EXCEL風スプレッドシートUIで誰でも直感的に高度な分析が可能!クラウドBI・データ分析プラットフォーム「Sigma」の概要まとめ
データ分析の世界における『BIツール・サービス』については、個人的にはTableauやLooker、Power BIなど様々触れてきましたが最近個人的近辺、及び所属企業である株式会社truestar界隈で『Sigmaというサービスが良いらしいぞ...?』という感じで盛り上がっています。
そこで当エントリでは、この『Sigma』というサービスについて、実際にサービスを触る前に『そもそもSigmaとは何?どういうことができるの?何が嬉しいの』的な観点で概要を把握することを目的とした情報まとめをしてみたいと思います。
Sigmaとは何なのか?
SigmaとはSnowflakeなどのクラウドデータウェアハウスと連携し、表計算感覚で大規模データの集計や可視化が可能なクラウド型BI・データ分析プラットフォームです。ビジネスユーザーでも直感的に高度な分析を行えます。
2014年にJason Frantz氏とRob Woollen氏によってアメリカ・サンフランシスコで設立された、クラウドベースのアナリティクスおよびビジネスインテリジェンス(BI)プラットフォーム企業『Sigma Computing』社によって提供されています。
この会社の誕生の背景には「従来のBIツールやデータ分析ツールは専門的な知識(特にSQL)を必要とし、ビジネス現場の担当者自身が容易にデータから洞察を引き出すのが難しい」という問題意識がありました。そのため、Sigmaでは「誰でも使い慣れたスプレッドシートのようなUIで、クラウドデータウェアハウス上の膨大なデータをリアルタイムで直感的に扱える」ソリューションを提供しています。
機能的な特徴などについては後述項でそれぞれもう少し深堀りしていきますが、Sigma Computing社が強調する『推しポイント』としては概ね以下の内容に集約されます。
- 「ノーコード&直感操作、すべてのビジネスパーソンにデータ分析を」
- エンジニアだけでなくビジネス部門誰もが簡単に分析できる点を強調。
- 「クラウド連携で、最新の全社データをリアルタイムに可視化・分析」
- ITやデータ部門だけでなく、現場でもすぐデータにアクセスできる。 - 「スプレッドシートの感覚で、企業データを探究・活用」
- 普段使い慣れた操作感でデータに価値を見出せる。
Sigmaを導入することで何が嬉しいか?
公式サイト・公式ドキュメントの情報より、「Sigmaを導入することで何が嬉しいか、得られるメリットは何か?」という点をまとめると概ね以下のような点が挙げられます。いずれも、製品が掲げるポイントに即した形の内容になっているイメージですね。
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ノーコード・直感的な操作で全員が分析できる
- エンジニアや分析専門職でなくても、普段Excelに慣れたビジネスユーザーでも直感的にデータ分析・可視化ができる。
- 「もしExcelが使えればSigmaも使える」と表現されるほど導入障壁が低い。
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クラウドデータ連携で最新データに即アクセスすることができる
- 分析対象データはクラウド上のデータウェアハウスを直接参照する景色。
- CSVのエクスポートやコピーが不要で、常にリアルタイムの最新データ分析が可能。
- データが社外に出ることもないため、セキュリティと統制も強固。
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ダッシュボード、レポート、アプリも素早く作成
- ドラッグ&ドロップやスプレッドシート感覚で、インタラクティブなダッシュボードや定型レポート、カスタム業務アプリもすぐに作成し、全社展開可能
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アナリスト1人あたりの工数を削減
- レポート自動化、セルフサービス化による業務効率化で、生産性を大幅向上
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多様な業務部門やお客様への組み込み分析機能に対応
- 営業・マーケティング・現場部門へのセルフサービス分析の展開から、外部顧客向けの組み込み分析(エンベデッド・アナリティクス)も提供可能
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AIによるデータ探索とレポート作成をサポート
- Chatに質問するだけでデータ分析を自動実行する"Ask Sigma"や、AIモデル組み込みも可能
プロダクトの特徴
ここからは、公式サイトで紹介されている特徴や機能の内容をざっと見てみてSigmaをもうちょっと詳しく把握してみたいと思います。まずは『特徴』から。
プラットフォーム概要
Sigma Computingは、クラウドデータウェアハウスに直接接続してリアルタイムにデータを分析・可視化できる、クラウドネイティブなBI(ビジネスインテリジェンス)サービスです。主に「直感的な操作性」「コード不要」「強力なガバナンス機能」などを特徴としています。
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簡単かつ直接的な接続
- 組み込みのコード不要のコネクタを使用して主要なクラウド データ プラットフォームに即座に接続し、ワークフローを合理化。
- Partner Integrations | Sigma
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信頼できるセキュリティとコンプライアンス
- クラウド上でデータを扱う際にの各種セキュリティ、コンプライアンスなどの各種基準に対応。
- Sigma Computing Trust Center | Powered by SafeBase
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効率性を高めるインテリジェントなクエリ
- Sigma のスマートクエリエンジンは、データをインテリジェントにキャッシュし、クエリを最適化してオーバーヘッドを最小限に抑えることで、コスト効率を向上。
