAAA Records: None
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CNAME Records: None
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CAA Records: None
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NS Records:
[0] Name: tsukinote.com | TTL: 86400 | Data: 01.dnsv.jp.
[1] Name: tsukinote.com | TTL: 86400 | Data: 02.dnsv.jp.
[2] Name: tsukinote.com | TTL: 86400 | Data: 03.dnsv.jp.
[3] Name: tsukinote.com | TTL: 86400 | Data: 04.dnsv.jp.
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SRV Records: None
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DMARC Records: None
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SSHFP Records: None
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TLSA Records: None
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Zoho Mail
インドに本社を構えるZoho社の提供するメールサービスです。Zohoは従業員8000人を超える大手企業です。顧客も多岐に渡りセキュリティ的にも高い水準を維持しております。SPF/DKIMにも対応しております。使い方もMXレコードを追加するだけで標準的なメールサーバーとして利用できます。アプリや機能も充実しています。独自ドメインでも5ユーザーまでは無料でメールアドレスを追加できます(メーリングリストは制限無し)。無料で独自ドメインを扱えるSaaSメールサーバーは非常に珍しいのではないかと思います。
ただし、無料版においてはSMTPやIMAPといった転送機能が提供されていません。この点に関しては留意が必要です。
Google Workspace (Essentials Edition)
言わずと知れた、Google Workspaceです。あまり知られていないのですがビジネス向けの無料版としてEssentials Editionが展開されています。Google Drive及びGoogleによる認証行為を行う際のアカウントとして利用しています。また、管理画面を通して基本的なユーザー管理をすることができます。特別な手続きは必要なく、独自ドメインのメールアドレスがあれば利用できます。ただし、注意点としてGmailはプランの対象外となっております。よって、メールサーバーとしては利用できません。メールサーバーは別で用意する必要があります。
Studio(Starterプラン)
非常に綺麗なサイトを簡便にホストできます。弊社の公式Webサイト( https://tsukinote.com/ )はStudioでホストされています。非エンジニアがメンテナンスをすることを想定しています。利用にあたって独自ドメインの設定を行いたかったのでStarterプランを契約しました。レンタルサーバ上のWordPressと比べても十分安いと思います。
Slack
社内のコミュニケーションにはSlackを用いています。案件ごとにチャンネルを設立しチャンネル名はプレフィックスを用いて管理しております。
Asana
全社のタスク管理に用いています。週一回の定例でタスクを整理し、各個人が担当している案件状況の動きを確認しています。
Jiraやnotionと迷いましたが、必ずしもITリテラシーが高いわけではない(エンジニアではない)メンバーがいることを鑑み検討しました。必要な機能も確保しつつ、初期状態でも使いやすく、API連携がしやすいということでAsanaを導入しました。
導入を検討したが見送ったもの
HubSpot
CRMとしてSalesforceとHubSpotを検討しました。価格の側面やセットアップの簡便性からHubSpotを第一候補としました。しかし、CRMの操作を理解するまでの学習コストやCRMを利用する必要があるほど、業務が複雑化していないことから導入を見送りました。現在は主にSlackを用いて情報交換をしています。
Google Workspace 有料版
Google Workspace(Essentials Edition)ではメールサーバー機能が使えません。非常に不便ではありますが、Zoho Mailで一旦は事足りるため導入を見送りました。必要になれば、契約する予定です。
最後に
いかがでしたでしょうか?参考になる点はありましたでしょうか?全体的にデファクトスタンダードに則りつつも必要に応じて技術を使い分けているのがご理解いただけたかと思います。今後も活動の中で分かった知見やベストプラクティスを皆様と共有し世の中に貢献できればと思っております。
免責事項
この記事は製品やサービスをPRするものではありません。また、サービス内容を保証するものではありません。それぞれの製品に関してのお問い合わせは各社の製品窓口にてお願いいたします。
また、社内サービスは事業の進捗によって迅速に変更され展開されています。月の音における社内サービスの内容を保証するものではありません。
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