技術広報はじめの一歩
こんにちは!
株式会社TRUSTDOCK Verification事業開発部Core eKYCチームにてモバイルアプリ向けSDKの開発をしている古川(a.k.a. ふるしん)です。
(社名は「とらすとどっく」と読みます)
これは 技術広報 Advent Calendar 2025 の5日目の記事です。
私は2025年の6月にTRUSTDOCKに入社しました。入社してから約半年です。
今回の記事では、技術広報の専任がおらずノウハウもまだ溜まっていない組織において、どのようにして「技術広報の基盤(はじめの一歩)」を作ってきたのか。その泥臭い過程と、取り組んだことについて振り返りたいと思います。
(Androidエンジニアとして入社しているので本業の傍らやってきたことです)
「やりたい」けど「わからない」
私がジョインした当時のTRUSTDOCKの開発組織は、非常にポジティブな悩みを持っていました。
「採用を強化したい」
「お世話になっている技術コミュニティへ恩返しがしたい」
経営層を含め、こういった想いは確かにありました。しかし、「じゃあ具体的に何をすればいいの?」という部分で足踏みをしていました。組織としてどう前に進めればいいかわからない状態だったのが実情です。
私自身、学生時代から技術コミュニティに出入りしており、前々職での技術コミュニティの立ち上げ、GDG Osakaの立ち上げなど、業務やプライベートで技術コミュニティの運営に深く関わってきました。
「コミュニティの力で、エンジニアとその組織はもっと強くなれる」という原体験があるからこそ、「このフェーズのTRUSTDOCKでなら、自分の経験を活かして新しい景色が作れるはずだ」と強く感じて入社しています。
なので色々と活動してきました。
具体的にやったこと(Action)
入社してからこの半年間で様々な施策を実行に移しました。
① カンファレンススポンサー
「まずはコミュニティに貢献し、存在を知ってもらう」ことから始めました。
以下の主要なカンファレンスにスポンサーとして協賛しました。
- DroidKaigi
- iOSDC
- Kotlin Fest
- FlutterKaigi
モバイルという観点だと網羅性を持ってスポンサーすることができたのではないかと想います。
特にFlutterKaigiではランチスポンサーを務めさせていただくことができたのも良かったですね。
② 勉強会の開催
自社主催の勉強会も立ち上げました。人数こそ大規模とは言えないものの、登壇者も多く熱量のある場を提供できたのではないかと思います。
③ 社内向け:技術ブログ執筆フローの整備
外への発信だけでなく、社内の仕組みづくりも重要です。
「ブログを書こう!」と掛け声をかけるだけでは続きません。
これまでは特定の人にレビュー工数が集中しており公開にやや躊躇していた点もあります。
もともとフローは設計されていましたが、明確に運用に乗りきっていたとは言いづらい状況でした。
明確にフローとして活用し、体制を整えました。
整備した結果かどうかは定かではありませんが、年間で23本の技術ブログが公開されるに至っています。月2本ペースでコンスタントにアウトプットが出ているのは、メンバーの協力あってこそです。
TRUSTDOCKには「技術ブログを書く」という活動が否定的ではなくポジティブであることがここから感じます。
「ゼロイチ」ゆえの苦労
もちろん、すべてが順風満帆だったわけではありません。
新しいことを始めるには、多くの調整コストがかかります。
一番の壁は「ステークホルダーの多さと合意形成」でした。
技術イベントを社外向けに開催するには、利用ツールのセキュリティチェックや行動規範(Code of Conduct)の策定など、整えるべきガバナンスが多くあります。
一度フローに乗ってしまえば難なく進めることはできますが、何も整備されていない状態から形作っていくために色々な人と強力して表現する大切さとその苦労を感じました。
現在地とこれから
半年間の活動を通して、定量的な採用数などの成果が出るのはまだこれからです。
ただ土壌は整いつつあると感じます。
- 主要な4つのカンファレンスへのスポンサー実績
- 年間23本のブログ公開というアウトプット文化の定着
- 「技術広報」という機能が社内に認知されつつあること
これらは間違いなく、次につながる成果だと捉えています。
2026年に向けて
「はじめの一歩」は踏み出せたので、次は「加速」のフェーズです。
2026年は、TRUSTDOCKの社名がもっと多くのエンジニアの目に触れる状態を作りたいと考えています。
そのために、スポンサー活動の継続はもちろん、社員が自発的にカンファレンスに登壇し、彼らの知見が業界の資産として還元されるようなサイクルを回していきます。
技術広報の活動は草の根活動の背景もあり、即効性のあるものではありません。
だからこそ、コミュニティを信じ、仲間を信じ、楽しみながら続けていきたいと思います。
技術広報の皆さん、2026年も一緒に盛り上げていきましょう!
P.S.
イベント共催させてくれ〜〜〜
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