「科学的根拠に基づく最高の勉強法」を読んでみた
ゴール:勉強法の確立
今まで勉強法について特に意識した事が無く、効率的な勉強法を探していたのでこの機会に勉強法を学んで自分のものにしたい。
これまでの勉強法を振り返る
例えば、業務で使用するのでReactの知識が必要になったと仮定する。
まず、Udemyで教材を買って動画と同じようにコードを書いていき、動画で重要そうな所はメモにそのまま書き写していた。
教材終了後には、成果物として書き写したメモと簡単なアプリができたのでこれで一通りできるようになったと勘違いして勉強を終了して、この後は何もしないで終わる。
現状の勉強法でどう感じているか?
Udemyをそのまま進めているだけなので、何となく雰囲気はわかるが時間が経つとほぼ覚えていない事がほとんどである。
本を読む時も内容をメモしながら読んでいるけど、メモは振り返らないし内容もほぼ覚えていなくて何の意味もない状態である。
上記の現状を変えたいので今回この本を読んでみました。
科学的に効果が低い勉強法とは?
本書で挙げられている特に重要な3つの勉強法が以下です。
本を繰り返し読むこと(再読)
ノートに書き写したり、まとめること
ハイライトや下線をつけること
それぞれなぜ効果が低いのかも説明します。
- 本を繰り返し読むこと(再読)
効果が低い原因は、流暢性の錯覚が関係しています。
流暢性の錯覚とは、本を読んでいて1回読んだだけだとあまり理解できなかったので、2回目読むと1回目より知ってる単語があったり、ちょっと分かる感じあるじゃないですかあの感覚の事です。
2回目読んであー結構分かってるわって思うのが危険で、覚えた気になって深く理解しようといなくなってしまうので記憶にも定着しにくいです。 - ノートに書き写したり、まとめること
単純に本をそのまま読んだ場合と、書いている事を書き写して読んだ場合では記憶力に差が無い事が研究結果で分かっています。
そのまま書き写すのではなく、要約をしたり重要な箇所を自分の言葉でメモした方が記憶の定着はしやすいです。 - ハイライトや下線をつけること
研究結果で記憶力に差が無い事が判明しています。
ハイライトを付けた箇所を見返すのであれば効果がある事も分かっています。
効果が高い勉強法① アクティブリコール
自分的にはここと次のセクションが本書で一番大事な所だと思っています。
アクティブリコールとは学んだ事を脳をしっかり使って思い出す作業(アウトプット)の事です。
冒頭でお話ししたUdemyでReactを学びたいと思った時の話で説明すると、Udemyでの学習だけだとインプットだけをしている状況で、アクティブリコール出来ていないので、Udemyで学習した後に実際に思い出しながら同じようなアプリを作ってみるだったり、学んだ事をブログに自分の言葉で書いたりする事が一番大事です。
アクティブリコールすることで、長期記憶に残りやすくなります。
電車通勤とかで、本の内容をアクティブリコールしたい場合は頭の中で、〇〇って何だっけ?とかで思い出すだけでも効果があるとのことです。
プロダクション効果とプロテジェ効果
プロダクション効果は、何かを学ぶ際にブツブツ独り言を言いながらインプットをする方法でこれも記憶に残りやすくなる。
プロテジェ効果は、学びながら誰かに教える前提でインプットする事で記憶に定着しやすくなる方法。
白紙勉強法
著者が実際に行っていた方法があったので紹介します。
本で勉強したことを覚えたいとします。
①本だとセクション毎に分かれていると思うので、1つ目のセクションが終わったら白紙の紙に何も見ずに情報を書き出していきます。(プロダクション効果とプロテジェ効果を使いながら)
②分からない箇所や、理解できていない所は戻って学び直しをする
①と②を繰り返していく事で記憶に定着しやすくなるし、期間を少し空けてからやる事で長期記憶にも残りやすくなる。(分散学習)
勉強していたら穴埋め問題とかがあるけど、それよりは白紙勉強法の方が効果が高い。
効果が高い勉強法② 分散学習
分散学習とは短期的に集中してやるのではなく、期間を空けて勉強をしたり、復習したりする事を言う。
学んだ事を定期的に振り返る事で長期記憶に定着しやすくなる。
初めの振り返りは短いスパンで1日後とかにして、7日後とか徐々に伸ばしていく事で効果が高まっていく。
ある英単語を覚えたい時に勉強時間は両方とも2時間使えるとした場合に、1日で2時間英単語を勉強するのと、2日に分けて1時間ずつ勉強するのでは、後者の方が長期記憶に残りやすい事が分かっている。
効果が高い勉強法③ 精緻的質問と自己説明
精緻的質問とは
何かを学ぶ際に、常になぜ?と思いながら学習を進めることをいう。