- Sigma's Query Engine
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精密な制御、妥協のないセキュリティ
- きめ細かな権限とリアルタイムのガバナンスを提供し、正確なデータ アクセスと包括的な監査証跡を保証して、比類のないデータ セキュリティを実現。
- Flexible Data Modeling and Governance | Sigma
データモデリング
Sigma Computingの「データモデリング」機能は、データ活用の現場とデータエンジニアの双方にとって扱いやすく、柔軟性とガバナンスの両立を目指した設計が特徴です。「モデル作成の自由度」と「ガバナンス(管理・統制)」を両立しながら、ビジネスユーザーでも簡単に利用できる仕組みが整っています。
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データの集中管理
- RBAC と承認を備えたモジュール型ガバナンスにより、スケーラブルな変更管理と再利用可能なデータ資産が保証され、分析が効率化され、冗長性が最小限に抑えられる
- How to Configure Role-Based Access Controls inside Sigma | Sigma
- Use Role-Based Access Control (RBAC), No More Micromanaging Permissions | Sigma
- Data access overview
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ユースケースに合わせて適応する柔軟なモデリング
- 必要なときにはガバナンスを、必要でないときには柔軟性を。
- データ チームに独自のモデリング言語を強制することなく、必要な場合にのみモデルを作成可能。
- How to Use Metrics and Governance in Sigma | Sigma
- Get started with data modeling
- Sigma Computing Data Modeling Do's and Don'ts | phData
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スプレッドシートUIで誰でもアクセス可能
- ビジネスユーザーはビジネス ロジックを最もよく理解している。
- 非技術者がGUIベースのツールを使用して自分の言語でセルフサービス、モデル化、データの探索を行えるようにすることで、アドホックなリクエストを最小限に抑えることができる。
- Spreadsheets | Sigma
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エコシステムとの統合
- 独自のデータモデルまたはセマンティック レイヤーを使用して、データスタック全体で一貫性のある正確な分析情報を得るためのメトリックとビジネスロジックを一元的に定義。
- Sigma’s Data Models Are Here: Transforming Self-Service Analytics Forever | Sigma
- Configure a dbt Semantic Layer integration (Beta)
- Sigma & Snowflake Semantic Views Unlock One Source of Truth | Sigma
- Sigma Launches Native Semantic Layer Integration and AI SQL Capabilities on Snowflake AI Data Cloud | Sigma
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AI向けにインデックス化
- Ask Sigma は、データモデル、メトリック、関係性をインデックス化して質問に正確に回答し、すべての応答が定義済みのセマンティクスに基づいていることを保証することで、信頼できる結果を実現。
- Introducing Ask Sigma: AI that Works like a Data Analyst | Sigma
また、『データを最大限活用する』ことを念頭に、以下のような様々な機能を活用する ことができます。
- リレーション&結合の選定:テーブル間の結合ロジックを事前に定義しておくことでSigmaがそれらの結合をインテリジェントに実行
- ER図:すべてのコアエンティティとその関係を視覚的に表示し、理解を促進
- 再利用可能なメトリクスと関数:データセット全体でメトリクスを一度定義するだけで、複雑なビジネスロジックを捕捉し、一貫性を確保
- 列レベルのセキュリティ:列レベルのアクセスを制御し、機密データが承認されたユーザーのみに表示されるようにする
- バージョンタグ付け:データモデルの複数のバージョンを管理することで、反復処理と開発ライフサイクルを簡素化
- dbt Semantic Layer統合:Sigma内で、dbt互換のSQLを記述し、そのクエリをdbtに対して実行可能
- マテリアライゼーション:データモデルのバージョンごとにマテリアライゼーションスケジュールを設定し、下流の要素のパフォーマンスを向上
- メトリクスカタログ:データモデルで利用可能なすべてのメトリクスを、単一のインターフェースから確認可能
- AIのためのインデックス:データモデル、メトリクス、関係性が整理されたAsk Sigmaで、正確な回答を確実に得ることができる
AI/ML
Sigma Computingの「AI/ML」機能は、データ分析やアプリ開発にAIを身近かつ実用的に組み込める設計が特徴です。技術的なハードルを下げ、誰でもAIの力を活用した高度なデータ活用を実現できるようになっています。
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AIクエリを活用してウェアハウスからあらゆるAI/MLモデルを活用可能
- Sigma でデータ分析を実行したり、ウェアハウスAIモデルを使用してAIを活用したデーアプリを構築可能。
- Build with AI - YouTube
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数秒でAIモデルをデータに適用
