【Tableau】ダッシュボードアクションによるシート連動
はじめに
shioです。現在は研修の一環でデータ可視化を学んでおり、Tableauを始めて1カ月になります。
本記事では、その中で特に便利だと感じた 「ダッシュボードアクション」 について紹介します。
使用環境
- Windows
- Tableau 2025.2
フィルタータブによるダッシュボード制御
Tableauダッシュボードでは、フィルタータブを使ってシートを制御することが可能です。しかし、フィルタータブを使用せず、感覚的に可視化されたデータを見たい場面もあると思います。
例えば、以下のようにマップと棒グラフで都道府県別の売上を確認するダッシュボードの場合です。

特定の都道府県の売上を確認したい時、フィルタータブを追加することはできますが、

上の図のようにフィルタータブの選択欄で幅を取ってしまいますし、47個の選択肢から特定の都道府県を選択するのはやや操作性に欠けるでしょう。
ダッシュボードアクションによるシート連動とは
そんな時に有用なのが 「ダッシュボードアクションによるシート連動」 です。
上記ダッシュボードを例にすると、マップの都道府県をクリックすることで、棒グラフも連動して特定の都道府県の売上を表示できるようになります。
ダッシュボードアクションには複数種類がありますが、今回はその中でも 「フィルター」 と 「ハイライト」 の機能を紹介します。
フィルター連動
1つ目は 「フィルター」 についてです。ダッシュボードアクション以外にもフィルター連動をかける方法があるので、違いについても併せて紹介します。
ダッシュボードアクションによるフィルター連動
まずはダッシュボードアクションによる連動方法です。
アクションを付けていない時に売上マップをクリックしても、

売上マップのみハイライトされて、右側の売上棒グラフには変化がないことが分かります。
そこでダッシュボード画面の上にある「ダッシュボード」タブの中から、「アクション」を選択します。するとアクションの追加画面が表示されるので、「アクションの追加」から「フィルター」を選択します。

ここでフィルターの詳細を決めていきます。

今回は「マップを選択→棒グラフが連動」という挙動にしたいので、ソースシート(連動元)を売上マップ、ターゲットシート(連動先)を売上棒グラフに設定します。
また「アクションの実行対象」を「選択」にして、クリックすることでフィルターがかかるように設定します。
「選択項目をクリアした結果」では、フィルターを外した時のターゲットシートの状態を選択できます。つまり今回では、売上マップを選択していない時に売上棒グラフに表示されるデータを指します。
アクションの詳細を決めたらOKボタンを押し、実際の挙動を確認してみます。
売上マップで北海道を選択すると、

売上棒グラフも北海道の売上を表示するようになりました。
シートからのフィルター連動
次にシートから連動させる方法です。
ソースシートにしたいシートを選択し、右側のメニューから「フィルターとして使用」を選択します。

これで売上マップを選択するとフィルターがかかり、売上棒グラフも連動するようになります。
アクションによるフィルターとシートからのフィルターの違い
手順は異なりますが、ダッシュボードアクションからも、シートの選択からもフィルターをかけることができます。そのうえで2つの大きな違いは 「フィルター設定の自由度」 です。
売上マップと売上棒グラフに加えて、利益棒グラフを加えたダッシュボードで違いを確認します。

ここでは、売上マップは売上棒グラフのみと連動させて、利益棒グラフとは連動させたくないとします。
ダッシュボードアクションでフィルターをかける場合は、ソースシートに売上マップを選択し、ターゲットシートに売上棒グラフのみを選択できます。

この状態で売上マップの北海道を選択すると、

売上棒グラフのみが連動し、利益棒グラフは全都道府県のデータを表示したままになります。
対してソースシートからフィルターをかける場合は、ソースシートに対してターゲットシートが一括で選択されます。そのため、売上マップの北海道を選択すると利益棒グラフも連動してしまいます。

今回は同一ダッシュボード内での設定を例に挙げましたが、ダッシュボードアクションを使えば、別のダッシュボードにあるシートともフィルターを連動させることができます。
フィルターの詳細を細かく設定したいならダッシュボードアクション、簡易的かつ一括でフィルターをかけたいならシートからのフィルター、用途に合わせて使い分けるのがおすすめです。
ハイライト連動
2つ目は 「ハイライト」 についてです。「フィルター」と違い、ターゲットシート内で全体から見た位置を確認するときに便利な機能になります。
売上マップと、売上・利益の散布図のダッシュボードを例に用意しました。

まずは、ダッシュボードアクションで「フィルター」をかけた場合の挙動を見てみましょう。
この状態で売上マップの北海道を選択すると、

散布図にもフィルターがかかり、北海道のみのデータを表示するようになります。
しかし、散布図全体の中で北海道がどの位置にいるかを確認したい場合、フィルターでは選択した北海道以外のデータは見られなくなってしまいます。
そこで、「ハイライト」を使ってみます。
手順はフィルターと同様です。ダッシュボード画面の上にある「ダッシュボード」タブの中から、「アクション」を選択して、「アクションの追加」から「ハイライト」を選択します。
ここでハイライトの詳細を決めていきます。

ソースシートを売上マップに、ターゲットシートを売上・利益散布図に設定します。
この状態で売上マップの北海道を選択すると、

散布図は全体のデータを表示したまま、北海道の位置だけハイライトして表示するようになります。
まとめ
以上、ダッシュボードアクションによる「フィルター」と「ハイライト」の紹介でした。
- 「フィルター」はソースシートで選択したデータのみをターゲットシートでも表示する
- 「ハイライト」はソースシートで選択したデータをターゲットシートのデータ全体の中からハイライト表示する
Tableauのダッシュボードアクションには他にも種類があるので、使いこなせば可視化手法の幅も広がるのではないでしょうか。