子供が何もかも分からない時に、何に対してもこれは何?とかなぜこうなってるの?とか色々考えて効率的に知識を吸収していくやり方と同じ。
トヨタの『なぜの5』と似ていてこの考え方は、何か問題が起こった時になぜこの問題が発生したのか?それはなぜなのか?対策はできなかったのか?等を繰り返して1つの事象を掘り下げて原因を探っていくやり方。
このやり方を学ぶ時にも、なぜこうなっているのか?を考えていくことが大事。
自己説明とは
自分に対して質問をしていく事を言う。
学んだことに対して、『理解しているか?』や『どこが難しく感じたか?』とか『自分の言葉で説明してみる』等を行います。
自分の事を客観的に見て、現状を把握したり理解度を確認したりする作業の事をメタ認知という。
何かを学ぶ際は、精緻的質問でなぜそうなっているのか?これはどういうことか?とか掘り下げて考えていく事で、深い所まで学べて、全体を把握できるようになるし、自己説明で自分がどれくらい理解しているのか?や誰かに説明するつもりで自分の言葉で説明する事で、長期記憶に残りやすくなるので効率が上がると思います。
効果が高い勉強法④ インターヒーリング
インターヒーリングとは1つのことだけに絞って学習するのではなく、関係する様々な事を一緒に勉強する事で応用力がついて問題解決能力が向上することを言う。
何か勉強をする際に、特定の分野を学んでその分野に絞って問題を解いたりするのではなく、全体を学んでから問題を解いていく事でどの分野の問題かが分からないので応用力が身につく勉強法である。
勉強のモチベーションについて
本書では勉強法のみではなく、勉強のモチベーションを保つ方法も紹介されていました。
自己関連付け効果
人は自分に関係があることは重要だと思い記憶に残そうとするけど、それ以外は記憶に残らないようになっている。
学生時代のいじめについても、やられた本人は自分の事なのですごく覚えているけどやった側は覚えていないのは自己関連付け効果が関係している。
利用価値介入
人は自分に利益がある事や価値があると感じた事は記憶に定着しやすくなる事が分かっている。
友人と話をしている時に相手の話は適当に聞くけど、相手が自分の事を話し出したら食い行って聞いてしまう思うんですけど、その現象のことです。
やっぱり人は自分以外は興味無いので、いかに自分と紐付けるのかが大事です。
イーロンマスクの言葉
『何かを覚える為には、それに意味を与えなければなりません。なぜこれが自分に関連があるのかを言ってください。なぜ、自分に関連があるのかを言えれば、おそらくそれを覚えるでしょう』
自己効力感と勉強記録
人は何か学ぶ時も目標が無かったらモチベーションが続かない生き物です。
自己効力感は「自分ならできる」と思う気持ちの事で、自己肯定感とほぼ同じです。
自己効力感を高める事でポジティブになって、モチベーションも上がって継続しやすくなるので自己効力感を上げていく必要があります。
自己効力感を上げるには、資格に合格するという目標があった場合に合格という大きな目標を目指して日々過ごすのではなく、1日で達成できるくらいの小さいな目標を設定して1つ1つ達成していく事で、自己効力感が上がるし、1つ1つ達成していく事で最終的には大きな目標も達成できるようになっていく。
毎日やるべき目標を書き出して、出来たらチェックしていくような仕組みがあればモチベーションが続きやすいと思います。
勉強法は分かったけど、これからどうやって勉強していくのか?
- まず勉強が継続できないと全て意味が無いので、モチベーションを保つ方法として自己効力感と勉強記録を付ける仕組みを作る必要がある。
- 学習を始める前に学ぶ目的となぜ学びたいのか、メリットを書き出す
- 学習スケジュールを決めて、学ぶ事を細分化して1日単位で達成できる目標を決める。
- 学ぶ時に「ブツブツ小言」を言いながら、「他人に教える」ように学んで質問されても答えられるように「なぜか?」「仕組みは?」を考えながら学習する。
- キリの良い所まで学習したら、学んだ事を思い出しながら「自分の言葉」でメモして、どれくらい理解しているか?を考える。分からない所は学び直して繰り返す。
- 学び終わったら1日後、7日後のスパンで白紙の紙に書き出していき、分からない所は上記を繰り返して学び直す。
最後に
本書の内容を考えながら記事を書いていたけど、本書では途中で学んだ事をアクティブリコールで振り返っていきながら読めるので、内容をすぐに思い出すことができた。
必ず効果はあると思うので、今後は上記の方法で学習を進めていこうと思います。
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