- Sigmaで簡単なSQL関数を記述して、クラウドデータウェアハウスからAIモデルを呼び出し、データ列で実行。
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AIを構築するツールで作業
- SigmaのスプレッドシートUIは、AIモデルを列に呼び出し、出力を行に返す。この使い慣れた形式により、AIの活用がより簡単かつ迅速になる。
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ビジネスユーザーの入力で AIモデルをトレーニング
- 適切な権限を持つ人なら誰でも、データにAIモデルを適用し、入力テーブルを使用してAIが生成した出力を修正し、これらの修正内容をウェアハウスに安全に書き戻すことが可能。
- ウェアハウスでは、ライブユーザーフィードバックに基づいてAIモデルを継続的にトレーニング。
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AIを始めるための手軽な方法を提供
- Sigmaの数式バーで、要約、分類、自由形式のプロンプトといった最新のGen AI機能を直接活用可能。
- クラウドウェアハウスがSQL関数を通じてLLMを公開している限り、Sigmaで直接呼び出すことができる。
- Leveraging AI Functions in Sigma for Insights | Sigma
- Perform AI queries
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Ask Sigma - データアナリストのように機能するエージェント型AI
- データについて質問すると、Ask SigmaがAIエージェントをトリガーして適切なデータソースを見つけ、分析を構築。
- Sigmaに質問 - エージェント型AIアナリスト | Sigma
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Sigmaでの作業をより速くするための便利なAI機能
- AIを活用して既存の可視化を説明
- AIを使ってSigmaで数式(Formula)を記述/説明/修正
- Snowflake Cortexを活用してボタン一発でデータを予測
Python/SQL
Sigma Computingの「Python/SQL」機能は、チームのスキルや役割ごとに異なる分析スタイルや言語を、1つのワークブック(分析・レポート画面)上でシームレスに融合できる点が最大の特徴です。これによりデータサイロ(部門ごとに情報が断絶してしまう状態)を取り払い、全員が一緒にデータ分析・活用の成果を高められる環境を提供します。
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集合知で分析を強化:
- これまで長きにわたり、異なるスキルを持つチームがそれぞれ独自のテクノロジーを用いてデータ処理に取り組んできたため、データサイロが形成されていたが、Sigmaのワークブックを活用することでチームはそれぞれのスキルセットを活かし、単一のプラットフォーム上で共同作業を行うことができるようになる
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必要なときに必要な言語で共同作業:
- インタラクティブなワークブックで、Python、SQL、スプレッドシートを切り替えながら作業を進められる
- チームメンバー全員が、それぞれの好きなメディアを使ってライブで貢献し、共に物語を構築
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データウェアハウスを常に安全に:
- Sigma で実行するすべての操作では、クラウド データ プラットフォーム内でデータ処理が利用され、すべての計算と分析で厳密なデータ整合性と機密性が安全に維持される
また、あらゆるスキルを持つチーム、メンバーがより密接に連携出来るような各種機能も充実しています。
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PythonとSQLの要素:
- Python または SQL 要素を基礎ブロックとして構築し、他のユーザーが簡単にテーブルや視覚化などを構築できるように対応
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要素間変数:
- 定義された値は、SQL および Python コンポーネント間で簡単に参照できるため、統合された複雑な分析が可能に
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オートコンプリート:
- スマートな提案を利用してコードをより速く記述し、データアクションをさらに速く実行可能に
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ライブ編集:
- すべてのキーストロークが表示され、すぐに位置合わせができるため、リアルタイムの共同編集を体験
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コードはクラウドで実行される:
- すべてのコードはクラウド データ プラットフォーム内で安全に実行され、データの整合性と制御が維持される
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トップPythonライブラリ:
- お気に入りの Python ライブラリをすべて簡単に利用できるため、データ分析の可能性は無限に広がる
Write-back(書き戻し)
Sigma Computingの「Write-back」機能は、従来のBIツールとは異なり、「データの閲覧・分析」だけでなく「新たなデータ入力や更新」も可能にします。これにより、分析から業務アプリケーションまで一体で実現できる点が大きな特長です。これはシンプルに訳すのならば『書き戻し』機能とでも呼べるのでしょうか。
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データアプリを構築するための新しい機能を解放:
