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その文章、なんで AI が書いたってわかるんだろう?

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0. はじめに

初めまして、TransMedia Tech Lab に所属している B4 の山田 祐平です。

生成 AI を当たり前に使うようになって、ふと気づくことがあります。ネット上の文章を読んでいて、「あ、これ AI が書いたな」となんとなくわかるようになったんですよね。
でも、なぜわかるのかを言葉にしようとすると意外と難しい。「なんとなく」「AIっぽい」としか言えません。それに、文章が長くなればなるほど AI が生成した文章は読みたくなくなります。思考体力とかの問題ではないと思うんですよね。

この記事では、その「なんとなく」の正体の言語化を Claude 君に助けてもらいながらしてみたいと思います。
単に「 AI の文章にはこういう特徴がある」という話ではなく、「なぜ LLM はそういう書き方をしがちなのか」という背景まで踏み込んで考えてみます。

1. ✅❌が並んでいる問題

比較を求めると、AIは高確率で✅❌や📌💡といった絵文字などを使ってきやがります。

✅ メリット:導入コストが低い
❌ デメリット:カスタマイズ性に欠ける

こういうやつです。見たことありますよね。

人間がカジュアルな文章で「✅これは良い、❌これはダメ」と書くことってあまりないと思います。プレゼン資料やマニュアルなら百歩譲ってわからなくはないですけど、ブログ記事や日常的な説明でこの書き方をする人は少数派じゃないでしょうか。

1.1. なぜこうなってしまうのか

LLM は「わかりやすさの最大化」を目指して学習されています。情報を視覚的に整理しようとする傾向がとにかく強いんです。

これ自体は悪いことではありません。ただ、文脈を問わずこの傾向が発動してしまいます。結果として、文章というより資料やスライドのような見た目になってしまいます。人間は場面に応じてフォーマットを使い分けますけど、LLM はその判断が甘いのかなと考えています。

2. 聞いてないことまで説明してくる問題

何かを質問すると、聞いていない補足がついてきます。

  • 「〜という方法もあります」
  • 「一方で〜には注意が必要です」
  • 「ただし〜の場合は異なります」

丁寧といえば丁寧なんですけど、友達に「今日の天気どう?」と聞いて、「晴れだよ。ただし午後から雲が出る可能性もあり、また明日以降は気圧の変化により〜」と返されたらちょっとどころじゃなく困りますよね。

2.1. なぜこうなってしまうのか

LLM は情報の欠落を極端に嫌います。学習の過程で「網羅的に答える」ことが良いとされてきたからです。
人間は会話の中で「これは省略しても伝わるな」「これは聞かれてないから言わなくていいな」と自然に判断しています。相手の知識レベル、関心、文脈を読み取って、情報をフィルタリングしているんですね。
LLM はこの 余白の美 が苦手です。「言わないよりは言っておいた方が安全」というスタンスなので、結果として冗長になります。読み手からすると、「この人、本題に自信がないから補足で埋めてるのかな」という印象になりかねないです。

3. 前置きと後置きが丁寧すぎる問題

「素晴らしい質問ですね!」で始まり、「参考になれば幸いです」「いかがでしたか?」で終わる。
これも AI 文章のあるあるです。本題の前後に、内容と関係ない「接客フレーズ」や「よいしょフレーズ」がくっついています。これ特に最近は顕著ですよね。

3.1. なぜこうなってしまうのか

LLM はアシスタントとして丁寧に振る舞うよう調整されています。ユーザーを不快にさせないこと、礼儀正しくあることが重視されているんです。
それ自体は正しい方針なんですけど、結果として「テンプレ感」が出てしまいます。人間同士の会話で、質問されるたびに「素晴らしい質問だね!」と返す人はいませんよね。言われた側も、毎回言われると「本当にそう思ってる?」と人狼が始まってしまいます。
個人的に、AI の丁寧さは「マニュアル通りの接客」に似ていると思っています。悪くはないけど、心がこもっている感じがしない。それが「 AI っぽさ」に繋がっているんだと思います。

4. 文章が綺麗すぎる問題

これは少し説明が難しいです。
AI 文章って、文の長さが揃っています。段落構成が整っています。論理展開に飛躍がありません。誤字脱字もない。一見すると「良いこと」に思えますよね。
でも、だからこそ不自然に見えるんです。

