顧客と接する際に意識していること
はじめに
むかしむかし、まだJavaScriptのArrayクラスにmap関数などもなかったころ、真実の瞬間(Moments of Truth、ヤン・カールソン著)をベースにした研修を受けました。片付け中に当時の資料が出てきたのでまとめます(書籍自体はスカンジナビア航空のサービス戦略についてであり、下記にまとめた内容はなかったと思います)。
Moments of Truthとは
最高の顧客体験を提供することが重要である、という概念であり、対象はサービス業や営業、マーケティングのみならず、顧客に接する可能性があるすべての人が対象となる。人のみならず、UIも顧客との接点である。
顧客のためにできるだけ多くの価値を創造すること。肯定的な真実の瞬間に到達することを目標とする。真実の瞬間とはサービスが与える持続的印象で、肯定的か否定的かのいずれかとなる。
Explore - Offer - Confirm - Action
Explore
顧客の要求やニーズをよく理解する。最も重要な段階。この段階を無視したり誤解したりすると、行動の申し出が顧客の期待内容にそぐわないものになりかねない。「顧客が本当に必要だったもの」をとことん探求する必要がある。
Offer
顧客の期待内容に応えるために、適切な行動を執ることを申し出る。ただし、期待が明らかになっていない、同意が得られていない、専門知識が欠けている、Win-Winではない場合は申し出てはいけない。
Action
自分が申し出たことを果たすために行動を起こす。自分の申し出を果たすことで信頼を築く。Think Customer(顧客のことを考える)、Plan Contingency(不測の事態に備える)、Communicate(伝達する)、Co-ordinate(調整する)、Complete(完了を知らせる)の5つが重要である。
Confirm
顧客の期待内容に応えていること、または期待を上回っていることを確認する。重要なのは顧客の認識である。
おわりに
改めて見直してみると「Explore - Offer - Action - Confirmと回しながら、いかにして顧客に多くの価値を創造するにはどうすればいいかどの段階でも考え続けましょう」ということで、アジャイルソフトウェア開発宣言に通じるし、ITシステムやWebサービス、アプリでは顧客との接点はUIとなるため、ユーザーエクスペリエンスを向上させるにはどうすればいいかなどを考える必要があり、デザイン思考にも通じるものがあるな、と。
しかし、Exploreの段階は開発フェーズとしては、要望や要求を分析することになるが、顧客の期待がどこにあるかをとことん探求しても、それでも「顧客が本当に必要だったもの」を作るのは本当に難しい。
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