- データ分析にとどまらず、ウェアハウスデータからアプリケーションを構築可能
- Input Tables は、他のサードパーティ製アプリケーションの代わりに使用できるフォームやマルチユーザーワークフローを強化
- Intro to input tables
- How to use input tables, a practical guide to dynamic calculations and scenario modeling | Sigma
- What are Input Tables in Sigma Computing? | phData
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あらゆるシナリオに備える:
- ほとんどのBIツールは単にデータを表示するだけに留まるが、Sigmaでは新しいデータを入力して、それが予測結果にどのような影響を与えるかを確認できる
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Sigma で最新のデータを直接追加、編集、管理
- 従来のスプレッドシートと同じようにテーブルを作成してデータを入力すると、新しいテーブルとしてウェアハウスに直接保存される
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共同ワークフローを強化:
- ウェアハウスデータと並行して、分析に重要なコンテキストを追加できる
- さらに、ライブ編集機能を使用して、他の同僚とリアルタイムで分析を共同作業可能
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強力なセキュリティとガバナンスを確保:
- 制御されたアクセス、監査証跡、コンプライアンスによってセキュリティを強化し、データの整合性と追跡可能性を確保
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ニーズに合わせて拡張:
- スプレッドシートは数十億件のレコードまで拡張できないが、Sigmaを使用すると、更新と共同作業により、大規模なデータをシームレスに書き戻すことができる
プロダクトの主な機能
次いでプロダクトの『機能』に焦点を当てる形で、公式サイトで紹介されている内容を見ていきます。
スプレッドシートUI
Sigma Computingの「スプレッドシート」機能は、エクセルのような直感的インターフェースで高度なBI・データ分析ができるのが特徴です。プログラミング不要で、経験が少ないユーザーでも手軽に使い始めることができます。
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スプレッドシートUIですぐに使いこなせる:
- ダッシュボードのデザイン、カスタムビジュアライゼーションの作成、高度なBI機能の操作など、すべて使い慣れたUIから実行可能。Sigmaの使い方を習熟する必要無し
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行数制限の心配不要:
- 膨大なデータセットを扱うためにゼロから構築されているため数十億行ものデータをパフォーマンスの低下やクラッシュなしに処理可能
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全員を同じ(ワークブックの)ページにまとめる:
- チームはリアルタイムで連携し、迅速な対応と連携を実現。ユーザーは、スプレッドシート分析、Python、SQL、AIなど、複数のスキルを1つのワークブックにまとめることができる
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行から分析を構築:
- 行レベルの分析から始めて、グループ化と集計を通じて分析を構築できるため、曖昧さがなくなる
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ドリルダウンであらゆる視覚化の背後にあるデータを探索:
- 任意の要素を右クリックすると、その背後にあるデータが表示され、分析をさらに深く掘り下げ、列の値を使って任意の場所をドリルダウンできる
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スプレッドシートUI上で200以上の関数がすぐに使える:
- データを最大限に活用するために、単純または複雑な計算、変換、抽出を実行できる 200 を超える関数をサポート
- Function index
レポート機能
Sigma Computingの「レポート」機能は、クラウド時代に最適化された高速・柔軟な運用レポーティングを誰でも使いやすい形で実現します。膨大なデータでもリアルタイムに扱え、現場の“見える化”と業務判断を強力に支援します。
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ライブデータにアクセス:
- 数十億行をリアルタイムで処理し、古いエクスポート、キューブ、従来の BI ボトルネックを排除
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サイロに別れを告げる
- 信頼できる 1 つのビジネス インテリジェンス プラットフォーム上のレポートとダッシュボードにアクセス
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使い慣れた表形式の分析
- スプレッドシート インターフェースとピボット テーブルを使用して洞察を明瞭化
その他、Sigmaでは『データドリブンチーム』向けの機能が提供されています。
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データモデル:
- コードなしで関係性を定義し、指標を設定。ユーザーのコンテキストを追加し、データをウェアハウスに直接書き込む
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ピボットテーブル:
- 使い慣れたスプレッドシート インターフェースを使用して、カスタム小計と不規則階層を備えた高度なピボットテーブルを作成し、簡単に分析
- Working with pivot tables