4.1. なぜこうなるのか

LLM は大量のテキストの「平均」を学習しています。インターネット上の膨大な文章を読み込んで、「こういう文脈ではこういう言葉が来やすい」というパターンを学んでいるんですね。
結果として、文体が標準化されます。尖った表現、個人的な癖、あえての省略、リズムの揺らぎ —— そういった「平均から外れた要素」が削ぎ落とされてしまう。
人間の文章には、書き手の個性が滲み出ます。句読点の打ち方、改行のタイミング、言葉の選び方に癖がありますよね。ときには文法的に怪しい文もあるし、話が脱線することもあります。
そういう「雑さ」「揺らぎ」がないと、文章は生き物というより工業製品のように見えてしまいます。整っているのに、なぜか読んでいて疲れる。それが AI 文章の「綺麗すぎる問題」です。

5. 誰にでも当てはまる言い方をする問題

  • 「〜という方も多いのではないでしょうか」
  • 「さまざまな場面で活用できます」
  • 「人によって異なりますが〜」

AI 文章にはこういう「誰にでも当てはまる」言い方が多いです。具体的なようで、実は何も言っていない表現。

5.1. なぜこうなるのか

LLM は読み手が誰かを知りません。年齢も職業も知識レベルも関心も、何もわからない状態で文章を生成しています。
だから、どんな人にも当てはまる表現を選びます。外れないように、広く浅く書く。結果として、「自分に向けて書かれている感」がなくなってしまうんです。
人間が文章を書くとき、意識的にせよ無意識にせよ、読み手を想定しています。「これを読むのは同僚だな」「これは初心者向けだな」「これは友達に送るやつだな」。その想定があるから、具体的なエピソードが入るし、思い切った断定ができます。
AI には、その「誰かに向けて書いている」感覚がありません。結果として、当たり障りのない、誰にも刺さることもない文章になってしまいます。

じゃあ「人間らしい文章」ってなんだろう

ここまで読んで気づいた方もいるかもしれません。AI 文章の「欠点」として挙げたものは、裏を返せば「丁寧」「網羅的」「整っている」「誰にでもわかる」ということでもあります。
つまり、一般的に「良い文章」とされる特徴を、AI は過剰に追求しているとも言えるんです。
それに対して「人間らしい文章」とは何かと考えると、実は「適度な雑さ」「偏り」「省略」なのかもしれません。何事も塩梅が大事ですよね、それと一緒な気がしています。

  • 全部説明しないで、読み手に委ねる部分がある
  • 論理よりも感覚で書いている部分がある
  • 「誰にでも」ではなく「あなたに」向けて書いている感じがある
  • 綺麗にまとまりすぎていない

AI は「伝わらないリスク」を最小化しようとします。人間は「伝わらなくてもいいや」という余白を残せます。その余白が、文章に人間味を与えているのかもしれません。

まとめ

AI 文章の違和感を分解すると、こうなります。

  • 視覚的装飾の問題:わかりやすさを最大化しようとして、✅❌や箇条書きを多用し、装飾過多になる。
  • 網羅性の問題:情報の欠落を避けようとして、聞かれていないことまで説明し、冗長になる。
  • 丁寧さの問題:アシスタントとして礼儀正しくあろうとして、テンプレ的な前置き・後置きがつき、距離感がおかしくなる。
  • 標準化の問題:大量のテキストの平均を学習しているため、文体に個性がなくなり、整いすぎて不自然になる。
  • 汎用性の問題:読み手を特定できないため、誰にでも当てはまる言い方になり、刺さらない文章になる。

こうして見ると、「 AI っぽさ」の正体は「人間らしい雑さの欠如」なのかもしれません。良かれと思ってやっていることが、裏目に出ている。
AI を使って文章を書くときに意識すべきことが、少し見えてきた気がします。

さいごに

実はこの文章のほとんどが Claude によって生成されているのですが、あなたは気づけましたか?
「 AI が書いた文章の特徴」を語る記事を AI に書かせるという、なかなかメタな試みでした。私がやったのは、最初のアイデア出しと、ところどころに自分の言葉を足したくらいです。
もしこの記事を読んでいて「なんか読みにくいな」「AIっぽいな」と感じた部分があったとしたら、それは Claude のせいです。逆に「ここは読みやすかった」という部分があれば、それは の編集力です。たぶん。

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