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Dataiku 14.2で登場した「Agent Hub」を触ってみた

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はじめに

Dataiku 14.2 で Agent Hub という新機能が登場しました。
今回はこの機能がどんなものなのか、実際に触りながら整理してみます。

ざっくり言えば、社内版FeloのようなAIエージェント基盤を簡単に構築できるようになりました。
つまり、AIエージェントを まとめて作って・共有して・会話して・管理できる ハブができた、ということです。

この記事では以下の3点を中心に紹介します👇

  • Agent Hub がどんなものか
  • どう使い始めるのか
  • 導入すると何がラクになるのか

これから触ってみたい方の参考になれば幸いです。


Agent Hubとは?

Agent Hub は、Dataiku DSS 内で エージェント(チャットボット/AIアシスタント)を一元管理・配布・会話できるWebアプリ のようなものです。

従来は、DSS内にある複数のエージェントやツールを個別に管理する必要がありましたが、
Agent Hubではそれを「利用者目線」と「管理者目線」の両方から整理できます。

主な機能

  • Agents Library:エージェントの一覧カタログ。利用者は迷わず目的のエージェントにたどり着ける。
  • 会話UI:ユーザーがエージェントに質問できるチャット画面。複数エージェントを跨いだ問い合わせも可能。
  • My Agents:利用者自身が簡易エージェントを立ち上げ、社内共有できる。
  • Agent裏側のログ・参照元の可視化:どのエージェントがどのデータや文書を使って回答したのかを追跡できる。

つまり、「エージェントを作って終わりにせず、使われて価値が出る仕組み」を作るためのハブ機能です。


使い方

Step 1. 準備

公式ドキュメントはこちら👇
Agent Hub — Dataiku Docs

始める前に、以下を準備します。

  1. Dataiku DSS を 14.2 以上にアップデート
  2. Agent Hub プラグインをインストール
    • プラグイン管理画面で「Agent Hub」を検索してインストール可能。
  3. 「Agent Hub, Answers & Agent Connect」タブから新規Hubを作成
    • プラグインが未導入の場合、「Agent Hubをインストール」ボタンが表示されます。プラグインのインストールはこちらからも可能です。
      ※元々「Answers & Agent Connect」という名前のタブが機能追加により名前が長くなりましたね。今後より長くなるのを期待しますww

また、以下の設定も必要です。

  • LLM接続(少なくとも3種類)
    • テキスト生成モデル(ユーザー入力 → 返答)
    • 埋め込みモデル(アップロード文書のベクトル化)
    • ルーティング/オーケストレーション用モデル(複数エージェントの振り分け)

Step 2. Edit画面でアプリを設定

主に以下の項目を設定します。

  • LLM接続(上記3種類)
  • Enterprise Agents:全社共有したいエージェントを登録
  • My Agents:ユーザーが自作したエージェントの保存先や使用可能ツールを定義

Step 3. View画面で確認

設定を保存したら、View画面からアプリ全体の挙動を確認します。
UIを通じてエージェントを切り替えたり、応答を確認したりできます。
👇google検索Agentを使うシーン


使ってみて良かったポイント

✅ 1. どのエージェントと会話しているかが一目でわかる

チャットUIで現在どのエージェントと会話しているかが明示され、
複数のエージェントをスムーズに切り替え可能です。


✅ 2. エージェントの裏側の動きが可視化される

どのデータや文書を参照して回答したのかが追跡でき、透明性が高まります。
社内AI活用における“ブラックボックス感”を解消できます。
エージェントの起用状況:

web検索の場合、どのような結果があったのか:


✅ 3. 拡張しやすい仕組み

一つのユースケースで成果を出せば、他部署・他業務への展開が容易。
さらに「My Agents」を活用すれば、利用者自身が軽量なエージェントを立ち上げられ、
現場主導のAI活用モデルが描きやすくなります。

また、使用状況のモニタリング機能により、常に改善に繋げられる点も魅力です。


まとめ

Agent Hub は、単なる「チャットBot作成ツール」ではなく、
“使われる・拡張される・運用できる”エージェント基盤 を築くための仕組みです。

AIエージェントを「作って終わり」にせず、
組織で共有し、継続的に使われる仕組みを整えていきましょう。


おまけ

OpenAI が最近リリースした Agent Builder のように、GUIベースで直感的にマルチターンのエージェントを構築できる機能も、今後 Dataiku にぜひ欲しいところですね。
また、OpenAIの Agent Builder と DataikuのAgent Hub を組み合わせて使うことで、
作りやすく・管理しやすいエージェント運用」がさらに実現しそうですね。

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