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データの視覚化:
- 複雑なデータから明確な洞察を導出。豊富なチャートとグラフのライブラリを活用して、視覚化を構築出来る
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どこでもドリルダウン:
- データを自由に探索。あらゆるフィールドをドリルダウン、ピボット、分析し、より深い洞察を瞬時に得ることができる
- Drill down control
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エクスポートバースト:
- カスタマイズされたレポートをスケジュール設定して自動的に配信。適切な情報を適切な相手に送信することが出来る
- Export Bursting
- Export as email burst
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組み込み分析:
- セキュリティとガバナンスを維持しながら、ライブダッシュボードとレポートをアプリケーションに埋め込むことができる
ダッシュボード
Sigma Computingの「ダッシュボード」機能は、分析・可視化・コラボレーションをシームレスに強力化する、多機能で直観的なダッシュボード作成・運用環境を提供します。幅広いユーザーが実運用に活かしやすい設計がポイントです。
Sigma は、ダッシュボードの作成者と消費者の両方にとって、データの要求、検証、探索のプロセスを簡素化します。
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ダッシュボードの重複はもうない:
- ユーザーは探索モードに入ってアドホック分析を実行し、マスター バージョンを変更せずにダッシュボードのコンテンツをカスタマイズできる
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すべての要素はデータソースとして機能:
- 元のデータ ソースから要素を構築すると、それらの要素を新しいデータ ソースとして再利用して、データ ロジックを下流の要素に効果的に引き継ぐことができる
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ライブクラウドクエリから信頼できるデータへ:
- Sigma はクラウド データ プラットフォームに直接接続するため、常に最新のデータに基づいて自信を持って意思決定を行うことができる
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役割ごとにカスタマイズされたビューとアクセス:
- ダッシュボードで誰が何を表示できるかを制御し、許可されたユーザーだけが機密データや安全なデータにアクセスできるようにする
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簡単に構築可能:
- データソースを選択するだけで、すぐに構築を開始。ユーザーは、グラフ、表、テキスト、画像をグリッドスタイルのワークブックにドラッグ&ドロップしたり、クリックに基づいてダッシュボードのアクションをトリガーしたりできる
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デフォルトで"美しい":
- コンテナ要素、カスタムスタイル、そして豊富なデータビジュアライゼーションライブラリを活用して、データでストーリーを伝えることが可能。さらに、企業ブランドを反映したカスタムテーマも設定できる
また、Sigmaではより良いワークフローを念頭に設計された各種機能も提供されています。
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どこでもドリルダウン:
- あらゆるビジュアライゼーションから即座に回答を得ることができる
- あらゆるディメンションをドリルダウンしたり、事前定義されたドリルパスを構築して、キュレーションされたビューを作成したりできる
- Drill into data (Drill Anywhere)
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リネージ:
- すべての要素は、構築可能なデータソース。直感的な系統モデルを通じて、あらゆる関係性を追跡・調整可能
- View workbook and data model data lineage
- Dataset Lineage
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データの視覚化:
- 使い慣れたあらゆる種類のチャートに加え、KPI、ウォーターフォールチャート、サンキーダイアグラムなど、様々なチャートを簡単に作成可能。プラグインを使えば、カスタムチャートも追加可能
- Intro to charts
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探索モード:
- ダッシュボードを探索して、より深く掘り下げる - 分析を実行したり、グラフの形状を変更したり、インサイトを追加したり、独自のビューを保存したりできる
- Introducing Explore Mode in Embedded Analytics | Sigma
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自動共有:
- タイムリーに洞察にアクセスできるように、スケジュールされた電子メールと条件付きアラートを使用して、チームと関係者に最新情報を知らせる
- Share a workbook or data model
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シームレスな配信:
- 関連する消費者またはサードパーティの統合に対するカスタム権限を使用してレポートを安全に構築し、分析情報が適切な宛先に届くようにする
データ・アプリケーション
