知見とは?
前提・背景
エンジニア勉強会などで、アウトプットの質について考えることがあった。
質の高いアウトプットは業務に生かせるくらいのざっくりとしたイメージ。
改めて言語化してみた。
得られた知見
他人にあなたが学んだことをわかりやすく伝えることができるなら、それはあなたの知見になっている。
わかりやすく伝えるためには、いい前提が必要。
想定シーン: 上長との1on1
(皆さんは最近読んでる本の内容とか思い浮かべてください)
me: 上長さんにおすすめされた本読んできました!
上長さん: どんなことが学びになりました?
me: <あなたの学び>
皆さんは、<あなたの学び>をどんな風に伝えるでしょうか?おそらく悩むはずです。
口頭で伝える時は、文書で説明するのと違って全てを詳細に伝えることができません。
インプットとアウトプットの違い
インプットとアウトプットの違いは全体像と詳細の方向。
- インプットのプロセス: 詳細 → 全体像
- アウトプットのプロセス: 全体像 → 詳細
インプットは詳細を学び、全体像を確立すること。全体像については、本の概要とかではないことに注意。詳細は後述。
逆に、アウトプットではまず全体像から話して、詳細へとドリルダウンしていく。いきなり詳細から話し出すのは黄色信号。アウトプットになってないかも。
全体像って何?
あなたの知見となる部分、学び。学びの全体像。同じ詳細でも、前提が変わる・場面が変わることで全体像も変わる。ここでいう全体像とは、詳細の概要をまとめたものではない。
いい例:
- XXという時においては、OOが重要。
- XXという目的を達成するために、XXという技術を採用している。
- XXが原因で、OOという状態になっている。
(個人的に)いまいちだと思う例:
- Google SpannerではTrueTime APIという技術が使われている。これは…。
- レイヤードアーキテクチャにはA層、B層、C層がある。A層は…。
(自分も雑にまとめた際はやりがちなので気をつけるようにしている)
前提・背景が整理されてないアウトプットは情報量が多くなりがち。羅列形式になりがち。これでは全体像が見えにくい。
学びの全体像
学びの全体像 = 前提 + 学び
例えば、新機能開発で経験したことをもとに以下のように全体像を整理してみた。
- 前提:新規機能開発、限られた時間・リソース
- 学び:プロトタイピングによって作らなくていいものを決めることが大事。
学びの全体像には、前提と学びの二つが存在し、それらがストーリーのように繋がっている。
整理せず伝えると以下のようになるかも。情報を羅列してしまっている。
- 新機能開発では、3回プロトタイピング作りました。プロトタイプ使ってユーザーヒアリングして、設計も修正しながらスピード感持ってリリースまでできました。…
よくわかってない部分を見つける
いい学びの全体像にはいい前提が必要。
以下のような前提は個人的に避けたいパターン。自分もよくやっていた。
- DBについて詳しくなりたいからXXの本を読んでいる。
- バックエンドについて..
- アーキテクチャについて…
ここからの学びは詳細からスタートしがち。なぜなら前提のスコープがとても大きいから。
前提のスコープが大きい、小さくできない場合、よくわかってない部分があると考えた方がいい。
前提が決まると学びがシンプルになる
前提が決まれば、スコープが小さくなる。
スコープが小さくなると、伝えたいことがシンプルになる。学びがシンプルになる。
シンプルになっているので、自然と余分な情報は削ぎ落とされている。相手にとっても理解しやすくなっている。端的に伝えることができている。
口頭で伝えることができるようになっているのが理想。文書だとたくさん書けるから、絞れないがち。
例:
新規機能開発では、プロトタイピングで必要な要件とそうでないを明確にすることで効率的に開発できる。
前提をさらに具体化すると、
新規機能開発では限られた時間・リソースが限られているため、プロトタイピングによって作らなくていいものを決めることが大事。
まとめ
具体的な前提があり、端的に学びをまとめることで、相手に伝わりやすいアウトプットになる。
具体的な前提が置けない場合、理解できてない部分がある。整理できてない状態。
Tips
- よくわかってない部分を嗅ぎつけるスキルは磨いておくと有用。不確実性を見つける力になる。工数見積もり・設計の精度上がる。
- 前提はとにかく丁寧に整理する。ペアプロとかやってて、そもそもどんなことやりたいんだっけ?と聞かれることがよくあったので気をつけている。
これから
前提を置くことのトレードオフを認識する。
とはいえ、前提を置くことは対象を狭めてしまうこと。情報を排除してしまうこと。
やはり大事なことはもれなく拾いたい。
一つのインプットから様々な前提を切り出してアウトプットしていくことが大事。
Discussion
ラインヤフーさんのこの記事の一言まとめが参考になる