Sigmaのライセンス体系 - 2025年03月のアップデートと主な変更点
Sigma(Sigma Computing)のライセンス体系について調査していたところ、情報(ドキュメント)として以下2つのバージョン?があることが分かりました。
両者のドキュメントはそれぞれに『もう片方のライセンスモデルを利用している場合、そっちを見てね』という案内になっています。
基本的に同じような内容について言及してるっぽいのですが、この2つの情報は一体何が違うのでしょうか?当エントリはその辺りの問いに対する回答を整理しておきたいと思います。(ってかまぁタイトルでネタバレしてるんですが...)
2025年03月07日に『ライセンス体系に関するアップデート』があった模様
Sigma(Sigma Computing)の最新情報アップデートは以下の『What's new』で適宜確認可能となっています。
このページにて現地時間2025年03月07日に発表されたアップデートで、上記の『ライセンスモデルに関する変更』がアナウンスされていたようです。という事で、時系列的には以下の形となります。
- 従来のライセンス体系は『Lite/Essential/Pro』という、3つのタイプが存在するものだった
- 2025年03月07日に『View/Act/Analyze/Build』の4タイプからなる新しいライセンス体系が発表された
- 現時点では3段階ライセンス体系と4段階ライセンス体系の両方が存在する形となっている
両者のライセンス体系:超概要
現状存在している2つのライセンス体系。ライセンス種別に焦点を当てる形でそれぞれどういう種別があるのかについてざっくり見ていきます。
旧来の3段階ライセンス体系(Lite/Essential/Pro)
こちらは旧来存在しているライセンス体系。一部の組織では以下3つのライセンス体系が継続して利用されています。
ライセンス種別 | 主要機能 | 対象ユーザー |
---|---|---|
Lite | - データセット・ワークブックの閲覧 - 各種基本操作 - 保存ビュー作成 - Ask Sigmaによる自然言語クエリ |
レポート閲覧者 |
Essential | - Liteの機能 + 非集計の基礎データドリルダウン - 入力テーブル貢献 - ワークブック・コンテンツダウンロード - エクスポート・アラートのスケジューリング |
より高度な分析機能を 必要とする意思決定者 |
Pro | - すべてのSigma機能 - データセット・データモデル・ワークブックの 作成・管理、組織設定・メンバー管理 |
データアーキテクト BIアナリスト システム管理者 |
新しい4段階ライセンス体系(View/Act/Analyze/Build)
そしてこちらが新しいライセンス体系。2025年3月以降に作成された組織では、以下4つのライセンス段階が標準となっています。
ライセンス種別 | 主要機能 | 対象ユーザー |
---|---|---|
View | - ワークブック閲覧、基本操作、PDF・PNG エクスポート - コメント機能 - Ask Sigmaによる自然言語クエリ |
レポート閲覧者 |
Act | - Viewの機能 + フォーム送信・入力テーブル編集 - 各種アクション実行 - 基礎データ表示・フィルタ - AIによるチャート解説 |
データ入力・更新を 行う協働ユーザー |
Analyze | - Actの機能 + アドホック分析 - レポート・スケジューリング - CSV・Excel・Google Sheetsエクスポート - アラート作成 - AI数式アシスタント |
意思決定のための データ分析者 |
Build | - Analyzeの機能 + ワークブック作成・編集・共有 - データアプリ構築 - データモデリング・変換・具現化 - クラウドサービスへのエクスポート - ユーザー・統合・接続管理 - SQL・Python記述 |
データアーキテクト BIアナリスト レポート作成者 |
両者ライセンス体系の主な違いと特徴
両者を比較して、こちらもざっくり『どんな違いがあるのか』について整理しておきたいと思います。
段階構造が変わっている
まぁこれは一見してわかる部分ではありますが。
- 旧体系: 3段階(Lite → Essential → Pro)
- 新体系: 4段階(View → Act → Analyze → Build)
機能分布が細分化された
- 新体系では、従来のEssentialライセンスで提供されていた機能がActとAnalyzeに分割され、より細かい権限制御が可能になりました。
- 特に、データ入力・更新機能(Act)と分析機能(Analyze)が明確に区別されています。
管理機能が統合された
- 両体系とも、最上位ライセンス(BuildまたはPro)がシステム管理者機能を含んでいますが、新体系では管理機能がより体系的に整理されています。
AI機能の扱いについて
- 両体系において、Ask Sigma、AIチャート解説、AI数式アシスタントなどのAI機能は、組織でAIプロバイダーが設定されている場合に利用可能です。
- 新体系では、ViewライセンスでもAsk Sigma機能が利用可能になりました。
管理者(Admin)という権限が別途存在している
上記で紹介している権限とは別に、管理ポータルで Sigma 組織を構成およびカスタマイズが行える管理者(Admin)という権限が存在します。名前の通りシステム管理者的な操作が行えるスーパーユーザー的な立ち位置です。
- 管理ポータルですべての設定にアクセスして編集
- Sigma組織内のすべてのドキュメントにアクセスして編集
- ユーザー、チーム、権限を管理
- 監査ログやAI機能などのオプション機能を有効化
- 組織または個々のユーザーに対してプライベートベータ機能を有効にするかどうかを決定
詳細については下記ドキュメントをご参照ください。
適用組織の判別方法について
どちらのライセンス体系が適用されるかは、組織の作成時期によって決まります。
- 2025年3月4日以降に作成された組織:4段階体系(View/Act/Analyze/Build)
- それ以前に作成された組織:3段階体系(Lite/Essential/Pro)が継続適用
時期的には今利用開始する場合は前者(4段階体系)一択となるので、関連するドキュメントや情報を参照する際には4段階体系の方を見ればOKということですね。
(※現行トライアルで触っているアカウントも、当然ながら4段階体系の方でした)
まとめ
というわけで、Sigma(Sigma Computing)におけるライセンス体系の前段整理(どういうライセンスが存在するのか、ライセンス体系の変遷)に関するまとめの紹介でした。
こちらの情報を踏まえ、現在のSigmaにおけるライセンス体系に関する詳細について別途エントリにて見ていきたいと思います。