Sigma Computingの「データアプリケーション」機能は、ノーコードで業務ニーズに合ったカスタムアプリやワークフローを、クラウドデータの信頼性とともに迅速に構築できる点が大きな特長です。コードを書かずに、スケーラブルなアプリケーションを構築し、ワークフローを自動化し、チームのニーズに合わせてカスタマイズされたアクションを実行することができます。
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データファーストのアプローチで運用:
- データウェアハウス上に直接アプリケーションを構築することで、統合されたライブで安全なデータを活用し、スケーラブルなビジネス成果を実現。一元化されたデータと、チームが日々管理する動的なデータを統合することも可能
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コラボレーションとアクションを促進するワークフローを設定:
- データを自動的にキャプチャし、外部システムと連携し、アクションとアラートをトリガーする動的なデータ駆動型ワークフローを作成
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フローに合ったアプリを設計:
- チームの使用事例に合わない別のツールを購入するのではなく、実際に必要なカスタム内部ツールを構築
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スプレッドシートですべてを行う:
- コードの作成、エンジニアリングリソースの要求、技術的負債の増加は不要。Sigma はクラウドデータに直接接続
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自信を持って統治:
- きめ細かな制御により、データ アプリケーション全体のセキュリティ、コンプライアンス、ガバナンスを確保
また、『コードフリーアプリ』の構築に必要な各種機能もSigmaでは提供・紹介されています。
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入力テーブル経由の書き戻し(Write-back):
- コードを一切記述せずに、分析に人間のコンテキストを組み込み、データをウェアハウスに直接書き込む
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アクション:
- ワークブック内の要素間のインタラクションを定義して、入力とユーザー アクティビティがワークフローをトリガーする方法を指定
- Intro to actions
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フォーム:
- 大規模にデータを収集し、複数のユーザーが独自のカスタマイズされた環境内で同じデータに対して共同作業できるようにする
- Forms: Quick Capture and Analysis with Sigma
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マルチユーザーワークフロー:
- カスタマイズ可能なロールベースのアクセス制御により、異なるチームが同じデータに対してリアルタイムで共同作業できるようになる
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クラウドに直接接続:
- 技術的な知識の有無にかかわらず、すべてのユーザーがクラウドから直接セルフサービスで分析情報を得られるように
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組み込み分析:
- アプリケーションに簡単に統合し、アクションと洞察を促進するシームレスなデータ エクスペリエンスを顧客に提供
- Intro to embedded analytics
埋め込み分析
Sigma Computingの「組み込み分析(Embedded Analytics)」は、自社アプリやサービスに高度な分析機能やダッシュボードを簡単・安全に組み込めるソリューションです。エンジニアリソースを最小限に抑えつつ、直感的なノーコード操作で組み込みが行えます。
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迅速な開発、迅速な統合:
- 埋め込みは簡単に導入できるように設計されており、開発者リソースは最小限で済み、カスタム SDK統合も必要無し
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市場投入までの時間を短縮:
- コード不要の分析と iframe の埋め込みにより、わずか数分で顧客に分析情報を迅速かつ簡単に提供できるため、競争上の優位性が生まれ、顧客満足度も向上
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カスタマイズされたユーザーエクスペリエンス:
- 基本的なダッシュボードから包括的なデータ探索まで、柔軟なセルフサービス環境内で多様なユーザー ニーズを満たすカスタマイズ可能な組み込みエクスペリエンスを提供
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データを収益化:
- データが製品の提供の中核を成す場合でも、プレミアムで分析を提供したい場合でも、組み込みエクスペリエンスを活用して、組織に新たな収益源をもたらす
また、Sigmaにはアクションと洞察を促進する組み込み分析を作成するための様々な機能が提供されています。
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簡単な統合:
- 単一のURLでSigmaをすばやく埋め込み、コード不要のオプションでユーザーインターフェイスをカスタマイズ、包括的でメンテナンスの手間が少ない分析エクスペリエンスを実現
- 動的データ探索:
- ユーザーが組み込みのSigma環境内でデータをドリルダウンし、基礎となるメトリックを表示し、アドホック分析を実行できるようにする
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シンプルで安全な認証
- 追加のSSO要件なしで既存の認証と統合し、迅速かつ簡単に実装
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ロールベースのアクセス制御:
