メール送信サービスのResendが日本でもまともに使えるようになったので紹介したい
API経由でメール送信をするためのサービスといえば、SendGrid, Amazon SES, Postmarkのような名前が出てくるかと思います。
そんな中、弊社(トラストハブ)でも利用しているResendというサービスがとても使いやすいので紹介します。また、記事後半でResendを日本で使うにあたり重要なアップデートがあったので、どんな点が変わったかを紹介します。
そもそもResendとはどんなサービスか
Resendは後発サービスなだけあり、開発体験の良さに主眼が置かれて開発されています。テストでメールが送信できていることを確認する機能や、ログを確認する機能など、細かいところが使い勝手が良いなと感じています。
SDK・設定がシンプル
公式でたくさんの言語のSDKが用意されています。また、フレームワークごとに組み込むためのドキュメントも充実しています。
Knowledge Baseを見ると、メールに関する知識を学ぶことができる点も助かりました。例えば、Gmailのスパムフォルダ行きをなるべく回避するにはどうすれば良いか、など実践的な記事がまとまって掲載されています。
設定もシンプルで、メールの信頼性管理に必要な機能である専用IPアドレスがすぐに取得できるのも良い点です。
React Emailとの組み合わせが使いやすい
Resendが出している、ReactでメールテンプレートをかけるライブラリであるReact Emailが、Postmarkなどが提供しているメールのテンプレートライブラリと比較してとても使いやすいです。単にReactで書けるというだけでも便利なのですが、ビルド周りが現代的な構成になっているのが推せるポイントです。
Tailwind CSSでメールのスタイリングもすることができるので、メールのために生のCSSを書くなんていうこともしなくて良くなります。
Resendとも簡単に組み合わせて使うことができるのも良いポイントです。また、このライブラリはResend以外のメールサービスでも使うことができます。
マーケティング目的のメール送信もできる機能
最近になって、SendGridのように管理画面からメールを作成して一斉送信できる機能がリリースされました。
とはいえ、コンタクト数ごとの課金でちょっと料金は高いかもしれません。
自分たちは他のマーケティングサービス(HubSpot)を使っているため、今のところ使っていない機能です。
テスト的にメールマーケティングを始めてみたい、という状況ならフィットするのではないでしょうか。
日本で使うにあたっての課題と、アップデートで改善された点
ここからが本題になります。最近のアップデートで、日本でメールサービスを選ぶ上で重要なポイントが改善されました。
日本リージョンが追加された
これまで北アメリカ・南アメリカ・ヨーロッパのみにサーバーがあったのですが、新しくTokyoサーバーが追加されました。
サーバーとの距離がメールの到着遅延に影響しているようなので、なるべく近いサーバーを選んだ方が良いでしょう。
キャリアメールに送信できるようになった
Resendはメール送信時にTLS暗号化を強制というポリシーで運用されていました。しかし、これによって日本の環境だとキャリアメールへの送信がうまくいかないという問題がありました。
というのも、多くのキャリアメールは今でもTLS暗号が使えないという仕様のようなのです。
しかし、最近のリリースで投機的TLSというオプションが追加されました。これは、送信先サーバーがTLS暗号が使えない環境だと判断されると、自動的に平文でメールを送信するという機能になります。
日本のサービスでResendを採用する際に大きな障害となっていた箇所なので、大きな改善ですね。
まとめ
- Resendは使いやすいメール送信サービス
- 日本の環境に合わせた機能追加が実施され、Resendを選ばない大きな理由が取り除かれた
- 新規でメール送信サービスを選ぶならResendがおすすめ!
Discussion
文中にある「TSL暗号」は「TLS暗号」(他も同じ)だと思います
ご指摘ありがとうございます!誤字を見逃しておりました...
CloudflareとMailChannelsの提携が終わって、同APIが使えなくなるため代替手段を探しておりましたが、Resend良いですね!
情報ありがとうございます( * ॑꒳ ॑*)