- シングルテナント、マルチテナントから動的なロール切り替えまでのオプションを使用して、ユーザー権限を細かく定義し、正確なユーザーアクセス制御を実現
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クラウドデータウェアハウスに対するライブクエリ:
- クラウドデータウェアハウスに直接クエリを実行して、最新の分析情報とリアルタイムのインタラクティブデータを取得
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クラウドへの書き戻し:
- コードを一切記述することなく、人間のコンテキストを分析に簡単に組み込み、データをクラウド データプラットフォームに安全に書き戻すことができる
セルフサービス
Sigma Computingの「セルフサービス」機能は、誰でもノーコードでデータを探索・分析・共有できる環境を提供し、「スピード」と「安全性」を両立した次世代型のデータ活用基盤として設計されています。データエンジニアや業務担当者など、スキルや経験に関わらず利用できるのが大きな特長です。
この項では『誰もが障害なく、自分の望む方法で仕事をこなすことができる』として4つのユーザー層を例に挙げ、プロダクトの『全方位ユーザー対象感』を醸し出しています。
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[アナリスト向け]より高速で簡単、そして強力なBIプラットフォームを使用
- データを処理するためのより優れた方法としてSigmaを活用
- 反復とコラボレーション
- ビジネス成果を促進する
- データでさらに前進
- データを処理するためのより優れた方法としてSigmaを活用
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[エンドユーザー向け]独自の分析を実行
- コードを書かずに、データを探索し、操作
- 簡単に学べる
- カスタムのアドホック分析を実行
- 一緒により速く働く
- コードを書かずに、データを探索し、操作
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[管理者・IT向け]安心してSigmaを運用・展開
- データが保護されたままであることを保証しながら、より強力なデータ文化を構築
- 真実の情報源(a Source of truth)を確立する
- ガードレールを追加
- セキュリティの確保
- データが保護されたままであることを保証しながら、より強力なデータ文化を構築
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[リーダー向け]データからより多くの価値を引き出す
- データを有効に活用
- 収益源を解放し、コストを節約
- クラウド投資を最適化する
- より強力なデータ文化を構築
- データを有効に活用
Ask Sigma
Sigma Computingの「Ask Sigma」は、“エージェント型AIアナリスト”として設計された先進的なAI分析アシスタント機能です。自然言語で質問するだけで、専門知識やコーディング不要で高度な分析プロセスを自動で実行・可視化し、データに基づいた意思決定・知見獲得を飛躍的に効率化できます。
Ask Sigmaはデータ分析を高速化し、データの操作やビジネス知識の構築など、重要なことに時間を費やすことができます。
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利用可能なデータソースを制御:
- 管理者は Ask Sigma がアクセスできるデータ ソースを選択し、機密データの安全性を確保
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ご質問は何でもどうぞ:
- データに関するどんな質問でも、どんなに広範囲に及ぶものでもOK。Ask Sigmaは、お客様の質問の種類に応じてトレーニングされたAIエージェントを展開して対応
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AIがデータソースを選んだ理由を学ぶ:
- Ask Sigmaは、利用可能なメタデータ(テーブルと列の説明)、使用状況の統計、データソースが管理者によって承認されているかどうかなど、分析にデータソースを選択した理由に関するコンテキストを提供
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信頼できる計算を活用:
- Sigmaで指標が定義されている場合、またはパートナーとの連携により指標が利用可能な場合、Ask Sigmaはそれらの検証済みの計算を使用し、それらがビジネスによって信頼されていることを通知。信頼できる指標が利用できない場合は、AIが計算方法を提案
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AI分析の任意のステップを編集:
- Ask Sigmaは、思考プロセス全体を表示。何かおかしい点があれば、分析の該当ステップをクリックするだけでアプローチを修正可能。
- 別のデータソースを選択したり、新しいフィルターを適用したり、カスタム計算式を作成したり、あるいは自然言語で簡単な編集を行ってAIにその作業を任せることもできる
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関連する質問への回答をすぐに得る
- Ask Sigmaは、最初の質問に答えるだけでなく、関連トピックに関する追加分析も提供し、基になるデータや詳細な内訳を確認できるオプションも備える
- これにより、AIが提供する回答に直接アクセスし、好奇心が導くままに探索を進めることができる
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Sigmaワークブックでさらに深く学ぶ:
- Ask Sigma によって生成された任意の要素 (表、グラフ、KPI) をワークブックで開いて、より詳細な分析を実行したり、Sigma の機能をフルに活用してより大きなダッシュボードを構築したりできる
その他関心軸、気になるトピック
ここからはその他、プロダクトの良し悪しやイケてるかどうかを見るときに個人的に気になるところを幾つか調べて見た内容をまとめます。
稼働環境
- Sigmaは完全クラウドネイティブなSaaS型アナリティクス/BIプラットフォームであり、ユーザーはPC・タブレット・スマートフォンなどのWebブラウザ上から利用します。
- 従ってローカル環境へのインストール、設定作業などは不要です。
対応データソース
2025年夏時点では以下のデータウェアハウス・データベースに対応しています。
- AlloyDB
- Azure SQL Database
- BigQuery
- Databricks
- MySQL
- PostgreSQL
- Redshift
- Snowflake
- Starburst
- SQL Server 2022 and Azure SQL Managed Instance
また、データに絡む部分では以下のようなケースにもSigma Computingは対応しています。CSVファイルもアップロードして使えるのは嬉しいところですね。
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CSV形式のファイルアップロード
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作成したデータモデル・データセットの再利用・活用
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チーム・組織での共有/共同作業
- リアルタイムコラボレーション:「Live Edit」機能を備えており、複数ユーザーが同時にワークブックやデータモデルを編集。Googleスプレッドシートのように、他メンバーと画面を共有しながら協働可能
- 組織/チーム/個人単位での権限付与・共有:組織内の指定ユーザーやチーム単位での共有設定、閲覧のみや編集可能などの詳細なアクセス権限の付与なども柔軟に対応可能
- ゲストユーザーや外部共有対応
- テンプレート化・スケジュール配信
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SQLによるカスタムクエリ
外部サービス連携
Sigmaはデータに関する多種多彩なサービスとパートナー関係を結んでいます。様々な横展開・連携が出来るのは昨今のデータ系サービス、Modern Data Stackの潮流ですがその辺りをしっかり押さえて来ている感じです。
- Data Activation(データアクティベーション:収集したデータを分析だけでなく、具体的なビジネス活動やマーケティング施策に活用し、成果を出すためのプロセス)
- Census
- Hightouch
- Cloud Data Warehouse(データウェアハウス)
- AlloyDB
- Databricks
- Google BigQuery
- PostgreSQL
- Redshift
- Snowflake
- Starburst
- Data Transformation(データ変換)
- dbt Labs
- Metadata(メタデータ管理)
- Alation
- Atlan
- Castor
- data.world
- Metaplane
- Secoda
- Select Star
また、APIを介した連携にも対応しています。
費用・プランなど
1週間のトライアル利用が可能、というものがある以外、費用やプランに関する情報はざっくり調べた感じだと見当たりませんでした。色々触って確かめてみたい勢な私としてはもうちょっと期間的猶予や情報があると嬉しいのですが...
公式情報・各種リソース
Sigma及びSigma Computingに関する公式情報・各種リソースは概ね以下の通り。ドキュメントを含めてSigmaの全貌を把握するには必要十分なボリュームと言えるでしょう。
- Sigma(@sigmacomputing)さん / X X公式アカウント
- Sigma - YouTube YouTube公式チャンネル
- Business Intelligence & Data Analytics Blog | Sigma 公式ブログ
-
Sigma Computing ドキュメント関連TOP
- What's New
- About Sigma Getting Started
- About Sigma data apps データ・アプリケーション
- Workbooks overview ワークブック
- Get started with data modeling データモデリング
- Administer Sigma 管理者機能
- Intro to embedded analytics 埋め込み分析
- Function index 関数
- Get started with the Sigma REST API 開発者向けドキュメント(REST API)
- Sigma support サポート対応
- Business Intelligence Resources | Sigma
- Analyst Reports | Sigma
- eBooks | Sigma
また、上記リソースはいずれも英語版。日本語に関する情報はまだまだ少なく、気になったエンジニアやユーザーが個々の興味関心で時折ブログ等で言及している程度でした。
学習リソース
Sigmaについて学ぶことの出来る『学習リソース』も非常に充実なラインナップと言えるでしょう。Snowflakeと同じ形式で「QuickStart」が多数提供されているのは嬉しい限りです。これで存分に実践を試せますね!(←
まとめ
という訳で、クラウドBI・データ分析プラットフォーム「Sigma」の概要まとめでした。概要と言いつつもSigmaがアピールしているポイントを順に眺めていった結果、結構なボリューム感になってしまったのですが...。
でも一連のトピックやポイントを見ていったことでSigmaの全容が朧気ながら把握できたような気もします。書いてあることを全て鵜呑みにする訳にも行きませんが(大規模データに対するパフォーマンスについては"本当か?"となりました)、それらを差し引いても非常に魅力的な機能が多数備わっているプロダクトだなというのが率直な印象です。今後は実際にプロダクトを様々な観点で触ってみたいと思います。
このエントリをお読み頂いた方が少しでも「Sigmaがどういったサービスなのか」を知って・把握してもらえたならば幸いです。